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居宅療養管理指導 秋の味覚「柿」 グレープフルーツと薬

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介護に薬局を利用しませんか?


介護保険制度が始まってからは介護保険を利用して、自宅でご家族を介護をされている方も多いでしょう。介護保険を使っての、薬局の利用方法をご紹介します。

 

  • 介護保険の対象65歳以上もしくは受給条件に合う40歳以上の方。

  • 介護保険の対象65歳以上もしくは受給条件に合う40歳以上の方。

  • 介護認定居宅介護支援センターにいるケアマネージャーなどに相談して市町村に介護度の申請をし、介護認定委員会で介護度の認定を受けます。「要介護」または「要支援」と認定されると、介護保険を使うことができます。

  • 介護サービス介護保険で利用できるサービスには、施設サービスと居宅サービス(自宅にいながら利用できる)があり、受けられるサービスは、介護レベルに応じて上限が決まっています。

  • 居宅療養管理指導往診している医師の指示により、在宅で療養されている患者様のお宅へ薬剤師が薬を届けて、薬の管理や服薬指導をするサービスです。薬剤師だけでなく、歯科衛生士や栄養士などによる専門的な指導を受けることもできます。

    通院が困難な患者様や、介護をされている方にこの制度で薬局を利用していただくと大変便利だと思います。利用料金や仕組みなど詳しくお知りになりたい方は、ご遠慮なくサンエイ薬局までご相談ください。

    ※2003年9月現在の制度をもとに記事を書いています。

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秋の味覚「柿」

栄養たっぷりの秋の味覚、柿には二日酔いを予防し美肌づくりにも効果あり!

甘柿に含まれているビタミンCは、みかんの約2倍、レモンやいちごにも決して負けません。他にも、ビタミンK、B1、B2、カロチン、タンニン、ミネラルなどを含んでいます。ビタミンの働きで美しい肌をつくり、風邪の予防、疲労回復にも効果があります。さらに、柿の葉には、ビタミンC、B類も多く含まれていて、血管を強化する作用や止血作用もあります。

柿は次の症状の時に効くといわれています。
●二日酔い

血中アルコール濃度の上昇を抑制するアルコールデヒドロゲナーゼというアルコールを分解する酵素や、豊富なカリウムの利尿作用のおかげで、二日酔いに効果的です。また、柿をつまみにアルコールを飲むと悪酔いしなくなると言われています。

●高血圧 柿に含まれるタンニンには血圧を下げる働きがあります。積極的に血圧を下げるのなら、柿の葉茶を飲むとよいでしょう。
●しゃっくり

柿のヘタとしょうがの煎じ汁は、なかなか止まらないしゃっくりに効果的です。

●痔の出血

柿の葉茶には利尿、解熱、止血の作用があり、痔の出血にも効果があります。


おいしい柿の見分け方

柿はヘタが重要な働きをしていて、成長過程でヘタがかけてしまうと大きく成長しません。ですから、ヘタが生き生きとして元気よく、果実に張り付いているもの。ヘタ隙き(果肉とヘタの間に亀裂ができる現象)でないもの。色づきは、実全体に平均的に濃く、皮に、はりとつやのあるものを選びましょう。


渋柿を甘くする方法

ビニール袋に数カ所穴をあけ、りんご1個と渋柿5個をいれ、口を閉じ、1週間置いておきます。りんごから出るエチレンの作用で渋が抜けます。

ただし、柿には体を冷やす作用もあるので食べ過ぎに注意しましょう!

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グレープフルーツと薬

カルシウム拮抗剤(高血圧治療薬)とグレープフルーツジュースの飲み合わせが悪いと言うことはある程度知られています。今回は一歩進んでカルシウム拮抗剤とグレープフルーツとの相互作用に関して、疑問にお答えしたいと思います。

注意するカルシウム拮抗剤の主な商品名アダラート・エマベリン・セパミット・ヘルラート・ニコデール・ペルジピン・ニバジール・バイミカード・バイロテンシン・カルスロット・コニール・ランデル・アテレック・ヒポカ・シナロング・サプレスタ・ベック

グレープフルーツの果肉との相互作用はあるの?
グレープフルーツジュースやグレープフルーツの果肉に多く含まれる苦味の成分であるフラノクマリン誘導体が、薬を長く体内にとどまらせるため、作用が強く出たり副作用が起こったりすることがあります。このことからグレープフルーツの果肉においても、カルシウム拮抗剤との同時摂取には注意が必要です。しかし、グレープフルーツの実の袋や皮、種にはこの成分はあまり存在しません。

グレープフルーツ近縁種との相互作用はあるの?
ピンク色のグレープフルーツ(ルビータイプ)のジュースと果肉について検討した結果、フラノクマリンはルビータイプにも存在しているがその含量はホワイトタイプに比べて少ないことがわかっています。

●フラノクマリンをほとんど含有しない柑橘類(相互作用なし)
バレンシアオレンジ・レモン・カボス・温州ミカン・スィートオレンジジュース
●フラノクマリンを含有する柑橘類(相互作用あり)
グレープフルーツ・スイーティー・ポメロジュース(土佐ブンタン)・サワーオレンジジュース(ダイダイ)

グレープフルーツジュースの摂取量が少量なら問題ないの?
グレープフルーツの産地・収穫時期・生育時の気候の違いでフラノクマリンの含量が大きく相違します。少なめに摂取した場合でも十分な注意が必要です。

カルシウム拮抗剤の中で相互作用を気にしなくてよい薬はあるの?
グレープフルーツジュースの相互作用の強さは、カルシウム拮抗剤の種類によって違います。相互作用持続時間なども違ってくる可能性があります。また、相互作用は同時服用の場合だけとは限りません。少なくとも薬剤服用の10時間前から2時間後の間では、果汁による影響が持続します。しかしカルシウム拮抗剤の中でアムロジピン(アムロジン・ノルバスク)、ジルチアゼム(ヘルベッサー)、ベラパミル(ワソラン)は、比較的影響を受けにくい薬ですので大丈夫です。

グレープフルーツジュースをうっかり飲んでしまった場合は薬の作用が強く現れたり、頭痛・ふらつき・胸がドキドキする・顔が赤くなるといった副作用が出る可能性がありますが、症状はしばらくすると治ります。横になって安静にして下さい。グレープフルーツは肥満や糖尿の患者さんには糖度の低い柑橘類として勧められることが多いし、季節に関係なく入手しやすい果実でもある事から注意を要します。気をつけてくださいね☆

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