シャンパンの魅力読む葡萄酒 その4
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魅惑の「泡」
シャンパンの魅力は「泡」です。シャンパンの「泡」は、飲む人を音と美しい泡立ちで魅了します。特に「泡」は光が当たると宝石のように輝きを放ちます。
シャンパンは盲目のベネディクト会の修道士「ドン・ベリニヨン」が、17世紀末、偶然に発酵中の葡萄酒を瓶詰めにして、放置したところ出来たといわれています。シャンパンの製法は普通の葡萄酒と違って、とても手間と時間がかかります。そして、フランスの法律で畑、製造方法、葡萄品種等厳しく規定されています。

シャンパンの製法は、まず白ワイン(シヤルドネ)、赤ワイン(ピノ・ノワールとピノ・ムニエ)を造ります。これらを瓶の中で酵母と砂糖を入れ二次発酵させます。ところが、瓶の中で発酵させると、澱がたくさんできます。これを取り除くのが至難の業です。澱を「ルミュアージュ」といって写真のように逆さに瓶を立て、一日に八分の一回転(なぜ八分の一回転なのかわかりません)させ、徐々に澱を瓶の口のところに集めます。瓶の口を凍らせて、栓を一気に開けるとガスとともに澱が出てきます。そこで目減りした分、リキュールやワインを補います。この操作を「デゴルジュマン」といいます。したがって、シャンパンを造るのに時間と手間がとてもかかります。価格も高価なのが納得できます。

右の棚は、クリコ未亡人が考果した「ルミュアージュ」を行う棚
五感で感じる葡萄酒
ここで、シャンパンの魅力五つ(五感で感じる)を述べます。
- 見酒。(泡が美しい)
- 聴き酒。(泡がはじける音がここちよい)
- 香り酒。(ビスケットの香りが最高)
- 刺激酒。(舌の上で泡が弾ける感触がいい)
- 味酒。(酸味がなんともいえない)
シャンパンを飲む時は、グラスがとても大切です。結婚式でよく出される、平たいシャンパングラスはいただけません。このグラスはマリー・アントワネットの乳房を型取って作られたとか。私は、いつもシャンパンを飲むときは、細長い形をしたフルートグラスで飲んでいます。このグラスはシャンパンの泡立ちがエレガントに見え、そして泡が弾ける音が、パイプオルガンのように響きます。それに、このグラスで飲むと、香りが立ちのぼり、舌の上にシャンパンがスーと入り、舌を心地よく刺激してくれます。そして、酸味をほどよく感じさせます。
ところで、シャンパンは料理を選びません。和食によし、中華によし、そしてもちろんフレンチによし。和食はとくに天麩羅によく「マリアージュ」します。とくに白魚の天麩羅にシャンパンは至福の時です。