No.5 ブレーキパッドの交換2
ここからが本番です。頑張ってくださいね。


(7)ブレーキの構造を確認しましょう

 交換だけなら必要ないのですが、今後のために少し構造を見ておきましょう。上から来ているのがブレーキ ホースで、その下のゴムの蓋のついているのがブレーキオイルのドレンプラグです。その先がシリンダーで ゴムのパッキンの内にあるのがピストンです。パッドは上下の爪でブレーキ本体に固定されていますね。 こうやって見るととても簡単な構造ですね。ネジ類は使っていないので確実に組み立てれば大丈夫ですよ。
(8)固定プレートの取り外し1

 では、いよいよパッドの取り外しです。パッドの上側を固定しているプレートの内側にピンが差して あります。まずそのピンを引き抜いて下さい。手でも充分外れると思いますが、硬かったらペンチなど使用 して下さい。外したら無くさないように気を付けて下さい。だるま型なので『だるまピン』とでも言うの でしょうか(笑)。
(9)固定プレートの取り外し2

 だるまピンが外れたらプレートを取り外します。でもこれは結構硬くてなかなか外れませんね。 そういう時はパッドの下側をブレーキローターの方に押しながらやるとスッと抜けます。 →(こちら
 パッドに付いている針金のような物がバネになっているので、そのバネを押し付けるようにしてやると うまくいくと思います。くれぐれも力任せにやらないようにして下さいね。
(10)ブレーキパッドの取り外し

 固定プレートが外れたら、もうパッドを止めている物は何もないので、パッドの上側から引き抜くよう にして取り外します。針金のようなバネは付けたまま取り外して下さい。
 外れましたか? 思っていた以上に簡単だったと思います。ブレーキはパーツの数も少なくて、案外 DIYしやすいんですよ。
(11)パッドが外れました

 ついにパッドが外れました! では、ちょっと確認しておきましょう。パッドの収まっていた回りの コ形の枠の部分はブレーキシリンダーと一体になっていて、左右に自由に動かす事ができます。 試しに動かしてみて下さい。動きましたか?  この部分が自由に動くために、ピストンで内側のパッドを押す力と同じ力で外側のパッドが引っ張られる ので、片効きはしないしパッドが減っても調整は必要ないんです(と思います)。
(12)ブレーキフルードの量の確認

 下(13)の作業をやる前に、ブレーキフルード(オイル)の量を調べておきましょう。 スタンドでの点検や車検の時にブレーキフルードが減ってるからといって注ぎ足しなど行っていると、 ピストンを戻した時にあふれてしまうんです。パッドが減った分だけピストンが前に出て、その分だけ フルードのレベルは下がるんです。もしタンク一杯だったらスポイドなどでMINライン位まで抜き取って下さい。    こんなに増えます→(こちら
(13)ピストンの押し戻し

 パッドが外れたら後は交換するだけ、という訳にはいかないんです。パッドが減った分だけピストンが 前に出ているので、それを奥に押し込んでやらないといけないんです。この作業はウォータポンププライヤー や木片をてこにして、ピストン(凹形の丸い筒のような感じのもの)を押し込んでやります。プライヤーを使う 時にはピストンを傷つけないように、ウエスなどでカバーして作業して下さい。   押し込んだ状態→(こちら
(14)外した部品

 これが今回外した部品です。だるまピン、固定プレート、それからパッドに付いている針金状のバネ、 そしてシムです。シムというのはパッドに付いている薄い鉄板の事で、ブレーキの鳴き防止などの役目があると 言われています。シムは上下2つずつの爪でパッドに引っ掛けてありますので、変形させないように外して 下さい。 外したシムは→(こちら) また同時にバネも取り外して下さい。
(15)部品の取り付け

 外した部品を軽く洗浄したら、新しいパッドに元通りに組み立てましょう。パッドには左右、内外の区別 はありません。シムは跡が付いているので分かると思いますが、元と同じ位置で使用します。バネは左右、内外 の関係なくこの状態で取り付けます。分からなくなったら反対側を参考にするといいでしょう。
(16)ブレーキパッドの取り付け

 パッドはまず内側から取り付けましょう。狭くて入りにくい時は枠を動かして調整して下さい。パッドの 下を先にはめて、バネの部分は枠に乗るようにします。上もはめ込んだら枠を手前に動かしてピストンが パッドに当たるようにします。それから同じように外側のパッドも取り付けます。それから(9)でやった ようにパッドの下を抑えながら固定プレートをはめ込みます。はまったらだるまピンを差しこんで下さい。
(17)反対側のパッドの交換

 反対側のパッドも交換したら、ブレーキパッドの交換は終了です。どうですか? うまくいきましたか?
 分からなくなったら反対側を参考にすればなんとかなると思います。私は初めて自分で交換した時に、 命に関わる所だけに非常に不安でした。でも実際やってみたら、その不安は全く解消してしまいました。 だって、間違いようがないんですからね(笑)。
(18)作業終了

 パッドの交換が終わったらホイールを取り付けましょう。その前にもう一度付け忘れた部品がないか 確認して下さい。忘れそうなのはピンくらいですけどね。
 確認したらハブボルトにホイールをはめてナットで仮止めします。この時ナットは対角線の順番で締めるようにします。 また、ナットが確実にホイールの穴にはまっている事を確認して下さい。締め加減はホイールが回る程度でしょうか。 ナットはウマから降ろしてからやはり対角線で本締めします。
注意:実際に走る前にブレーキペダルを2、3回思いっきり踏んでみて下さい。それで異常なければ多分大丈夫です。
それから交換後しばらくはパッドとローターの当りが付いていないので、効きが悪くなることがあります。

もし分かりにくい点や間違い、また感想などありましたら、メールにて御連絡願います。









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