院長の談話室 読む葡萄酒

テロワール読む葡萄酒 その2

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ロマネ・コンティの畑

「テロワール」とは、フランス語で「土質・気候・地勢」を意味します。それは、葡萄酒に個性を与えます。フランス、ブルゴーニュ地方の超有名な畑「ロマネ・コンティ」のそれは特別です。1997年にこの畑を訪問しました。とても素晴らしい環境にあります。斜面、日照、風通し、水捌け、どれをとっても最高の立地条件です。

ロマネ・コンティ社の社長であるヴィレーヌ氏の有名な言葉、「葡萄酒は土地の表現である」が物語ります。「ロマネ・コンティ」の畑とわずか4mほどの畦道をはさんだ、隣の畑が存在します。しかし、「ロマネ・コンティ」の畑からは、この畑とは全く別次元の葡萄酒が出来ます。

ロマネ・コンティの畑 広さ1.8ha

葡萄酒をつくる土地

ミクロクリマ(微小気候)は同じ。葡萄の木も同じ。作り方も同じ。樽も同じ。醸造する所も同じ。造る人も同じ。何が異なるのでしょうか。それは、地下です。よい葡萄の木は、地上には80cmほどですが、地下は図のように8m近く根を張っています。そこから、大古の地層のミネラルを吸い上げます。根が深ければ深いほど素晴らしい葡萄酒が出来ます。そして、その地層が大古は海であり、多くの貝殻や珊瑚の堆積であれば、より変化に富んだ葡萄酒が出来ます。

葡萄の木の根

葡萄酒にはロマンを感じます。葡萄酒を口に含んだ時、人類の先祖が生きていた海を想い浮かべます。シャブリ地区は大古は海でした。「キンメリジャン」という石灰層と泥層が幾重にも重なった地層から、ミネラルを感じる葡萄酒が造られます。

2008年にこの地を訪問しました。8mmほどの小さな牡蠣の化石が、畑にごろごろと、ころがっていたのが印象に残ります。なだらかで水はけがよく、日当たりがよい丘陵の畑は美しかったです。このシャブリ地区は遅霜に襲われることが多く、写真のように、畑にストーブの設備が整っています。畑に石油 タンクがおいてあるのには、びっくりしました。

シャブリの特級畑