細菌の一種の「ヘリコバクター・ピロリ」に感染すると胃がんになる率が5〜10倍高まることが、厚生労働省研究班 の大規模追跡調査で分かった。 しかし、除菌しても胃がんを防げるかどうかは不明といい、研究班は『予防には、禁煙や食事の減塩、胃がん検診の受診を 勧める」としている。厚労省研究班は1990年と93年に、全国の40〜69歳の男女計約37、000人を採血。 ピロリ菌への感染の有無や、体内の菌の毒素の有無を調べた。 04年までに計512人が胃がんになった。 採血時にピロリ菌感染が確認された人は、確認されなかった人に比べ、5.1倍の率で胃がんに
なっていた。 さらに、採血時に感染はなかったが、過去の感染の影響とみられる菌の毒素が確認された人も
含めると、感染か毒素があった人はどちらもなかった人の10.2倍の率で胃がんになっていた。 菌の影響で胃粘膜が炎症を起こして萎縮し、がんになりやすくなるらしい。 ただ、感染歴がある人は調査対象の約94%と推計され、胃がんになるのはその一部という。![]()
胃炎や胃かいようを起こす細菌「ヘリコバクター・ピロリ菌」に感染していると、胃がんになる危険性が5倍以上に 高まるという調査結果を、厚生労働省の研究班がまとめた。 1990〜95年に40〜69歳の男女約4万人の血液を採取。 その後、胃がんを発症した512人と発症しなかった人を比較した。胃がんを発症した人の94%がピロリ菌に感染。 未感染の人に比べ、感染者が胃がんを発症する危険性は5.1倍になった。 ピロリ菌に感染すると胃の粘膜が萎縮してこの血液検査では陰性になる場合がある。 こうした「隠れ感染者」も含めると胃がんになる危険性は約10倍に上昇した。 研究班の国立がんセンターの笹月静室長は「ピロリ菌の除菌療法の効果は限定的で、胃がんの発生を
完全に抑えるとはいえない。 感染していても胃がんになるとは限らないが、感染者は喫煙や塩分の取り過ぎなどの生活習慣を改める
べきだ」と話している。![]()
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