相続開始
不幸にして相続が開始したときは、
まず、
@亡くなった人(被相続人)の遺言書の有無を確認しましょう。
・遺言書によって、相続分が変わります。
・自筆の遺言書が見つかったときは、開封しないで必ず、家庭裁判所で検認の手続をしましょう。
A相続人は誰と誰か?何人いるか?
・代襲相続人はだれか?
B相続財産は何か?
被相続人の全ての財産を調べて、財産目録を作成しましょう。
・土地建物などの不動産と預貯金、株券などの不動産で評価が異なるものがあります。
・生命保険、死亡退職金なども一部課税対象があります。
C相続税の課税対象か、非課税対象か計算しましょう。
・ほとんどの人は非課税です。課税対象の人は、1000人に5〜6名程度です。
D又、不動産などは登記が必要です。預貯金については、遺産分割協議書と
相続関係図、印鑑証明書が必要となります。
・不動産登記には、
登記申請書、被相続人の出生から死亡までの除籍謄本と住民票除票
遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明書、住民票、登記簿謄本、
登録免許税(固定資産額の4/1000)、相続関係図が必要です。
E自動車、電気、ガス、水道などの名義変更をしましょう。
F相続人全員で、遺産分割の協議をしましょう。
・早めに協議するのがポイントです。
・時期を置きすぎて、まとまらないケースが多く発生します。
G相続放棄する相続人があるかどうか?
・相続放棄は3ケ月以内に家庭裁判所に申請します・
H限定相続するべきかどうか?
・プラスになったときだけ相続する限定相続は、単独ではでません。
相続人全員がすることになりますので分割協議で話し合いましょう。
I生前に特別な贈与を受けた特別受益者は、相続額から贈与分を差し引いた
相続額になりますので、特別受益者の有無を確認しましょう
相続人と相続分
民法第886条 胎児の権利能力
胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。但し、胎児が死体で
生まれたときは適用しない。
民法第887条 子及びその代襲者
被相続人の子は、相続人となる。被相続人の子が、相続の開始以前に死亡
したとき、又は相続人の欠格事項に該当し、若しくは廃除によって、、その
相続権を失ったときは、その子が代襲して相続人となる。
民法第889条 第887条の規定により相続人となるべきものがいない場合
@被相続人の直系尊属(両親・祖父母)。但し、親等の異なる場合、その近い者
A被相続人の兄弟姉妹
民法第890条 配偶者の相続権
被相続人の配偶者は、常に相続人となる。この場合において、第886条・第
887条の規定により相続人となるべき者があるときは、そのものと同順位
(第1順位)とする。
※相続人を特定するには、被相続人の出生から死亡までの『除籍謄本』『改製
原戸籍』『戸籍謄本』及び『戸籍の付票』を確認し、相続人を判定します。
相続人欠格事項
民法第891条 次に掲げる者は相続人となることができない。
@故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にあるものを死亡
するに至らせ、又は至らせようとしたため、刑に処せられた者
A被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった
者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者
若しくは直系血族であったときはこの限りでない。
B詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺書をし、撤回し、取消
し、又は変更することを妨げた者
C詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺書をさせ、撤回させ、取
り消させ、又は変更させた者
D相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変更し、破棄し、又は隠匿した
者
相続分
民法第900条 法定相続分
@子及び配偶者が相続人の場合、 子及び配偶者の相続分は各1/2と
する。
A配偶者及び直系尊属(両親)が相続人の場合、配偶者の相続分2/3、
直系尊属1/3
B配偶者及び兄弟姉妹が相続人の場合、 配偶者の相続分3/4、
兄弟姉妹1/4
C子、直系親族、兄弟姉妹が数人の場合、 各相続人の相続分は相等しい
非摘出子の相続分は摘出子の1/2、父母の一方のみを同じくする兄弟
姉妹は双方を同じくする兄弟姉妹の1/2とする。
遺留分
民法第1028条
遺留分は法定相続分の1/2ですが、兄弟姉妹は遺留分はありません。