足の指の間が痒くなる心意気

2002年9月1日(日) 「ワタシのどこが好き? 〜日曜日の恋愛論

 恋愛の過程でしばしば投げかけられる質問。これが非常に困る。特に恋愛の初期段階でコレを言われると大変迷う。

「ワタシのどこが好き?」

どこがって言われても…。
う〜ん。「全部」はウソっぽいしなぁ。
部分で挙げるのもなぁ。
「目」って…月並みやしなぁ。
「クチビル」って言うんもなんかヤラシイしなぁ。
「おっぱい」…あからさまやし、第一それほどでもないしなぁ。

分かりにくい部分言うて、煙に巻いたろか?
「盆の窪」…どこやねんって感じでええかも。でも、どこやろ?
「蟻の門渡り(とわたり)」…意味判ったらドツかれるな。

ほなら、こういうのは?
「しゃべりがオモロい」…漫才師への評価みたいやなぁ。
「早足のところ」…ジョイナーちゃうねんから。
「よく食べるところ」…褒めてないわなぁ、どう見ても。

…以上の逡巡を約1.23秒、脳内でひらめかせ、おもむろに口を開く。
「そんな。どこ、やなんて答えられへんやん」
「えー。でも聞いてみたい」
「ええか、例えばな、『顔がキレイやから好きや』とするやろ?」
「うんうん」
「キミよりもっとキレイな顔の人が現れたとしたら、理屈ではそっちへなびいてしまうわな?」
「ま、まぁそうやねぇ」
「同じように、『喋っててオモロいところ』いうたら大助・花子の花子の方がオモロいわな」
「う〜ん」
「だから、どこでもないねん」
「えー。」
「強いて言うならば、キミがキミでいる限り、それだけで好きなんだよ、ジュテームモナムー」
「キモッ!」


 これがある程度熱愛カップルになると非常に楽である。
上体を前方に25°の角度で折り曲げ、両手をやや後ろに引きバタつかせながら、

「うー。全部しゅき。しゅきしゅきだよ〜ん」
「ワタシもだよ〜ん」(同じ格好をしながら)

とこれだけで事足りるのである。ただし、公衆の面前では止めておいた方が良い事は言うまでもない。

 そう、彼があなたを好きなのは、どこ、ではなくあなたと一緒に過ごす時間と空間そのものなのだ。どうぞ自然体で恋を楽しめる相手を捜してみて欲しい。きっとそんなに遠くにはいないはず。それは、あなたの隣の人が、一番自然なあなたを、一番よく知っているはずだから。

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