足の指の間が痒くなる心意気

2002年8月21日(水) 「オトク

 結婚式を控え、その会場探しにあちこちのレストランを食べ歩いている、という話はこの間書いた。昨日2軒目のレストランに攻め込み、見事試食を果たしてきた。神戸北野の和洋折衷のレストランで、板前はかの有名な日本料理店「吉兆」で修行を積んだと言う。わんこが友人に勧められて予約をしたらしい。

 料理は13,000円のコースを一人前。それに10,000円のコースを一人前ずつ、それぞれオーダー。わんこは先日ワタクシがカードで支払った1件目の下見(所要経費30,376円)を気にして

「今日はワタシが出すね」

とうれしいことを言ってくれている。

 ワタクシの計算では、コレで恐らく差し引き貸し借りなし、もしくは少しワタクシの負担が多いくらいになるはずだと思っていた。それ位でちょうどよい。であるからして非常に安心してビールを飲み飲み箸を進める。多少甘めの味付けだが、なかなかいける。

 それにしてもコース料理のメインってなんでステーキばかりなのだろうか? ワタクシは餃子が好きなので、餃子フルコースなんてものがあれば、ぜひチャレンジしに行きたいのだが、やはりメインは「ステーキ餃子」もしくは「餃子ステーキ」なのだろうか?
 「ステーキ餃子」はなんとなく想像できる。餃子の具がステーキなのだ。あり得ないとも言い切れない。しかし、かたや「餃子ステーキ」となると、ステーキ肉の代わりとして焼かれるのはあくまでも「餃子」であり、それだと普通の餃子と変わらないのではないか? ましてやレアで出されたりしたら食中毒モノである。

 アホなことを考えつつ、さんざん飲んで食ったうえにデザートはメロンとケーキ。こう連日メロンとケーキだと確実に太るだろう。体重計にあえて乗っていないので、事実もう太っていたとしても気づかないのだが。
 そう言えば…子どもの頃、金持ちになったら毎日メロンを食いたいと思っていたっけ。なつかしの先割れスプーンをメロンの果肉に食い込ませながら心は20数年前の時空をさまよっている。

もう、太ったっていいじゃないか。
俺は、子どもの頃の夢をかなえたんだ…

「うぷー。お腹いっぱい。食べたねー。うぷー」

わんこの高級レストランにあるまじき大声が、ワタクシを現実に引き戻した。

「今日、ホンマにええの?」
「ん?ナニが?」
「いや、ココの勘定、ええの?」
「うん、大丈夫。ワタシに任せといて。こないだ出してくれたし」
「そ、そう。なんか、悪いなぁ…」
「ええよええよ。気にせんとって!」
「そう?じゃ、遠慮なく、ごちそうさまでした」
「任せなさーい」

二人で席を立ち、レジに向かう。

「3太郎さん、先出といて」
「そぉ?じゃ、トイレ行く」
「うん、会計は済ませとくね」

そういって用を足し、手を洗い、外へ出る。

「ありがとうございます。お会計お二人様で9,870円となります」

ん?何て何て?きゅうせんはっぴゃくななじゅうえん??

「えーと、なんぼになった?」
「!!あっ! さ、3太郎さん! は、早かったねー」
「なんぼになったんや?」
「ん?ええからええから。先出とき。あはは」
「ハイ、一万円からお預かりしましたので、30円のお返しとなります」
「おい!おいおい!!…どういうこと?」
「え、いや。あの。その…」

 わんこがやっと真相を語りだした。どうやらウエディングの試食の場合のみ、なんと13,000円コース→5,000円に。
そして10,000円コースは4,000円に!
おまけにビールもサービスだったらしい。もっと飲むんだった…あ、いやいや。

「知ってたな?」
「いやーついつい。うっかりして。なはははは」
「まあええけど。しかし黙ってたんが気に食わんなぁ」
「ごめんごめん。とにかく、ココは任せて」

当然です。
カラダで返してもらっても良いくらいだ。

 調べてみると結構そういう試食サービスを行っているところは多いらしい。そして試食3件目は…20,000円のコースを、なんと4,000円で試食提供してくれる会場を発見。いったい原価はいくらなんだという疑問が生じないでもないが、とにかくもう行くしかない! 今から腹を減らしておこうかという勢いでなだれ込むのである。

 ふと気付くと、「会場探し」という目的が完全にすり替えられてしまっているようである。こうなることは最初から判ってはいたのだが。

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片言隻句

いくらでも 不思議に喰えます 安ければ

値引きに弱いは 地方色なり
伝助さま


うまい 早い 安いの三拍子
まうまうさま

どんどん食って どんどん肥える  3太郎
下の句日々ハゲシク募集中です

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