ルナ・シリーズ


1959年1月2日から1976年8月9日まで、旧ソ連が打ち上げた24機の月探査機によるミッションのことで別名ルーニクシリーズと言われている。


ルナ1号   ルナ2号



 ルナ1号は月の軌道に達した最初の探査機で、後に火星と地球の間の太陽軌道を周回する人工衛星となった。ルナ2号は、初めて月面(静かの海)に到着した探査機となった。1号には金属製の旧ソ連国軍の紋章が、2号には旧ソ連のペナントがそれぞれ積み込まれていた。ルナ3号は月の裏側の撮影に初めて成功した。ルナ5号、7号および8号は月面に軟着陸を試みたが失敗した。ルナ9号は世界初の月面の軟着陸に成功した。ルナ10〜13号は地球軌道から月に打ち上げられて月の人工衛星となり、月の化学組成を明らかにするために月のガンマ線やX線の放射量を調べた。テレビカメラを搭載したルナ12号は、月面の映像を地球に送ってきた(1966年10月26日)。ルナ14号は地球と月の質量の相互作用と重力場を調べ、ルナ15号は地球の中間軌道から打ち上げられ、月の周囲の宇宙空間、重力場および月の岩石の化学組成を調べた。 そして月面の画像も送ってきた。

 ルナ16号は、月の土壌や岩石のサンプルを地球に持ち返った、史上初のサンプルリターン・ミッションとなった。ルナ17号〜23号は、地球の待機軌道に打ち上げられた後に月の軌道に乗った。ルナ17号と21号は月面移動車ルノホートを運んだ。ルナ18号は月を54周した後、ロケットの制動で月面に降下し、北緯3度、東経30度の山岳地域に衝突した。ルナ19号は月の重力場、マスコン(質量密度の集中した場所)の位置、放射線環境、ガンマ線の活発な区域および太陽風の調査を行った。また、テレビカメラによる月面の映像を送ってきた。ルナ20号と最後の24号もサンプルを地球に持ち返った。ルナ22号はオービター(周回機)で、月面の撮影、磁場、地表のガンマ線放射、重力場、宇宙線放射および岩石の化学組成の調査を行った。ルナ23号はサンプルを回収する予定であったが、サンプラー(採取器)の故障で目的は達成できなかった。一部失敗が生じたものの、ルナ・シリーズは様々な初の試みに成功し、大きな成果を収めた。


ルナ3号     ルナ9号    ルナ16号     ルナ17号     ルナ21号