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COLUMN

ここには、日頃の診療で役立つと思うアドバイス、私の考えを少しずつ載せていきます。
(※許可なく記載内容を転載したり、公表することを堅くお断りします。)
   4, 年末年始、ゴールデンウィーク、お盆は診療ですか?
とりあえず続けられるまでやるつもりです。なにぶん私の体力とスタッフの都合にもよりますので。
 
 これは私個人の考えがあって、まず口だけではなく実践して実際にはどうなのか、を確かめたいという思いがあります。話せば長くなるのですが、抽象的な言い方ではわからないでしょうから、お話します。
 病院で救急医療に携わる医療従事者は祝祭日、年末年始などの連休が嫌いです。(もちろん全員ではないでしょうけれど。)なぜか?必ず担当日があり患者さんで溢れかえる中、診療で休む間もなく診療終了まで働くからです。でも世間はどうか、休みの日は当然お休みムードでのんびりしているのです。やはり、人が休んでいる時に働くのはつらいです。特に私が働いていた救急病院ではまず連休があれば、どこかの時間帯に勤務が入るため、家族で連休を楽しむなど皆無でした。(「少」児科医(小児科医不足をモジッタ造語)ですから、当時は代休もほとんどもらえませんでした。)
 休日は診療を行っている医療機関は休日診療所、救急病院くらいになってしまい、通常と比べると極端に少なくなります。当然患者さんは少ない医療機関に殺到します。混雑します。患者さんは待つこと数時間、イライラ。先生は診ても診ても続く患者さんでイライラ。救急病院が忙しくなりすぎて救急医療機関として十分な機能を果たせなくなることもあります。いずれの立場の人にも精神衛生上よくない状況がそこにあるのです。
 病気に休みはあるか?当然ありません。「病気くん」が休診日だから今日は誰も苦しめたりしないぞ、とは言ってくれないのです。慢性疾患(いわゆる持病)が中心の大人は、まだなんとか薬をいつもより長めに出しとくからね、で連休中に救急に走る、ということは少ないので何とかなります。しかし、こどもはというと、急性疾患が主であり、予測もしない時に発症します。熱なら、時に解熱剤で何とか1日くらいしのいで、ということもできるかもしれませんが、連休続きならそれも難しいのは当然です。休日診療所、救急病院に走るということになります。
 
病気に休みの日はありません。だから、理想を言えば、医者がそろって休むことは避けるべきなのです。
 
 私一人で伏見区内全域を担うのは無理に決まっています。でもせめてかかりつけの患者さんだけでも、ということなのです。地域医療を担う一端として、近隣の方に喜んでもらえる。また、こんな思いもあります。かつて救急病院勤務の時、休みなく診療を続ける中の午前3時ごろ、この時間にがんばってやってる医者って他にいるのかな、と思ってしまうような時間、ある開業医の先生から1歳に満たないベビーの入院受け入れの依頼の電話が入りました。この忙しいのに入院依頼?という思いのすぐ後に、こんな夜中にかかりつけ患者さんを診療され、状態が悪いから入院をとわざわざ連絡を下さる開業医の先生がいるんだ、と勇気づけられた瞬間。それからその日の夜は、ほとんど眠れなくても朝まで嫌な顔せず診療をまっとう、そのまま朝から続く勤務もできたのです。そんな顔も知らない先生を尊敬し(後にお会いし、かなりご高齢と知りいっそう尊敬が深まりました)、自分の目標とした。そんな思いから、自分ができると思う間は年末年始、ゴールデンウィーク、お盆の医者不在を、少しでも補いたいと思ったのです。
 でも、患者さんにも1つ守ってほしいことがあります。我々医師はじめスタッフは病気で苦しむ児、心配でいられない親御さんのためにがんばります。でも、仕事で休めないから休日の今診てくれ、というのはやめて下さい。少なくとも当院のかかりつけ患者さんにはそういう方はおられないと思っております。少子化が進む中、産休、育児休暇がやや取りやすくなりましたが、こどもが急病の時、人が互いに「どうぞこどもについてあげてください、お父さんお母さん仕事お休みで」、といってあげられる本当に豊かなゆとりある社会がいつか来ることを望んでいます。
 
スタッフ一同、病気で苦しむ児、心配でたまらない親御さんのためにがんばります。仕事休めないので休日の今受診した、というのはルール違反です。
更新日時:
2006/10/26
   3, 先生、白衣着ないんですか?
 白衣は、汚れたことがよくわかるという点でよいのですが、清潔そうに見えてもちゃんと毎日着替えないと清潔とはいえなくなるのは当然です。むしろ白衣を数日間替えないで着続けるくらいなら、毎日着替える私服の方が清潔といえるでしょう。事実多くの医者は毎日白衣を着替えていないことが多いのです。見た目で汚れたら当然着替えるのですが。私は個人的には、白衣は医者らしさを出す、威厳を示す以外の何物でもないと思っています。それはこどもに対しては何の意味のないことなのです。
 そう考えると、緊張を呼び起こす白い白衣よりも、日常的に見かける私服で診察する方がこどもの診察にはより実際的だと思うのです。こどもが泣いてしまうと診察所見は取りづらくなります。
 
こどもの緊張を少しでも軽減し、できるだけ泣かずに診察を受けて欲しいという願いからなのです。
 
 当院の看護師は、ミッキーマウスかアンパンマンのキャラクターの入ったユニフォームを着ています。私と同じように看護師スタッフも私服で、ということを考えていたのですが、患児の親御さんが見て誰が当院のスタッフなのかわからないという不便が大きいと考え、実施しませんでした。
更新日時:
2006/10/08
   2, 熱は下げないといけないの?
 解熱剤には病気を治す効果はありません。
 
 病気の時の熱は、体が病気の進行を食い止めるために出ているのであって、悪いバイ菌やウイルスが生み出しているのではありません。熱が上がると体に侵入したバイ菌やウイルスの増殖力は低下します。その間に自分の体のもつ自然治癒力(免疫)が働いてバイ菌やウイルスをやっつけようとしている自然な反応なのです。だから、こどもが熱のわりに元気なのに、すぐに下げようと解熱剤を頻繁に使うのはかえって逆効果かもしれません。
 ではどんな時に使うのか。熱が高く、かつ見るからにしんどそうな時、眠れなくてぐずる時、水分も摂りづらいくらいの時など、一度試しに使ってみてください。(解熱剤の役目は、解熱により機嫌を取り戻す、少しでも眠れるようにする、熱による体力消耗を緩和する、食事水分摂取を助ける、など、症状の緩和であり、病気を治癒させるものではありません。)もし、解熱剤を使っても状態に改善が見られない時は早めの受診を、悪化している兆候です。
 熱は42℃を超えなければ、熱だけで脳に障害をきたす事はありません。(水分が不足し出るべき汗がない(熱中症と同様の状態)時、あるいは脳炎脳症を起こし脳が熱のコントロールをできなくなった時に、42℃を超えることがあります。)
 
高熱をきたす時は、機嫌を見て解熱剤使用を。あまり改善がない時は早めに受診し、熱の原因を診断、対処法、病気の見通しを確認すること。
更新日時:
2006/09/16
   1, どんな時に診てもらいに行けばいいの?
一言で言えば、お母さん(お父さん)が心配になった時でいいのです。
 
 医者はすぐこれくらいで、といいますが、こじれてから来るとどうしてもっと早よ診せに来んかった、と言います。こども自身はまず自分で医者に連れて行って、とは言わないので、みている親御さんが判断することになります。その親御さんが心配になるならその時が受診の時です。なぜなら、不安があっては子育てという重責は長く続けられないのです。先生の「大丈夫ですよ。」の一言で落ち着いて様子が診れるなら、私は十分受診してもらってよかったと思います。そのうちに経験から、親御さんも上手な受診のタイミングがつかめてくるものです。
 
それよりも、安易に考えて受診のタイミングが遅れてしまう方が危険です。受診を面倒と思わず、安心をしっかりお持ち帰りください。
更新日時:
2006/09/16

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Last updated: 2012/7/5

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