バイオハザード6の二次小説を書いてます。
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04.そんなとこが好きだよ
ジェイクのどこが好きなんだろう。
シェリーはそんなことをふと考えた。

顔とか?
――初対面の時は印象最悪だったわね、そういえば。
声とか?
――今は声を聞くだけで心臓が痛いけど、それはきっと好きになった理由じゃない。

じゃあ何だろう?

「おい」
考え込んでいたシェリーを覗き込むようにジェイクが身体を屈めていた。
お昼の食堂は喧騒に包まれていて、その賑やかさが一気に戻って来た。
「なに?」
「メシも食わずに何呆けてんだ?」
テーブルを挟んで向かい側にドカッと腰かけたジェイクの体躯は食堂の椅子が小さく見えるほど大きい。
「…呆け…てなんかないわよ。考え事してただけ。心配ありがと…」
「ば、バカヤロ!心配なんかしてねぇよ!アホ面晒して何考えてのかと思ってな」
(アホ面とか言う、普通?)
口は悪いし、皮肉屋だし、ホントに私はどこが好きなんだろう?
シェリーは頬を膨らませて、ジェイクを睨んだ。
「ホラ、また。今度はフグみたいになってるぜ」
同じように頬を大げさに膨らませて顔を作るジェイクにシェリーは思わず笑った。
それを見てジェイクが「ん」と頷いた。
「んな難しい顔してないで、お前は笑ってろ」
ジェイクはそう言って目の前のトレイに乗った昼食を食べ始めた。
シェリーは微笑んで、自分のフォークを手に取った。

――ジェイクのどこが好き?

こういうところが好き。


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