3日目(2002.12.25 Wed.)
本日のスケジュール
ローテンブルク シュタイナッハ トラウフトリンゲン アウクスブルク
12:06 (RB) 12:18 12:26 (RE) 13:29 13:35 (RE21191) 14:35
アウクスブルク ブーフロイ フュッセン
15:03 (RE21426) 15:38 15:44 (RE21256) 16:57
行き先マップ
12月25日、本日はクリスマス。ドイツでは祝日である。
7:00に朝食を取り、9:00にホテルをチェックアウトし、ローテンブルクの散策へ。市街はほとんどが石畳で、スーツケースを引っ張るのがたいへんだったので、今日は駅までタクシーを呼ぶことにした。フロントで11:30にタクシーを呼んでもらうように頼み、ホテルを出た。
ローテンブルクの街並み。今日は祝日なので、店という店は9割以上が閉まっている。ショーウィンドウには『Merry Chriatmas!』という札がかかっており、クリスマスカラーの飾り付けが本当にきれいだ。
ローテンブルクは、歴史の古い町だ。この地に町ができたのは、970年ごろだという。中世からドイツは戦争の絶えない国であったため、このローテンブルクも城塞都市としての面影を残している。町を取り巻くように城壁が張り巡らされており、主要な出入り口には門と見張りのための塔がある。かわいらしい街並みとはうらはらに、厳しい歴史的背景も垣間見られる風景である。
『プレーンライン』(ラテン語で「小さな場所」)と呼ばれる、町で一番美しい場所。右の道は、タウバー渓谷から直接町へ上がって入るための道。前の道は郊外から乗り入れるための道。この二つの重要な道によって小さな三角形の広場になっている。少し後ろには、やはり門があるのだが、ひときわきれいな『ジーバーの塔』は、1385年に建立された二番目に歴史の古い塔である。その頃からこんなにきれいな塔があったとは、ドイツ人のセンスはすごい。
ドイツの街並みを歩いていると、いたるところにサンタさんが壁をよじ登っている人形がはりついている。屋根から煙突に入ってプレゼントを渡しに来るというのは、万国共通のようだ。日本ではまず見ない光景なので、心温まる演出だな〜と、思わず笑顔がこぼれる。 |
ローテンブルクは町の周りを城壁で囲んでいる町で、その城壁は中を歩けるようになっている。少し高いところから町を眺めるのもいいもんである。
旧鍛冶屋『ゲルラッハ・シュミーデ』。ローテンブルクの中で、最も美しい屋根をもつ家として有名である。 この前で写真を撮っていたら、散歩をしているようなおじさんに、「モルゲーン!」と声をかけられた。その後、そのおじさんは、この旧鍛冶屋に入っていった。そう!おじさんはこの家の主人だったのである。こんな歴史的な建物で今も普通に生活しているんだというとを、改めて実感した。古いものを大切にするって、すばらしい! |
クリスマスは休日なので、ほとんどの店は閉まっているのだが、博物館などの観光施設はかろうじて開いていた。この町の一番の名所といえば、『中世犯罪博物館』だろう。怖そうだから行きたくないと言われながらも、入ってみることにした。
『中世犯罪博物館』。写真のカゴのようなものは、犯罪者を水攻めにするための檻である。内部は、拷問やさらし者にするための道具、死刑執行人の刀など、痛々しいものが展示してある。時代劇などでも『はけ〜ぃ!』と言いながら竹刀で叩かれるようなシーンがあるが、日本のものよりはるかに陰湿だ。背筋がゾゾッとするが、なかなかこんなにおおっぴらに展示しているところも珍しいので、行かれる方は是非・・・ |
博物館からマルクト広場に戻った。博物館の資料によると、その昔、マルクト広場の市庁舎の横で犯罪を犯したものをさらし者にしていたらしい。普通に訪れると本当にステキな広場なのだが、歴史を紐解くと血塗られた過去のある場所でもある。
マルクト広場と市庁舎。昨日の夜はクリスマスのライトアップがきれいだった。休日のためか、人はまばらだった。 |
ぶらぶらと町を歩いているだけでも楽しかった。ヨーロッパ人は、ウィンドウショッピングをする人が本当に多いという。休日や夜にぶらぶらと歩き、欲しいものを探すらしい。どの店も大きな窓を持っており、商品をきれいにディスプレイしている。こういうところも、『ヨーロッパの人は優雅だな〜』と感じる。
日本のように、コンビニがあるわけでも日曜に店が開いているわけでもなく、決して便利ではないのは確かだが、そのぶん家族と過ごしたりウィンドウショッピングを楽しんだり、日本人にはない生活習慣を持っているのだと思う。日本では『心の教育』が問題視されているが、こちらは『精神的にゆとりのある生活』をしている雰囲気を感じた。
ローテンブルクのとある店の中。普通の店なのだが、クリスマスのオーナメントをいっぱいつけた巨大ツリーが中にあったりする。どこもこんな感じで、とてもステキなのだが、どの店も見事に閉まっていた。 |
11:30にホテル前にタクシーを呼んでいたので、時間ちょっと前にホテルへは帰った。
『ホテルアイゼンフートのフロント』。400年の歴史を感じる空間。 |
ここで、ちょっとしたハプニング。朝ホテルを出るとき、11:30にタクシーを呼んでもらうように頼んで、フロントの人がタクシー会社に電話してくれたのも見ていたのだが、11:40になってもタクシーは来なかった。どうやらタクシー会社がすっぽかしたようだった。12:06に電車が出るのでドキドキしていたが、フロントが電話をもう一度してくれてからすぐにタクシーはやってきた。一応滑り込みで電車には間に合った。
ローテンブルクの出入り口『レーダー門』。この石畳がスーツケースにはつらいのだ。行きは頑張ったが、帰りはタクシーで楽チンだった。 |
ローテンブルクの駅に着き、クリスマスというのはたいしたもんだということを改めて感じることがあった。それは、『駅の窓口も閉まっている』ことだった。いつもなら、駅で行き先までの乗換えをプリントアウトしてもらって出発するのだが、今日はそんなことはできないので、駅に張り出してある時刻表を見ながらの移動になった。
ローテンブルク〜シュタイナッハ間の各駅停車車内。ドイツの電車の中には、自転車を運ぶために広いスペースをもつ車両がある場合が多い。自転車を乗せて入っている人を見たことはないが、スーツケースを置いておくには絶好の車両である。車内はとてもきれいで、円筒状の空間はトイレである。 |
外から見た自転車用車両。窓と窓の間に『2』と書いてあるのは、2等車という意味である。 見てわかるだろうが、ドイツの電車は、乗り口が非常に低くなっている。ということは、ホームも低いのである。ドアが開くと、タラップのような階段が1段中から現れて、階段を上るようにして中に入る。スーツケースのような重い荷物を持っているとかなりつらい。 |
トラウフトリンゲンで乗り換え、アウクスブルクへ。ここでは30分ほど待ち時間があったので、スーツケースをコインロッカーに入れ、駅前をうろついてみた。
アウクスブルクは大きな町である。ガイドブックにもけっこう大きく載っている。というのも、この町はロマンティック街道の中心都市だからである。時間があれば1泊して町を歩きたかったのだが、今回は30分しか時間がなかったため、駅のショッピングセンターで時間をつぶすことにした。
駅内には、スキーの服装をした人がかなりいた。大きなスキー場が近くにあるのだろうか?こちらへ来てテレビを見ていると、スポーツニュースで一番初めに流れるのは、サッカーでも野球でもなく、スキーなのだ。特にジャンプの選手は国民的な英雄のようで、日本でも有名なハンナバルトは、まさに英雄である。『今日の松井』並みの扱われ方だ。ジャンプが強いのもよくわかる気がする。
駅の本屋には、ドイツ語で書かれた東京のガイドマップがあった。どんなことが書かれているのかはわからなかったが、写真を見ると、ありえないような写真が掲載されていた。例えば…
浅草あたりの下町の長屋の路地裏で、下駄をはいて浴衣姿の黒ブチめがねのおじさんが満面の笑みで笑っている写真だった。
現代の情報化社会にあって、これはやり過ぎだろうと、ちょっとあきれてしまった。このガイドブックを買って日本へ来たドイツ人は、大きな衝撃を受けるだろう(笑)
予定通りフュッセンに着き、ホテルへ向かった。ホテルは『ホテルヒルシュ』という豪華ホテルで、駅から5分ほどのわかりやすい場所にある。ここも100年の歴史を持つ由緒正しきホテルだ。館内は、木のぬくもりを感じる温かい雰囲気だが、めちゃくちゃゴージャスだ。
ホテルヒルシュ室内。室内はかなり広く、日本で言うなら『デラックス』とか『スイート』といった名前がつきそうな部屋である。ソファもまるで写真館の記念撮影をするためのようなゴージャスさで、普通の部屋だとは到底思えない。 |
とりあえず夕食を食べるため、フュッセンの市街をうろついてみた。メインストリートはライヒェン通りで、駅前通から直角に折れ曲がると、この歩行者天国のとおりに出られる。この通りの突き当たりはホーエス城で、小高い丘の上に建つ城はライトアップがとても美しい。
ライヒェン通り。各店はクリスマスのライトアップで飾り、小さい町にも賑やかな雰囲気が漂っている。人はあまり多くなく、いつもながらウィンドウショッピングの家族連れが散歩がてら歩いているような感じだ。 |
あまりに店が開いていないので、結局ホテルの斜め前のブロイハウスに入った。『ブロイハウス』はビアホールの中でも特に自家醸造ビールを出す店だ。
今日の夕食は、『ファーマーズプレート』と呼ばれる南ドイツの郷土料理だ。クヌーデルというひき肉団子は初めて味わう味だった。かなりモチモチしているが、ソースとよくあっていておいしかった。どれもそうだが、ビールによく合う味付けで、毎日ビールばっかり飲んでしまうはめになった。 |
もう1つはソーセージの盛り合わせ。じゃがいももおいしそうだった。 |
デザート。クレープの生地のようなものにラズベリーを挟んで焼いたものに、モリモリ生クリームがのっかっている。熱々なのだが、これがまたうまかった。 |
フュッセンは、明日ノイシュバンシュタイン城へ行くために泊まることにした町だったが、なかなか楽しめた。町の雰囲気はそれぞれに違っても、それぞれよさがある。ドイツの小さな町は、そこに暮らす人たちが本当にその町を愛してるんだな〜という思いが伝わってきた。
明日は、この旅前半のハイライト、『ノイシュバンシュタイン城』を訪れる。楽しみだ。
4日目に続く・・・