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「春」と言えば「サクラ」を思い浮かべる人は多いと思います。サクラはその美しさで日本人に最も愛されている植物ですが、美しいだけでなく、薬として色々な効用を持っています。
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樹皮
樹皮を乾かしたものを桜皮(オウヒ)といい、煎じて食中毒・下痢止め・胃腸カタルに用います。これは含まれるタンニンの収斂・殺菌作用によります。
また、咳止め・去痰作用もあります。抽出エキスは「ブロチン」の名で呼ばれ、現在でも咳止めのシロップ剤などに配合されています。その有効成分は、サクラニンなどのフラボン配糖体(樹皮に含まれる殺菌作用を持つ成分の仲間)です。
また、煎剤を外用として湿疹やじんましん、おできに用いることもあります。 |
桜皮(オウヒ):6〜7月に野生するサクラの樹皮をはいで、外面のコルク層を取り除いた内皮を天日で乾燥します。これが生薬の桜皮です。
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桜湯(桜茶)
結婚式や結納の席で供される桜湯、別名桜茶ともいいます。これは、桜の花を塩漬けにしたもので作りますが、二日酔いに効果があるとされています。
桜湯は、水洗いした花を、容器の中で塩と交互に敷き詰めて数ヶ月漬け込みます。飲む時は、塩を落として湯のみに入れ、熱湯を注いでいただきます。
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桜の葉
桜餅は桜の葉で包みますね。葉には独特の香りと防腐効果があります。これはクマリン(サクラの香り成分)がもたらしてくれる効果によります。
また、葉は入浴剤として使うとあせもに効果があるとされています。
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サクラいろいろ・・・・・・
ひとくちに「サクラ」と言っても、色々な種類があります。よく知られているソメイヨシノの他にヤマザクラ(山桜)・オオヤマザクラ(大山桜)・カスミザクラ(霞桜)・エドヒガン(江戸彼岸)・マメザクラ(豆桜)・ミネザクラ(峰桜)・ミヤマザクラ(深山桜)・チョウジザクラ(丁子桜)・カンヒザクラ(寒緋桜)などがあります。
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サクラことば、いろいろ・・・・・
「桜雨(サクラアメ)」:桜花に降り注ぐ雨。また、花びらの降りしきるのを雨に見立てて言う。
「花七日(ハナナヌカ)」:桜の花盛りは七日間ほどに過ぎないことで、物事の盛りが短いことの例え。
「花明かり」:桜が咲き乱れて夜でも辺りが明るく感じられること。
「花筏(ハナイカダ)」:水に流れる桜の花びらを筏に見立てて言う。
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サクラ前線
沖縄のカンヒザクラの開花が日本のサクラ前線の第一号です。本州のソメイヨシノ、北海道のエゾヤマザクラをそれぞれ代表として、ほぼ3ヶ月かけて南から北へ、低地から高地へと開花していきます。
一般に「サクラ開花予想」と言う時、ソメイヨシノの開花を基準にしています。
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県内のおすすめサクラ・・・・・
*姫路城:姫路市
*明石公園・人丸山公園:明石市
*太山寺・苔谷公園・有馬・須磨寺:神戸市
*夙川公園:西宮市
*樽見の大桜:養父市大屋町樽見(国の天然記念物に指定されています。)
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