<一年B組、山田明夫のその日>

 僕は、いつものように授業を受けていた。その時間は一応数学の授業だった。
 僕たちの担任で“ゴリラ”と言われるほどがっしりした体格をした矢沢先生のしゃべり方は、はっきり言って眠い。僕にとってはさっきからほとんど聞こえていないに等しい。
 あまりの眠さに、僕は諦めて寝ることにした。これで起きていろというのはムリがある。机にもたれると、僕は目を閉じた。すぐに気が遠くなる。
「おい!山田!」
 なんか遠くで名前を呼ばれた気がする。
(!?)背中を何かがつついている。ッと待て、そう言えば今授業中だったっけ!ということは・・・・
「・・・ハイ!!・・・」
 僕は慌てて立ち上がった。
 ハハハハハ、みんなが一斉に笑い出した。
「おまえなあ・・・」
 先生が、呆れた顔で僕を見つめている。僕は、頭を掻きながら笑ってごまかした。
「おまえなあ・・・居眠りもいいかげんにしろよ!」
 そういうと、先生は苦笑しながら授業に戻った。僕も席に着く。
 でもやっぱり眠い。


<一年B組:中谷 光彦>   <一年B組:高橋 佳一>

<一年B組担任・数学科:矢沢 栄介>

<翌 日>