足の指の間が痒くなる心意気

2002年9月19日(木) 「日朝平壌宣言を読む

 9月17日に平壌で行われた日朝首脳会談と、それに伴って出された「日朝平壌宣言」。出来ればこちらか新聞などでぜひ全文を読んでみて欲しい。
 ここでは少々乱暴にではあるが、判りやすくツッこんでみたい。


 宣言の2項目では例によって例のごとく、「日本側の痛切な反省と心からのおわび」に触れ、補償にも言及している。それによると恐らく3兆円はくだらない補償額が必要なのではないか、と早くも一部で懸念の声が挙がっている。そんな金いったいこの国のどこにあると言うのか? 嗚呼、また増税か…。

 続いて「日本国民の生命と安全に関わる懸案問題」について。いわゆる「不審船問題」と「拉致問題」についてである。
 …前項で日本側は「心からおわび」してるぞ? ソッチの「おわび」はどうなってるのか? また、それに対する補償に一言も触れられていないのは、どういうわけであろうか?
 「不審船」と「拉致」は、領土領海を侵犯されたうえに、日本国民に直接に及ぼされた北朝鮮の魔の手そのものであり、これはすでに「戦争」である。戦争でなければ、テロなのだ。テロリストの魔手は、我々の隣人をじわじわと、しかし確実に蝕んでいたではないか。「平和国家日本」と唱え続けてきた戦後の50数年は幻想なのである。
 わずか1,2ヶ月前までは、存在すらしないと、けんもほろろに言われていた拉致被害者。その多くは恐らく口封じのために殺されたのだろう。それに対してももちろん怒りを禁じ得ない。しかし、我々の住む日本の国の中でこのようなテロ行為が、国家の意志のもとで行われていたことにこそ、もっと強い怒りを感じるべきではないのか?
 無責任にも知らないとか言ってるヤツがいるようだが、組織の末端が意志を持つことすら許されないあの国で、国家のトップがそんなことを知らないだなんてあり得ない。あの男は、間違いなく全部知っていた。故に、これらの行動は北朝鮮という国家の意志で行われた戦争行為なのだ。

 続いての4項目では、もっと恐ろしいことが書かれている。

「核問題およびミサイル問題(中略)に関し、問題解決を図ることの必要性を確認した」

 この一文。まこっとに中途半端な表現である。「必要性を確認」とは、
「ミサイルのことだけどぉ…ボク、やっぱこのままじゃいけないと思うんだよね、アハッ☆彡」という程度のことを言ってるのとそう変わらない。何をどうする、とか具体的には全く触れられていないのだ。
 確かにその次の段落では、「ミサイル発射の自粛を2003年以降も延長していく意向を表明した」とある。しかしコレもよく読めば判るように「延長することを決定した」のではないのだ。
 「ミサイル撃つのヤめといてもいいよ、とりあえず、ね♪」…という、体のいい期限付きの恫喝なのである。


 拉致問題の取り扱いといい、不審船疑惑の棚上げといい、確かに日本政府首脳の今回の平壌宣言へのサインは、大きな不満が残ると言わざるを得ない。
 特に拉致問題では、旧社会党や共産党など「北朝鮮に拉致疑惑なし」と声高に言い続けてきた左翼政党始め、過去の日本の政治家・官僚の弱腰のツケで、非常に残念な結果を招いてしまった。しかし、上記に見てきたように、北朝鮮と日本を取り巻く東アジアの安全保障における諸問題を考えれば、平壌宣言への署名は非常に大きな平和と安定への一歩である。
 北朝鮮の経済状態はまさに崩壊寸前。いつハイパーインフレが引き起こされても仕方ない状態。こういう状態で、言うならばSOSを発してきた隣の「軍事大国」の、その助けを求める手を振り払うことはどういう結果になったか…。小泉首相の今回の宣言への署名はベストの選択であったと言えるだろう。

 今後の国交正常化交渉は、厳しい日本の世論を受けて、一切譲歩を許されないまさに背水の陣で臨むことになるだろう。逆に、ここのところマイナス要因ばかり作ってきた自民党や外務省の汚名返上の大きなチャンスである。拉致被害者の弔い合戦、とは言わないが、国民の目がしっかりとその行く末を見つめていることを、今度ばかりは忘れないでもらいたい。

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