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切りべら |
「切りべら」は「切平」とも。そばは、延した生地の厚さと同じ幅に切る、すなわち切ったそばの断面はマッチ棒のように正方形が正統だが、延す薄さ(厚さ)よりも切り巾を薄く切ることを「切りべら」という。延した厚さよりも切り巾を薄く切ること。例えば、「中打ち」は「切りべら23本」で、生地を約1.5mmに延して一寸(3.03cm)を23本に切るので一本の巾は約1.3mmとなる。そばの断面は縦長ぎみの長方形になるが、薄く切ることによって麺自体を細くした勘定になる。この反対は「のしべら(延平)」で延しの厚さより切り巾のほうが広い形をいう。「切りべら」という言葉の背景を考えると、昔のそば粉では、現在との比較で生地を薄く延すのが大変で、細くするために切りで厚さを減らした「切り減らし」からだろう。註)マッチ棒を例示したのは断面正方形をイメージするためで太さではない。ちなみにJISによるマッチ棒の太さは1.8mm以上である。 *「のしべら(延平)」の項参照 |
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