足の指の間が痒くなる心意気

2002年10月9日(水) 「カユミとの闘い」

 油断した。涼しくなってきたんでついつい油断した。最近妙にカユイ。夏も過ぎだいぶ涼しくなってきたというのに、足がカユイのだ。

 水虫はもちろん虫ではなくカビの仲間。カビと同じようにやっぱり温度と湿気がダイスキ。夏の暑くムレムレに蒸れた靴の中の足は連中の最も好むところである。それを見越して夏の間はカユクなる前にこまめに薬を付けていたのだが。

 それは帰り道、車を運転しているときだった。突如として右の薬指と小指の股に発作が走った。おりしも山道に差し掛かり、右足の細かなフットワークは欠かせない。AT車にとって右足の動きは命をも左右しかねないほど繊細だ。
 靴の中で足指を必死にこねこねこねこねうごめかすも、カユミは一向に収まらない。むしろ中途半端に刺激されてよけいにカユイ。それどころか指を微妙にこねこねした結果、ついつい必要以上にアクセルを踏み込んでしまい、あやうく側壁と仲良くなるところであった。

 靴を脱いで、靴下も脱いで、パンツも脱いで、多少のニオイも何のその、思いっきり指をツッコンで掻きむしりたい。しかし今は運転の途中。車を寄せて停める路肩もない山道。靴の中で指を不自然におねおねするのが関の山だ。こうなるとなぜだかますます掻きむしりたくなる。カユミも心なしか増してきたようだ。もう、チクチク感すら覚えるほど。くぅぅぅっ。カ、カユイ!
 そうこうするうちに車は山道を抜け、市街地へと入ってきた。ああ…やれやれ。コレでやっと掻きむしれる。どこかコンビニの駐車場にでも車を停めて、思うさま足を掻きむしるのだ。蒸れた靴と、汗ばんだ靴下を脱いで、(きっとニオイがキツイからあらかじめ車の窓は開けておいて)思いっきり指をツッコンで掻きむしるのだ。ひっひっひ。

 車を停める。いそいそと靴に手をかける。ふと気付く。

 もう、カユク、ない。

 水虫にまでなめられた、秋の宵の話である。

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これでこそ 隔靴掻痒 地でいって
交通事故には 気をつけましょう
志さま

ゆカイつうカイ かきむしりタイ
アキラさま


足のカユミに 秋風ぞ吹く  3太郎
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