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技術資料室
 A08  幹線ケーブルの選定(例)
      単相3線式の場合
 y-326

参考例題として、下記 
幹線ケーブルのサイズを検討
 

    

     NFBの選定(電技185・186条)
電線の許容電流が負荷の種類及び大きさ
により定まりその電線の許容電流に応じて
NFB(過電流遮断器)の定格電流が選定さ
れる。
 
遮断器容量から幹線ケーブルサイズを選定 
新設事務所負荷容量が70A
既設キュービクル予備回路の遮断器容量
が100AF/75ATとあり幹線ケーブルは75A
以上の許容電流が必要となります。

単相3線式の負荷の場合は、3本使用する
電線のうち1本は中性線の為、許容電流は
2芯の数値を採用できる。

とある為
CV CVD CVTケーブルの許容電流表より

600V  CVD  22゜-120A   
     CVD  38゜-165A   
     CVD  60゜-225A

のいずれかで検討することにします。
低減率から幹線ケーブルサイズの選定 
配線ルートから、既設ケーブルラックを使用
して配線する設計の為その低減率を検討

ケーブル敷設条件はケーブル2段積10列以
上敷設の為、低減率は0.50となる

よって

CVD 22゜=120 A ×0.5=60A
CVD 38゜=165 A ×0.5=82.5A
CVD 60゜=225 A ×0.5=112.5A

低減率からはCVT38゜CVT60゜いずれかを
採用することとなる。

(単相3線式負荷の場合、3本使用する電線
の1本は中性線の為、許容電流は2芯の数
値を採用)
電圧降下から幹線ケーブルサイズの選定
単相3線式配線の電圧降下(簡易計算式)

単相3線式配線の電圧降下= 
 17.8×亘長m×電流A/1000×断面積

CVT38゜の場合
 17.8×220m×70A/1000×38゜=7.2V

CVT60゜の場合
 17.8×220m×70A/1000×60゜=4.6V 

許容電圧降下率は 
内線規程における許容電圧降下表 より7%
となる為。

許容電圧降下=105V×0.07=7.35V

分電盤から末端までの電圧降下は単相2線
式であり計算式は

35.6×20m×10A /1000×3.14゜=2.26V

よって、

CVT 38゜の場合 幹線の電圧降下 
7.2V+末端までの電圧降下2.26V=9.46V

CVT 60゜の場合 幹線の電圧降下 
4.6V+末端までの電圧降下2.26V=6.86V

許容電流、電圧降下による検討でCVT60゜
を算出 することができる。

なお、配線敷設条件により、周囲温度、将来
の負荷容量の増加を見越し、客先との打ち
合わせ検討を重ね経済的検討も考慮し設計
することとなる。
屋内配線の安全確保に必ず漏電ブレーカー
を取り付けましょう
単相3線式では「中性線欠相保護機能付」
のものを幹線に設置するのが望ましい