暑い「クールビズ」
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 「クールビズ」。環境省の提唱で上着なし、ネクタイなしでのビジネスをということである。テレビに映し出されるワイシャツ姿の政治家が多く見られるようになったが、私の場合は以前からである。一人で仕事をするのが基本であるため、事務所での姿は目も当てられない。冬の姿は「春来たれり」で書いたが、夏はTシャツにタンパン、素足というのが通常のスタイルであり、もっと暑くなり多量に汗をかくようになると、首にタオルを巻き、腕があたる机の場所には同じくタオルを敷く。来客があるまでは、エアコンもつけない。とても●●●には見えないはずである。

 考えてみると会社勤めをしていた頃も、工場での勤務のほうが多かったせいか、夏の暑い日にスーツ姿だったという記憶はあまりない。経理という職種でも、工場のラインで働く方たちと同じ開襟の作業服で仕事をしていた。要するにスーツにはあまり縁がないということであろう。我家の愛犬、ただし写真の切り抜き

 大阪に出てきた頃は、田舎とは異質の暑さにまいってしまった。当時西淀川区というどちらかというと工業地帯に住んでいた。緑はほとんどなく、アスファルトで固められた道路から反射する太陽熱と車の排気ガスが熱風を運んでいた。当時、エアコンなどというものは家庭にはほとんど普及しておらず、夜のあのムーッとした空気を扇風機でかき回しながら、冷たい飲み物を飲んでしのいでいたのが思い出される。

 就職した会社での最初の配属先がエアコン事業部であった。研修でエアコンの理屈を勉強した。文系出身のため確かな説明は出来ないが、要するに部屋の熱を外に逃がすということのはずである。ということはエアコンを使う人は快適であるが、外のことは知ったことではないという考え方ではないか、自分の生活空間が快適であればそれでいいということかと、少々憤慨した記憶がある。こんな調子なのだから、やはり会社員づとめが続くはずがない。

当時は一家に一台あるかないかという時代であったが、現在は各部屋に一台が当たり前となってきたしかし現代の夏の暑さの原因のひとつが、エアコンの室外機からの熱気と車の排気ガスのせいだと頑固に非科学的に信じている私は、どれだけ暑くてもエアコンをつけずにダラダラと汗を流すわけである。ただ「どこかのおばさん」は飲んだビールの水分を放出するためにそうしているだけではないのと言う。かくて私の見た目だけの「クールビズ」は暑いのである。

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