
発売日 昭和56(1981)年1月27日
ゴールドシリーズ
本体色 ダークブラウン
発売価格 5,800円
中古品参考価格 5,000円
(中程度、本体のみ)
☆ アラームもついて新シリーズ登場
昭和56(1981)年のお正月は、全国の多くの子どもたちがお年玉を握り締め、ゲームウォッチを買うべくデパートにおもちゃ屋に駆け込んだことと思います。これまでに発売された5機種の中ではダントツでファイアが人気だったことでしょう。
そんな任天堂が、満を持して発売した新シリーズ、それがゴールドシリーズでした。高級感のあるボディはそのままに、シルバーの本体はゴールドにその装いを変えて、アラーム機能とスタンドを追加して登場したのです。
時計機能を充実し、午前・午後を分けたことでアラーム機能が追加されました。アラーム表示にもこだわり、アラーム用のキャラクターが登場するなど、ゲームウォッチらしい細かな表現がなされています。更に、枕元に立てて置けるようにスタンドが装備されました。これは、以降のワイドスクリーンシリーズにも踏襲されていきます。
また、正式にシリーズ名を付けられた最初のシリーズになります。これまでに発売された5機種については、本作発売以降、区別のため便宜的にシルバーシリーズと呼ばれました。
☆ カラーフィルム採用で鮮やかに登場
本体のゴールド色以上に目立ったのは、カラーで描かれた背景でしょう。液晶表示は相変わらずの白黒でしたが、背景にカラーフィルムを挟むことで、色鮮やかな液晶面になりました。このカラーフィルムは以降の機種では更に複雑になり、ワイドスクリーン後期以降では2枚フィルムで前後感を出したり、擬似カラー液晶を実現したりしていくのです。
また、地味ながら大きな変更もありました。細いペン先などで突くACLボタンが、ALARMボタン新設に合わせて2つのボタンとも金属板で強化されたのです。
本作以降、金属板が標準になり、何度もペン先で突いてボタンのゴムに穴が空くことはなくなりました。ワイドスクリーン後期以降には更に改良がなされて、金属板に窪みを付け、これまで以上にペン先などで押しやすいタイプになりました。
☆ 何とミスが帳消しに!?
本作以降の作品で採用されたものに、ミスクリア制があります。これは、一定得点に達すると、それまでのミスがある場合、ミスが帳消しになるというものです。これにより、ボールの頃には考えられないぐらいゲームバランスが良くなり、ますます遊びやすくなったと思います。これがないと、最高得点なんか絶対無理というゲームもずいぶんありました。
☆ マンホールと言う名の苦行
さて、気になるゴールドシリーズ第1弾のゲーム内容なんですが、マンホールという名前ながら歩行者が下水管に落ちないようにフォローするというものでした。
主人公は今回、歯を食いしばりながら、ひたすら上下に空いた4か所の穴を塞いで歩行者が落ちないようにします。歩行者には表情がありませんが、主人公の表情は非常に辛そうです。
ボタンは前作から続く四つ目。それぞれ4か所に瞬間移動できる魔法のボタンです。
最高得点は999点です。GAME Bでは歩行者のスピードがどんどん上がり、しかもいっぱい歩くのでまたまたパニックです。
歩行者が落ちるとミスになり、濡れたTシャツがミスマークです。この辺りも素晴らしいアイデアです。先に述べたように、本作からはミスクリア制が採用されています。ゴールドシリーズでは200点、500点に達するとミス帳消しになります。
☆ ゴールドシリーズの名作
マンホールが名作と言われるゆえんは、その表情やカラーフィルム、ミス帳消しなどで若干マンネリ化していたゲームウォッチに新しい風を吹かせたことだと思います。スピード感と興奮度はファイアに続くものがありました。ちなみに、ファイアでご紹介した裏技、電池ガチャガチャですが、このマンホールでもできます。歩行者がハイスピードで動くので大変です。
☆ ファイアに続くリメイクは…
ファイアと共通したことは他にもあり、同じくリメイクされて発売されました。日本では発売されなかったこのニューワイド版リメイクマンホールですが、何とこのリメイク版がDSiウェアで遊べます。
歩行者にも表情があったり、アラームキャラであるアラームおばさんが金髪になるなど、今回も大きなリメイクがなされていますが、小さなゴールドシリーズの画面で遊ぶ方が個人的には好きですね。さて皆様はいかがでしょうか。