とりあえず続けられるまでやるつもりです。なにぶん私の体力とスタッフの都合にもよりますので。
これは私個人の考えがあって、まず口だけではなく実践して実際にはどうなのか、を確かめたいという思いがあります。話せば長くなるのですが、抽象的な言い方ではわからないでしょうから、お話します。
病院で救急医療に携わる医療従事者は祝祭日、年末年始などの連休が嫌いです。(もちろん全員ではないでしょうけれど。)なぜか?必ず担当日があり患者さんで溢れかえる中、診療で休む間もなく診療終了まで働くからです。でも世間はどうか、休みの日は当然お休みムードでのんびりしているのです。やはり、人が休んでいる時に働くのはつらいです。特に私が働いていた救急病院ではまず連休があれば、どこかの時間帯に勤務が入るため、家族で連休を楽しむなど皆無でした。(「少」児科医(小児科医不足をモジッタ造語)ですから、当時は代休もほとんどもらえませんでした。)
休日は診療を行っている医療機関は休日診療所、救急病院くらいになってしまい、通常と比べると極端に少なくなります。当然患者さんは少ない医療機関に殺到します。混雑します。患者さんは待つこと数時間、イライラ。先生は診ても診ても続く患者さんでイライラ。救急病院が忙しくなりすぎて救急医療機関として十分な機能を果たせなくなることもあります。いずれの立場の人にも精神衛生上よくない状況がそこにあるのです。
病気に休みはあるか?当然ありません。「病気くん」が休診日だから今日は誰も苦しめたりしないぞ、とは言ってくれないのです。慢性疾患(いわゆる持病)が中心の大人は、まだなんとか薬をいつもより長めに出しとくからね、で連休中に救急に走る、ということは少ないので何とかなります。しかし、こどもはというと、急性疾患が主であり、予測もしない時に発症します。熱なら、時に解熱剤で何とか1日くらいしのいで、ということもできるかもしれませんが、連休続きならそれも難しいのは当然です。休日診療所、救急病院に走るということになります。
病気に休みの日はありません。だから、理想を言えば、医者がそろって休むことは避けるべきなのです。
私一人で伏見区内全域を担うのは無理に決まっています。でもせめてかかりつけの患者さんだけでも、ということなのです。地域医療を担う一端として、近隣の方に喜んでもらえる。また、こんな思いもあります。かつて救急病院勤務の時、休みなく診療を続ける中の午前3時ごろ、この時間にがんばってやってる医者って他にいるのかな、と思ってしまうような時間、ある開業医の先生から1歳に満たないベビーの入院受け入れの依頼の電話が入りました。この忙しいのに入院依頼?という思いのすぐ後に、こんな夜中にかかりつけ患者さんを診療され、状態が悪いから入院をとわざわざ連絡を下さる開業医の先生がいるんだ、と勇気づけられた瞬間。それからその日の夜は、ほとんど眠れなくても朝まで嫌な顔せず診療をまっとう、そのまま朝から続く勤務もできたのです。そんな顔も知らない先生を尊敬し(後にお会いし、かなりご高齢と知りいっそう尊敬が深まりました)、自分の目標とした。そんな思いから、自分ができると思う間は年末年始、ゴールデンウィーク、お盆の医者不在を、少しでも補いたいと思ったのです。
でも、患者さんにも1つ守ってほしいことがあります。我々医師はじめスタッフは病気で苦しむ児、心配でいられない親御さんのためにがんばります。でも、仕事で休めないから休日の今診てくれ、というのはやめて下さい。少なくとも当院のかかりつけ患者さんにはそういう方はおられないと思っております。少子化が進む中、産休、育児休暇がやや取りやすくなりましたが、こどもが急病の時、人が互いに「どうぞこどもについてあげてください、お父さんお母さん仕事お休みで」、といってあげられる本当に豊かなゆとりある社会がいつか来ることを望んでいます。
スタッフ一同、病気で苦しむ児、心配でたまらない親御さんのためにがんばります。仕事休めないので休日の今受診した、というのはルール違反です。
|