目の疲れがなかなかとれず、ものがぼやけて見えたり、目が熱い感じがする、涙が止まらない、といった症状を「眼精疲労」といい、目を休めてもなかなか治らないほど普通とは違う病的な症状であり、目の症状のほかに頭痛、肩こり、胃の不調や吐き気などの自覚症状がでる。
中には注意力がなくなる、イライラするなど一見目とは関係ないような症状も出る。
良く似た症状に眼疲労(疲れ目)があるが、こちらはほとんどの場合眠ったり、目を休めたりすれば治る。
また、眼疲労の原因は長時間目を使う仕事をしたり、テレビや映画を見た後など自分で原因に思い当たる場合が殆どだが、眼精疲労の場合には、目を酷使した覚えがなくても強い症状がおきるし、目の疲れとは別に何らかの原因が隠れている場合が多い。
しかし、実際には単なる目の疲れからくる眼疲労と病的な眼精疲労を症状から見分けるのは難しい。が、眼精疲労の特徴的な症状としては、眼の奥に痛みを感じたり、熱っぽさを感じたりすることが挙げられている。
眼精疲労の原因についてはっきり分らないことが多いが、眼のピントあわせがうまくできなくなると眼精疲労につながり易い。
ピントあわせがうまくいかなくなる原因としては、下記のようなものが考えられる。
目のピントあわせに余分な力がいる |
@左右の眼の視力が大きく違う。斜視など眼の位置に異常がある場合。
A眼鏡があわない。 |
目のピントあわせの調節機能の低下 |
B二日酔いや徹夜明け、風邪などで体力、気力が衰えているとき。
C老眼の初期の段階。
Dストレス。(眼のピント合わせには、自律神経の働きが係わっているがストレスがあると自律神経の働きが悪くなるため) |
上に挙げた@、Aの場合は、きちんとあった眼鏡をすれば治る場合が多い。
眼の使いすぎで眼のピント合わせがうまくいかない場合は、眼の緊張をとる目薬をさして治療することができる。
しかし、こういうケースはむしろ少なく精神的なストレスの場合には、効果がない。
ビタミン剤を飲んだり、目薬をさしたりする治療法もある。この場合は薬の効き目以外にもそれを使うことで精神的な安心感、リラックスを得る効果が大きいのだとか・・・
眼精疲労の原因がはっきり分らないことが多いのでそのため治療も難しいが、充分な睡眠を取り、眼にも無理をさせないよう自分のペースで仕事をすることが何よりの予防と治療につながる。
また、目が疲れるからといって眼のことばかりを気にかけても眼精疲労は治らない。
心と体の健康状態やバランスをチェックすることが大切だ。
H8朝日新聞夕刊より
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