足の指の間が痒くなる心意気
2002年8月16日(金) 「カユクなる」 |
♪夏がく〜れば 思い出す〜 足の痒み〜 水虫だ〜♪ 立秋も過ぎ、盆もそろそろ終わろうかというのに、まだまだ厳しい残暑が続く日々。高温多湿のモンスーン気候帯に位置する我が国、日本に居住する者にとって、切っても切れない業病がある。そう、その通り。水虫クンである。 この水虫、正体はご存じの通り「白癬菌」というカビの一種。この白癬菌が皮膚組織の中でどんどんどんどん増殖し、角質組織をも食い荒らす。その際に末梢神経を刺激し、カユミを生じる、というわけである。 また水虫は感染力も強大で、たとえば感染者が使用した風呂の足ふきマットを使用しただけで感染する。また感染者が履いたスリッパなどを使用しただけでうつる。感染者と手と手を合わせるように、足の裏を合わせただけでうつる。ほとんど防ぎようのない、おっとろしい病、まさに業病なのである。 さすがに命まで奪られるというものではないが、一度感染すると二度と、と言っても良いくらい、治らない。治らないったら治らない。一生カユイのだ。うひひひひ。 ワタクシの水虫とのつきあいはかれこれ20年にも及ぶ。以前にも書いた覚えがあるのだが、中学生の夏の夜、全く突然に、かつ猛烈に足の小指の股がカユクなった。ふと見ると、足指の間がぱっくりアカギレ状態に。 「おお。いつの間に怪我を!」 必死でマキロンをつけるも一向に効かない。思いあまってオキシドール(過酸化水素水)を塗りたくる…当然、強烈な痛みに七転八倒する。そんなアホな姿を居間で繰り広げている息子に父が尋ねる。 「お前、何しとんねん?」 「足がカユぅてたまらんねん」 「どれどれ…おお! お前コレ、水虫じゃ」 「うげっ。コ、コレがあの水虫サマ…」 「ワシのとおんなじやのぉ。がっはっはっはっは!」 笑い事やないっちゅうねんこのクソ親父。感染源は間違いなく親父やないかい! 毒づきそうになるのを懸命に堪え、父に問う。 「なんかええ薬ないか?」 「おお。コレ使えコレ」 薬をつけるといったんは治まるカユミ。しかしすぐぶり返す。 「ど、どないしたらええねん…?」 あまりのカユミと衝撃に半泣きになって父にすがりつく。 「うん。水虫はな。風通しをよぅして、毎日洗って、そのあと薬つけといたら、少しはマシになるぞ。」 「わかった…」 「まあ、お前もコレで一人前やな。がっはっはっはっは!」 …ナニが一人前なのか今となっては知る由もないのだが、とにかくまず第一の風通しだ。 そして次の日からワタクシは中学生としては暴挙とも思える行動に出るのであるが… 続く。 |
片言隻句 白癬菌 先祖代々 受け継いで 愛しくさえある 足のカユミよ 3太郎 |