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34 番外1 YM-105 スーパーマリオブラザーズ

発売日 昭和63(1988)年3月 ※海外のみの発売
ニューワイドシリーズ
本体色 ホワイト+ライトブルー
中古品参考価格 10,000円
(中程度、本体のみ)
 
 
☆ 大人気ファミコンソフトを移植
 
 世界一売れたゲームソフトとして有名な、ファミリーコンピュータ版「スーパーマリオブラザーズ」。そんなヒゲ兄弟の栄光前夜の過酷な下積み生活はこちらでも幾度かご紹介しております。そんな辛い時代を経て、トップスターに躍り出たマリオとルイージ。
 ファミコン版の発売は、昭和60(1985)年9月。発売後、すぐに学校でも話題となったようです。
「めちゃめちゃおもろいゲーム買うてん」
「スーパーマリオっちゅうねん」
「前のマリオと同じようなゲームちゃうん?」
「あれよりだいぶおもろいねん」
「ほなとりあえずおまえんち行くわ」
ファミコンは家でしかプレイできませんので、こうして各々の家に行って遊ぶ・・・そして楽しいゲームを持ち寄って貸し借りしたことでしょう。
 そのすごさは当然世間でも大きな話題となり、商品もすぐに品薄状態に。そんな大人気ゲームソフト、スーパーマリオをまさかのゲームウォッチに移植したのが本作です。発売から2年半を過ぎた、昭和63(1988)年3月のことです。
 
 
☆ なぜ海外版はファミコン移植が多いのか
 
 海外版のゲームウォッチですが、ファミコンのヒット作を移植して発売するケースがいくつか見受けられます。
「デビルワールド」を移植した『スキッシュ』
「アイスクライマー」を移植した『クライマー』
「ゼルダの伝説」を移植した『ゼルダ』
その他に『バルーンファイト』も同名で移植されています。
いずれの作品も、どうやってこれを移植したの?と思わせるものとなっています。
 この背景としては、ファミコンの普及が進んでおらず、比較的携帯型ゲームの売上が好調だった海外向けに、日本で人気となったゲームを参考にしてゲームウォッチの開発を進めたためと考えられています。
 既存のゲームなら開発費も節約できて、ゲームウォッチの生産ラインも余剰となっているので、一石二鳥というわけです。
 
 
☆ 気になる内容は割とシンプル
 
 今回ご紹介するスーパーマリオブラザーズ。ホワイト&ライトブルーの爽やかな本体色です。
 ゲーム内容はスーパーマリオの世界観をなるべく保ちつつ、1画面固定液晶の限界を最大限に使って冒険を展開していくスクロールアクションゲームです。
 ファミコン版と同じく、ワールド8まで用意されていて、中には水中面まである本格派(水の中にいる感じはぜんぜんしませんが)。
 ファミコン版は、自走することでスクロールしていき、各ステージで砦に到達し、各ワールドの最後でキノピオ(最後のワールド8ではピーチ姫)を救うというものでした。
 ゲームウォッチ版は、基本的に強制スクロールでゲームが進んでいきます。マリオはジャンプ技で足場に飛び移っていき、最後にピーチ姫のところに到達すれば各ワールドクリアとなります。
 そうなんです、ピーチ姫ってワールド8にしかいないと思っていたら、各ワールドにいるんです。これはちょっと違和感あります。
 また、本家では各ワールドに4つのステージがありますが、ゲームウォッチでは1ワールドにつき1ステージです。
 中にはスクロールせず、ほんとに1画面完結のワールドもあります。ここでは制限時間内にピーチ姫のところに行けばクリアです。
 アイテムは、1機増える1UPキノコと無敵になるスターが採用されています。ファミコン版で特徴的なファイアフラワーや大きくなるキノコはありません。また、敵もジュゲムやキラーが登場しますが、基本的にはこちらから攻撃することができなくなっています。ひたすらジャンプ等で避け続けなければならず、防戦一方です。そうそう、敵の主役のクッパですが、こいつが何とアラームキャラに大きく降格です
 
 
☆ 複数ありますスーパーマリオ
 
 このゲームウォッチ版スーパーマリオ、当初はディスクシステム「ファミコングランプリ F1レース」のタイムトライアル上位一万人へのプレゼントとして製作された非売品でした。
 その後、海外版として同じ内容のゲームを発売したものが、今回こちらでご紹介したものです。
 また、クリスタルスクリーンという、海外のみで展開されたシリーズでも液晶を一部アレンジして発売されています。
 やはり、海外でもスーパーマリオはビッグタイトルであったことがわかりますね。
 ところで、非売品の賞品となったスーパーマリオですが、これが当時唯一の非売品ゲームウォッチだったこともあり、現在も非常に入手しづらい一品となっております。しかも、シリーズ唯一のケース付き。このケースがまたディスクシステムのキャラクター「ディスくん」形のケースなんです。まさにマニア垂涎ものです。
 今回ご紹介したニューワイド版は、比較的入手しやすい価格です。ゲーム内容はファミコン版と比較すれば劣るのは言うまでもありませんが、移植したものとしてはよく出来た良作だと思います。機会があれば手に入れてプレイされることをおすすめします。
 
 


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