
発売日 昭和56(1981)年6月19日
ワイドスクリーンシリーズ
本体色 ダークブラウン
発売価格 6,000円
中古品参考価格 4,000円
(中程度、本体のみ)
☆ 人気シリーズ、ワイド登場!
ゲームウォッチも発売1周年を迎え、危険シリーズのゴールドで若干のマンネリ感は否めない状況だった昭和56(1981)年6月、新しいシリーズとしてワイドスクリーンが登場しました。
画面はこれまでの1.7倍、本体の大きさも定期券サイズから横に大きく伸びました。
価格はこれまでの5,800円から200円アップの6,000円に。以降、6,000円がゲームウォッチの標準的な価格になります。
ボタンのレイアウトも変わり、それまで画面の下にあったACL・ALARM・GAMEなどのモードボタンが右上に移り、タイトルは右上から画面の上枠に移りました。
細かい変更点は、裏のスタンドでしょうか。大きさと形が若干変更されています。
当時のキャッチコピーには「画面は1.7倍、サイズは今まで通り胸ポケットサイズ」とのことでしたが…
確かに、縦にはそんなに伸びなかったので、シャツのポケットには入ることは入るのですが、いかんせん幅が広がった。これでは胸ポケットからはみ出してしまいます。
これは、サラリーマンを主なターゲットとしていたゲームウォッチの販売戦略の変更があったものと考えられます。思った以上に未成年の購買層が厚かったのでしょう。子どもにも持ちやすく、落としにくい大きさにされた上で、液晶を大型化して見やすくしたものと考えられます。前作までのサイズが子どもには少し小さかったのか、私の周りでもよく落として壊した人は多かったようです。このシリーズ以降、一部を除きサイズがどんどん大型化していきます。
☆ ワイド第1弾もやはり危険だった
さて、ワイドスクリーン第1弾となるパラシュートですが、これがまた前作から引き続いて危険な現場となりました。
右上のヘリから、なぜか人がゴミのように落ちてきます。恐らく、ラピュタ王の怒りを買ったのか何かなのでしょう。
そして今回の主人公、正義感が強いのかどうかわかりませんが、ただの手漕ぎボートで全員助けようという無謀なことをやらかします。しかも海には案の定、人喰いザメがウロウロして、落ちたら喰われちゃいます。でも、助けたところですぐにボート上で消えちゃうので、実は助けた人をすぐ海に落としとるんやないかと疑っています。
☆ GAME Bでは枝に引っかかる
最高得点は999点です。今回もゴールドシリーズと同様、ミスクリアのチャンスが200点・500点の2回あります。
GAME Bでは、一番右に落ちるパラシュートがたまにヤシの枝に引っかかり、タイミングが取りにくくなっています。ヤシの枝に引っかかると、どのタイミングで外れるかわかりません。しかも、外れたら1回で落ちてくるので、自然と一番右がボートの定位置になります。
海に落ちたらミスになり、落ちた人がサメから逃げるシーンを見ることになります。最後はやめてーと言わんばかりに叫びながらサメに喰われる直前で、映像は止まります。ミスマークはまさかのサメです。たぶん喰われたんやろうなぁ…
☆ 個人的には傑作と評価
なんかこれだけ書けば、どんな悲惨なゲームなんだろうと思われるかもしれませんが、私は最高傑作の1つで名作と評価しています。
音もビービーうるさいのがいかにもゲームウォッチらしいし、画面が大きくなった分、前述のミスマークといい、ヤシに登るアラームキャラのサルといい、ワイドでもちゃんと任天堂のゲームウォッチらしさを発揮しています。
市場でも評価されたのか、次作のオクトパスほどではないものの、ゲームウォッチの中では売れたタイトルの1つに数えられています。このパラシュートからオクトパスを挟み、シェフあたりまでがゲームウォッチ第2期黄金期と言えそうです。
私はパラシュートが好きすぎて、今でも屋外でプレイできるように、分解して裏のスピーカーのはんだを丁寧に外し、消音バージョンとして持ち歩いています。ただ、消音バージョンにすると難易度が上がるんです…
☆ クラブニンテンドーの景品に
そんな名作のパラシュートですが、残念ながらこの作品もDSiウェアで配信されていません。しかし、任天堂のポイント制度であるクラブニンテンドーの景品として、DSソフト「GAME&WATCH コレクション2」があり、この中にパラシュートが収録されています。このソフトの中には、パラシュートだけでなく、次作のオクトパスと、その2作を2画面でつなげた「パラシュート+オクトパス」も遊べます。無理に消音バージョン作らなくても、今はDSで遊べますよ。