素晴らしき哉、人生!
〜Let's talk about IT'S A WONDERFUL LIFE〜

Joseph, Jesus and Mary, Help my friend Mr.Bailey.


『素晴らしき哉、人生!』は私のフィルム・メイキング哲学の集大成です。この映画には3つのテーマがあります。まず第一に『個々の人間の価値を高らかにうたいあげること』、第二に『尊厳、気概が失われつつある因果な運命が救われることを嘆願し、人間そのものを擁護すること』、第三に『個々の人間のなせる行動力をドラマ化すること』、です。
私はウォルト・ホイットマン(米国の詩人1819ー92:代表作「草の葉」)が世界中の人に向けて歌った「あなたが何者であろうと、あなたの内にはあらゆる人が持つ尊厳のすべてが存在している」というメッセージをこの映画に託したかった。またジョバンニ師が500年ほど前に言った「暗黒の世界というものはほんの影にすぎない。その背後の手の届く場所には喜びがある。暗黒の中にも一筋の光と至福があり、それは目に見えるものだ。どうかその一筋の光を見て欲しい」という人の心を動かさずにはいられない言葉もこの映画に託したかった。
今日、人々は私に『素晴らしき哉、人生!』はもう二度と作られることのない偉大なるクラッシック映画だと言います。しかし、偉大なる古典となりうるような作品はこれからも次世代を担う若者達の手によって作られるのです。古い映画を愛して称賛することが、これからも良質な映画が作られるという私達の確信を妨げるものであってはなりません。
かくいう私ですが、みんながこの映画を見続けていたいという気持ちを持ってくれるのをうれしく思います。おそらくそうなってくれるでしょうが、私が死んだ後もずっと人々に見られ愛されることを願っています。この映画について私自身ただ一つ言えることがあるとすれば、心から愛する人達のために作った個人的に愛着のある作品だということ、それだけです。
フランク・キャプラ


「フランク・キャプラかく語りき」
「ジェイムズ・スチュワートかく語りき」
「あとがき」



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