◆【山行日時】 2008年3月22日 快晴
◆【詳細】
大山のペンションオーナー・Yさん、神戸・Sさんとともに、この時期の恒例となりつつある氷ノ山に出かけてきた。
Yさんとは一昨年、昨年に続き三度目の氷ノ山で、この週末のいずれかの日とのことで約束していたが、日が迫るにつれ日曜日の天候が思わしくない予報に変わりつつあった。
Yさんは自身のペンションのお客さんのスキー場への送迎や宿泊の調整で少し気をやきもきされたようだが、日曜日の天気が下り坂で・・・、
「せっかくなので晴れの氷ノ山を!」
当初より晴れマークのついていた土曜日に決めて、早朝、自宅に立ち寄ってくれたSさんとともに、わかさ氷ノ山に向かい車を走らせた。
R29のT字路で先着のYさんと合流し、スキー場へ向かう。
氷ノ山の山頂を望める箇所ではくっきりと稜線を望むことができ、見上げると天気は快晴だ。
今日の予定は三ノ丸から氷ノ山まで歩き、一度神大ヒュッテまで滑ったら山頂へと登り返す。その後、氷ノ越えまで北方稜線を滑った後、キャンプ場へと戻る周回コース。
予定通りだと過去二回と同じルートなので、これまでの教訓を活かし、下山時に備え車は一台を『氷山命水』まで上げておく。
スキー場に戻りパトロールに入山届けを出したら、リフトに乗り出発。
朝一であることもありゲレンデは閑散としているとおり、リフトに乗車している人は山に入る人のほうが多いほどだ。
リフトトップで準備しているうちにもスキーヤー、カメラマン、登山者等、次々に上がってくる。
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朝のわかさ氷ノ山スキー場 |
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陣鉢山、扇ノ山、青が丸、仏ノ尾を背景に尾根を登高 |
ツボ足で歩き始めると、よく締まった雪に歩行はいつになく快調。
展望もすこぶるよく、前回の展望のないなかのラッセル歩行とは大違い。
次第に見えてくる眺望は「も〜最高」で、リフトトップからも見えていた北の扇ノ山や西の東山はもちろん、遠くの大山もこれまでになく近くに見えるようになる。
日本海に浮かぶ隠岐の島だって見えてそうな感じ。
もちろん、この状況なら氷ノ山山頂は指呼の距離だ。
ブナの森からはシール歩行する。積雪量は例年以上あり、見えるのはブナだけでそれ以外の潅木はまだまだ雪の下。先週の沖ノ山や東山、兵庫県西部、中央部の山々を見ながら稜線漫歩。
背後の大山(リンク先の画像は三ノ丸からみた大山です)は少しもやのかかった大きな谷の遥か向こうに、これまでになくくっきりと浮かび上がり、右手の播磨灘方面にはいつもの高御位山の稜線はもちろん、やや東方、千ヶ峰稜線の彼方には六甲連山も見えているようだ。
ここまで見えるのは滅多にないこと。
ここまでに見た西や南の眺望の良さから、
「この分なら唯一、一昨年見えた、加賀の白山も見えるかも・・・。」
期待に胸膨らませながらも、のんびり歩く。
三ノ丸避難小屋は、残雪の多い年でも小屋の周りにぐるりと大きな溝を掘ったように窪み、雪の壁が形成されているものだが、今年はいつになく雪が多いせいか、あるいは風のきつい日が少なかったからか三角屋根のすぐ間際まで雪に埋もれていた。
このあたりで初めて見えるようになる東の眺望も素晴らしく、但馬から丹波高地へと続く山並みが幾重にも重なって見え、まるで墨絵のよう。
さらに遠望してみると・・・、
「残念。」
いくら遠くを見ても、白山らしき白い山塊は確認できなかった。
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ブナの森より見る沖ノ山、東山、鳴滝山 |
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左から扇ノ山、青が丸、仏の尾 |
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三ノ丸避難小屋と三室山、後山 |
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三ノ丸北方より氷ノ山を正面に見る |
三ノ丸から氷ノ山へは何箇所かあるコブの東側にできる雪庇もほとんどなく、基本は兵庫側をトラバースしながらこれまで以上に快調に歩く。
山頂南の斜面を登りきれば山頂に到着だ。快調に歩けたおかげでリフトトップから2時間と掛からなかった。
立派なブナ林を縫って滑り、大屋町避難小屋を見たらな平(なる)い尾根筋を行く。
見上げれば三ノ丸方面の稜線がずいぶん高い。
高度を下げるほど雪は悪くなったものの、それでも滑るには十分の雪質だ。
大段ヶ平から林道をしばらく滑ると横行のT字路。東屋の屋根の積雪も、まだまだたっぷり。
ここからは再度、シール歩行。林道の雪も稜線同様よく締まっているので、スキーはほとんど沈むことなく快調に歩く。
やがてKさんも記した、貧相な杉の木のある尾根の末端(今となればこの木は決して貧相とはいえないほどに成長している)に達したが、ここではのり面の雪が切れているので、もう少し先の小さな沢筋で右に見えるようになった尾根に向け取り付く。
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谷越しに下ってきた尾根を見る(左上に大屋町避難小屋) |
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林道からわさび谷の頭までは約1時間。
時間的には少々かかるが、あたりの景色にどっぷり浸りながら歩けば苦痛でもなんでもない。
尾根上に出れば右手に大屋町避難小屋の赤屋根が見えるようになり、ブナの大木を見るようになると氷ノ山山頂もちょっと違うアングルで望めるようになる。
やがて現れる潅木帯はケヤキの群落のような場所。再度、ブナやミズナラの大木を見るようになり、平(なる)い地形にトレースすると左手に三ノ丸の櫓が見えてくる。
樹林帯を抜け、真っ白の雪原を行くようになると頭はまもなく。
振り向けば、見事なほどにくっきりと残る三本のトレース。
この尾根を歩いたことでYさん、Sさんともに、また違った氷ノ山を発見できたようで、こちらもとてもうれしい気分になれた。
稜線からは再度、展望を得られるようになるが、朝のような見通しの良さはすでになくモヤがかかった感じとなり大山は望むことができなくなっていた。
最後のご馳走は、久々のわさび谷。
ここ最近、あまり印象はよくなく、
「たまに滑るのもいいだろう。」
的な安易な予想に反し、これまでで最高の雪をいただけた。
最後の植林帯も無事こなし、ゲレンデ連絡道の橋のたもとに下山した。
パトロールに下山報告後、せっかくデポしたのに何のためにそうしたかわからなくなってしまった車を回収。
駐車場に戻ったら、それぞれ家路に着いた。
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