2008年
 
 
かわらばん2008年冬号のメニュー
アスピリンのお話 入浴の話 ノロウィルス  

<<前号へ         記事一覧へ           次号へ>>

 

マービー

ラカントS

 パルスィート

1/ 12

パルスィート

ゼロ

大量摂取でお腹がゆるくなる?

なることがある

なりにくい

なることがある

なりにくい

砂糖との甘さ比較(同量使用したら)

同等

同等

1.2gが砂糖5g

同じ甘さ

3gが砂糖9g

同じ甘さ

重量換算

不要

不要

必要(約1/4に)

必要(約1/3に)

カロリー

(砂糖と同じ甘さで)

1/2

ゼロ

1/12

ゼロ

原料

トウモロコシでんぷんが原料の還元麦芽糖(マルチトース)

トウモロコシ由来のブドウ糖を発酵させたエリスリトールに羅漢果エキスを加えて調整

粉末還元麦芽糖水飴、エリスリトール、食物繊維、アスパルテーム・L−フェニルアラニン化合物、アセスルファムK

エリスリトール、アスパルテーム・L−フェニルアラニン化合物、アセスルファムK




アスピリンのお話

 
冬になると風邪やインフルエンザが流行しますね。
皆さんも薬局で風邪薬を購入したり、病院を受診し処方せんによる薬をもらったりすることでしょう。いずれにせよ、成人の場合はサリチル酸系のアスピリンが含まれる風邪薬が用いられることが多いようです。
 
 
アスピリンはピリン系ではない

アスピリンは名前に「ピリン」が付いているため、ピリン系の薬剤と思われがちですが、ピリン系とは全く違う薬です。ピリン系アレルギーのある人がアスピリンを飲んでも大丈夫な可能性は十分あるのです。
 
 
アスピリンの抗血小板作用

アスピリンは少量で抗血小板薬として作用します。血小板の働きを抑えて、血液が固まるのを防ぐ作用です。主に狭心症や心筋梗塞、脳卒中(脳梗塞)などの治療に用いられています。また、病院でもらう小児用バファリン(成分はアスピリン)と市販の小児用バファリン(成分はアセトアミノフェン)は全く違うものです。
 
 
子供への使用には注意!

15歳以下の小児のインフルエンザやおたふくかぜ、水疱瘡の時にアスピリンを使用すると、ライ症候群という死亡率の高い危険な疾患になる可能性が高いことが報告されています。
アスピリンなどを含むサリチル酸系医薬品は市販の成人用風邪薬に含まれていることもあります。子供の解熱剤として成人用の薬を安易に使うことは危険です。小児用の鎮痛剤購入の時も必ず薬剤師に相談してください。
 
 
アスピリン、月へ、そしてエベレストへ!

欧米ではアスピリンは100年も前から解熱鎮痛剤として使われていました。
1969年アームストロング船長による人類初の月面着陸。実はこの時アポロ11号の救急箱にはアスピリンが搭載されていたのです。宇宙飛行士は気圧の変化のため、頭痛や筋肉痛に悩まされます。この痛みにアスピリンは効果を発揮しました。
1992年、地球の最高峰、エベレストにオランダの登山隊が登頂する際にもアスピリンが携帯されました。こちらはアスピリンによる血流をよくする効果を期待したもの。高山病特有の症状克服のために使用されたといいます。

アスピリンは色々な所を旅してきたお薬なんですね。
 



2008年冬号トップへ>>>






入浴の話

 
寒い季節には、体が温まる入浴はありがたいですね。しかし、特に寒い冬には気持ちの良い入浴も入り方を間違えると事故につながります。命にかかわることもあるので注意が必要です。
 

 
事故の原因

【温度差】
暖房の効いた暖かい部屋から寒い脱衣所、そして熱い湯に入るといった周囲の温度の変化によって血圧が激しく上下の変動を起こし、血管に負担がかかり、「脳出血」「不整脈」「立ちくらみ」などが起こりやすくなります。
 
【熱い湯】

湯の温度が高いと大きく血圧が上昇して「脳出血」「不整脈」を起こしやすくなります。また、汗をかいて血液中の水分が減り、血液粘度が高まります。それにより血流が悪くなり血管が詰まりやすくなります。「脳梗塞」「心筋梗塞」を起こしやすくなるので注意が必要。
 
【水 圧】
体格にもよりますが、湯に入ると水圧で300〜500kgの力が全身にかかります。水圧で腹部が圧迫され横隔膜が持ち上げられ肺を圧迫して呼吸が苦しく感じられます。また、皮膚表面の静脈や肝臓が圧迫されて、大量の血液が心臓に戻されると心臓に負担がかかります。従って、半身浴の方が負担が少ないのです。


 
他に注意が必要な場合
体の変化 危険性
飲酒後 ・血圧が下がる
・体内の水分が減る
・眠くなる
・脳梗塞
・溺れる
朝の入浴 ・血圧の変化が大きい ・脳梗塞
・心筋梗塞
 
安全な入浴のためのポイント

ぬるめの湯
38〜40℃位の湯

水分補給と休憩
入浴前後30分位の休憩とコップ1杯の水を飲む

体を湯に慣らす
湯に入る前にやや低い温度のシャワーを手足からかける。最後に胸元にかけて湯に慣らす。浴槽の熱い湯はダメ。

浴槽のふたを目の前に置いておく
万一の時にふたが体を支え、溺れるのを防ぐことができる。

入浴前家族に一声かける
声をかけてから入浴すると家族が気にかけてくれる。「あれ?!」と思ったら声をかけてもらえる。 
槽への出入りはゆっくりと
転倒しないように手すりや壁を持ち浴槽のへりに1度腰をかける。
それから、ゆっくり片足ずつ湯に入る。出る時も同じ。急に立ち上がると、立ちくらみを起こすこともある。

脱衣所や浴室を暖める
浴室に暖かいシャワーをかけてから湯を入れると浴室が暖まる。入浴前に浴槽のふたを開けておくのもよい。

長くても湯船につかるのは15分まで!


2008年冬号トップへ>>>



ノロウィルス


冬に起こる下痢・嘔吐などの症状は、「ノロウィルス」による感染症かもしれません。
ノロウィルスは主に口から体内に入り、小腸で増殖して激しい下痢・嘔吐などを引き起こします。
食品を介して感染したことが明らかな場合は「食中毒」、それ以外の経路で感染した場合は「感染性胃腸炎」に分類されます。
日本での感染は11月頃から発生し始め、1〜2月が最も多くなります。これはノロウィルスを蓄積する牡蠣などの貝類を食べる機会が、冬に多くなるからとも考えられています。

感染経路

《人から人への感染》
◆排便時に感染者の手を介して便座やドアノブに付 着したり、嘔吐物や便の処理時にウィルスを含んだ汚物が色々な物に付着します。それらに触れた手を介して口に入る場合。

◆乾燥した嘔吐物や便からノロウィルスを含むホコリが舞い上がり、そのホコリと一緒に体内に取り込む場合

《食品を介して感染》
◆ノロウィルスが付着した手で調理や配膳を行なうと、食品にノロウィルスが付着し、それを食べた人が感染する場合。

◆ノロウィルスを内臓に取り込んだ二枚貝(牡蠣など)を、生または不十分な加熱処理で食べて感染する場合。
感染者の便や嘔吐物が適切に処理されず下水に流されると、川から海へ流れ出たノロウィルスが二枚貝に蓄積されます

感染すると・・・

通常1〜2日の潜伏期を経て、激しい腹痛や嘔吐、下痢、38℃以下の発熱を起こします。症状には個人差があり、大変な苦痛を伴う人もいます。ほとんどが3日程度で軽快します。しかし、子供や高齢者など、抵抗力の弱い場合には症状が長引くことがあります。

感染を防ぐには・・・

◆調理や食事の前やトイレの後に石鹸と流水でよく手を洗いましょう。
◆二枚貝を食べるときは、85℃以上の熱で1分以上加熱し、中までよく火を通してから食べるようにします。
◆使用したまな板や包丁などの調理器具もよく洗い、熱湯や消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム)で消毒することが大切です。食器洗いのスポンジや水道の蛇口の消毒も忘れないで。
◆家庭内に感染者が出た場合は、便器やドアノブなどをこまめに消毒してください。タオルの使用も分けるようにします。
◆便や吐物を処理するときは、使い捨てのマスク、エプロン、手袋を着用し、処理後は十分手を洗います。
◆症状が治まっても、2〜7日間はウィルスが便の中に排泄され、感染する危険性があるのでしばらくは消毒や手洗いを続けましょう。

治 療

現在、特効薬はありません。つらい症状を軽くするための処置(対症療法)が行われます。乳幼児や高齢者では、下痢などによる脱水症状を生じることがあるので、早めに医療機関を受診することが大切です。
水も飲めないほど嘔吐や下痢がひどい時は点滴が必要になることもあります。
脱水や体力の消耗を防ぐため、出来るだけ水分をとって安静にします。食べられるもの、消化しやすいものを食べるようにします。
特に高齢者は誤嚥(嘔吐物が気管に入る)により肺炎を起こすこともあり、体調の変化に注意しましょう。


2008年冬号トップへ>>>