うま味(アミノ酸) |
醤油のうま味は、大豆と小麦に含まれるたんぱく質が、麹菌の酵素で分解され、約20種類のアミノ酸に変化して生まれます。中でもグルタミン酸は、うま味成分の中でも特に重要なアミノ酸の一種で、醤油の旨味の主役です。 |
酸味(乳酸菌) |
醤油の酸味は、乳酸菌の働きによってブドウ糖が変化して生まれます。こうして造られた有機酸類(乳酸、酢酸、クエン酸)は、塩味をやわらげ、味をひきしめる働きをしています。乳酸の三分の一くらいの酢酸が醤油には入っています。乳酸による酸味は、酢と同じように塩味をまるく感じさせます。 |
甘味 |
醤油の甘味は、小麦のでんぷんが醸造中に麹菌が働いてブドウ糖に変化して生まれます。このブドウ糖は砂糖の半分の甘みがあります。全体の味をやわらかくし、丸みをもたせる働きがあります。口に含むと、舌の先にこの甘味をほんのり感じます。 |
アルコールの味 |
醤油の醸造過程で生まれる天然の糖質である糖アルコール(グリセリン)は、材料の味にまるみを持たせます。 |
塩味 |
醤油の塩分は、こいくちしょうゆで16~17%。海水の約5~6倍にもあたります。それほど塩辛く感じないのは、アミノ酸や乳酸などの成分が塩味をやわらげ、深みのある味わいを作りだしているからです。 |
苦味 |
大豆の蛋白質を麹菌の酵素が分解すると、最終的にはアミノ酸になります。分解の途中でペプチドというアミノ酸が二つ以上数十個くらいまでくっついたものができます。その中に苦味を呈するものがあります。このように、苦味成分も醤油の中には数種類含まれています。苦味を直接感じることはありませんが、「コク」を与えるかくし味的存在として、醤油の味をすっきりとひきしめています。 |