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教育活動

 外国語学部では、英語の実習授業の他に,イギリス文化概論やイギリス文化特講、イギリス文化演習といった授業を担当しています。簡単に内容を紹介します。また大学院で開講しているイギリス現代政治研究科目についても触れておきます。外国語学部英語専攻全体のカリキュラム、大学院言語文化研究科言語社会専攻のカリキュラム全体については、以下のHPを御覧ください。

英語専攻HP

言語社会専攻英語部会

● イギリス文化概論

イギリス文化概論は、1−2年生向けの入門講義です。この講義では、「自由主義の時代」と題して、主として19世紀から20世紀のイギリスの政治史の概説を講義しています。とはいえ、現代のイギリスを理解するためには、宗教改革や17世紀のピューリタン革命、名誉革命、重商主義についてもある程度の常識が必要です。それで最初に16世紀から18世紀にかけてのイギリスの歩みをスケッチしてから、本題の19世紀に入ります。そして産業革命、フランス革命とイギリス、第一次議会改革、チャーチズムと穀物法の撤廃、自由党の形成、グラッドストーンと自由主義改革、デイズレイリとトーリーデモクラシー、アイルランド問題と自由党の分裂、保守党の優位と帝国主義の時代、最後の自由党政権、第一次大戦とイギリス、戦間期のイギリスと労働党政権、第二次大戦への道、第二次大戦とイギリス、アトリー労働党政権と戦後改革、戦後コンセンサスの時代、サッチャー政権の改革などのトピックをとりあげていきます。セメスター毎にレポートを課して評価をします。

● イギリス文化特講

イギリス文化特講は、3−4年生向けの講義で、「イギリス自由主義思想の展開」と題して、イギリス自由主義の古典を、歴史的な背景をつき合わせながら読んでいきます。最初に、ウエーバーの『プロテスタンテイズムの倫理と資本主義の精神』を手がかりにして、ピューリタニズムが果たした意義を考えます。次にピューリタン革命期には王党派に属していた思想家、トマス・ホッブズの『リバイアサン』を歴史的な背景を考えながら読みます。次に名誉革命の哲学者といわれるジョン・ロックをとりあげ、『人間悟性論』と『市民政府二論』などに展開されている経験主義の哲学と市民政府の理論を、ロック自身が深く係った名誉革命を念頭に置きながら読んでいきます。後期では、自由主義の政治経済思想を確立したとされるアダム・スミスの『道徳感情論』と『国富論』から、とくに時代の課題と切り結んだ部分をとりあげます。続いてジョン・スチュアート・ミルの『自伝』『』功利主義論『自由論』『代議制統治論』における自由主義の修正の意味について、ヴィクトリア時代の現実とつきあわせながら考えます。最後に、J.A.ホブソンの『帝国主義論』と、ハロルド・ラスキの『近代国家における自由』をとりあげ、20世紀におけるイギリス自由主義の意味を考えます。セメスター毎にレポートを課して評価します。

●イギリス文化演習

この演習では、近現代のイギリスの、政治、経済、社会の諸問題について、学生自らできる限りオリジナルな資料を集めて独自のリサーチを行い、その研究成果を順次発表して討論し、卒業論文を作成してゆくことを中心に進めてゆきます。4回生は、5月、7月、10月、12月に卒業研究の中間報告を行い、それを軸にして卒業論文の構成や内容を固めてゆきます。研究発表以外の時間は、3回生を中心に、近現代イギリスについての概説書をとりあげて、丹念に読み進め、現代イギリスを理解する上で必要な独特なタームに親しんでゆくためのセッションを行います。
卒業論文のテーマは、近現代のイギリスですが、大英帝国にかかわるトピックでもかまいません。最近の卒業論文では、アイルランド独立戦争期のアイルランド議会や20世紀初頭のイギリスの婦人選挙権運動、最近の労働党政権下の教育監督局の活動などがとりあげられました。

●現代イギリス政治研究(大学院)

大学院では、現代イギリス政治の形成にかかわる研究書を精読しています。近年は、ロイド・ジョージについてのさまざまな研究をとりあげています。