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汗の大切な役割の一つは体温調節です。汗といっても、運動をした後のさわやかな汗から、気温の上昇によって出る汗、梅雨のじめじめしとした汗、緊張して出る汗、発熱などによって起こる汗などさまざまです。多くの人が汗をかくのを嫌がります。しかし人間は、その汗の水分によって体を冷やし、体温を36.5度前後に保っています。また、汗は人間の健康にとても重要な役割をはたしています。
ところが、最近エアコンのきいた部屋で生活する人が増え、汗をかくことが少なくなってきました。その結果、自律神経機能を低下させ、特に最近の子供たちの平均体温が下がりつつあり、体に異常をもたらしています。常に体がだるかったり、やる気がおこらない・朝がなかか起きられない・頭痛がする・立っていると気分が悪くなる・すぐにイライラする・めまいがするなどといった症状を引き起こすこともあります。これを起立性調節障害といい、このように訴える子供の約半数以上が不登校を併発しているといわれます。
汗をかかずにすむ適温生活もいいですが、日本の四季による気温の変化で汗線の働きをきたえ、温度変化に合わせた体温生活を心がけることも大切です。
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野外に出かけ、自然に接する機会が多くなる季節です。蚊や蜂・毛虫等の虫に刺されたり、かぶれたりすることも少なくありません。虫に刺されると局所に激痛・発赤・腫脹・硬結となりますが、通常は数日で消えあとを残さず治癒します。家庭では、虫さされ用の塗り薬として、
(1)抗ヒスタミン系の成分を含むステロイド系軟膏
(2)抗生物質を含むステロイド系軟膏
(3)非ステロイド系の虫さされ用軟膏
以上の中から少なくても1つは用意しておくとよいです。
かゆみを抑える目的の抗ヒスタミン系成分に相当するのが、マレイン酸クロルフェニラミンや塩酸ジフェンヒドラミン、クロタミトン、グリチルレチン酸といわれる成分です。痛みや腫れ、炎症を抑えるのに良く効くステロイド成分としては、酢酸デキサメタゾン、酢酸ヒドロコルチゾンなどが一般に配合されています。商品によっては、局所麻酔剤(リドカイン等)やスーッとした清涼感があるように、メントールやカンフルの入ったもの、掻きむしっても化膿しないように殺菌消毒薬のイソプロピルメチルフェノールの入ったものもあります。好みや用途にあわせて使いわけましょう。
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ケース | 対処方法 | 注意事項 |
ハチ クモ ムカデ 毒アリ |
・まず針や牙が残ってないか確認し、除去する。 ・抗ヒスタミン系ステロイド系軟膏を患部に塗る。腫れがひどい様ならば、ぬらした布で湿布する。(症状がひどければ、抗ヒスタミン薬及び抗生物質を服用する。) |
・ハチに何度もさされると、アレルギー反応(アナフィラキシーショック反応)起こす場合がある。吐き気、血圧降下、呼吸困難、意識消失などの全身症状が起こった場合は急いで医療機関に行く。 |
毛虫 | ・まずセロテープや水洗いで毛を除去する。その後、抗生物質を含むステロイド系軟膏を塗る。 | ・処置をしないうちに患部をこすらない。 |
点眼薬を1日に何回もささないとなんだかすっきりしない、落ち着かない、という人がいます。こういった人を "点眼薬依存症"ということがあります。手軽だからといって点眼薬を何回も使うと、かえって目を悪くしてしまう場合もあります。そこで点眼薬をより上手に用いていただければと思い、点眼薬のお話を少しだけ書いてみます。
お医者さんから処方される点眼薬には、細菌やウイルスなどの病原体を抑える薬・アレルギーや炎症を抑える薬・眼圧を抑える薬等、多くの種類の点眼薬があります。これらの薬は、医師の指示通り使わなければならないのはいうまでもありません。また、薬局でも多くの点眼薬が売られています。疲れ目や軽い充血・かゆみを抑えたり、ものもらいに用いるものなど様々ですが、市販の点眼薬を使用するときは短期間(1週間くらい)に限定し、それでもおかしい時はなるべく早く眼科医に診てもらいましょう。
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(1)点眼前には手指を石鹸などできれいに洗う。
(2)顔を上方に傾け、指で下まぶたを引いて容器の先端
がまつげや目に直接触れないように点眼する。
(3)点眼後、清潔なガーゼやタオル、ティッシュ等であふれでた液を拭きとる。
(4)しばらくの間まぶたを閉じ、そっと目がしらをを押さえる。
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(1)汚れた手で点眼瓶を扱わない。
(2)点眼瓶のキャップを開けたまま放置しない。
(3)点眼瓶をむきだしのままカバンなどに入れない。
(4)薬が変質するような場所に保管しない。
(直射日光を避け、涼しい所で保管する。)
多くの点眼薬には汚染防止のために防腐剤が入っていますが、使い方や保存方法が悪いと汚染されます。汚染を確実に防止するために、正しい点眼法をマスターし、正しく保管することを心がけましょう。