

実際の換水の手順としては、簡単に言えば古くなった飼育水を排出し、新しい水を温度差をできるだけ無くして、塩素を中和して水槽へ注水ぐと言うことですが、ポイントを以下にまとめています。
1.古くなった飼育水を排出する。
まず、古い飼育水を排出するわけですが、その前に大きなゴミがあればネットで掬っておきます。
また、フィッシュレット(糞取り機)を使用している場合は、先に取り出して洗っておきます。このとき、そっと取り出そうとしても、せっかく集めた糞やゴミなどがフィッシュレットの底の吸い込み口から水槽内に出てしまいますので、ネットを使いながら真っ直ぐ取り出すか、プレケなどを使ってまわりの水も一緒に掬い出すようにしましょう。
次に水槽表面に付いたコケをスクレーバーやスポンジを使って落とします。
アクリル水槽の場合は、非常に傷つきやすいので、使用するコケ取り用具の材質に気をつけ、あまり強く擦らないようにしましょう。
その際、水を吸い出しながら行うと落としたコケが広がらずに排出できます。
大型水槽の場合、市販のサイフォン式の水換え用ホースは、ホースの径が細いため、非常に時間がかかりますので、電動の風呂用のポンプ(残り湯を洗濯機に移すヤツ)を使えば楽にできます。このとき大きな糞はポンプの先についている網目に引っ掛かってしまい、上手く吸い出せないことがありますので、最初の吸い上げ時だけポンプを作動させ、水が排出され始めたらポンプをホースから取り外せば(水の中で)、後はサイフォンの原理でグングン吸い出してくれます。
調子に乗って吸い出し過ぎないように。
注意事項としては、底砂を敷いている場合砂も一緒に吸い出されてしまうことと、それがホース内で詰まってしまい排水が止まってしまうことです。
2.新しい水を注水する。
重要ポイントのところでも書いていますが、phと水温の急変に注意しながら新しい水を水槽に足します。
飼育水と水道水のph差があっても、できるだけ時間をかけることで、phの急変によるショックを抑えることができます。新魚導入時の水合わせのイメージですね。
水温に関しては、湯沸かし器などを利用することで予め温度調節が可能です。
換水用の溜め水水槽を準備できれば水質・水温とも飼育水に合わせやすくベストですが、それなりのサイズの水槽が必要となりますので、そうそう用意できるものではないと思います。
だいたいはバケツを使うか、水道から(湯沸かし器を通して)の換水となると思いますが、いずれも水道水に含まれる塩素の中和を行う必要があります。
バケツを使う場合は、中和剤が市販されていますのでこれを使用すれば手軽に中和できます。
夏場になると、水道水中の塩素濃度が上がるようですので、6月ごろから気にしておいてもよいかと思います。なお、市町村ごと(?)に濃度が異なるそうです。
また、中和以外の機能(粘膜保護、白にごり防止など)も併せ持ったものもありますので、必要に応じて使ってください。
水道から直接注水する場合は、浄水器が市販されていますのでそれを使用しましょう。
それと、飼育水に直接水道水を注いで中和剤を水槽に入れるのは、少々荒っぽすぎますのでやめておいた方が無難です。
また、水槽の1/3以下の注水に数時間かけるかけるのであれば、中和剤なしでも大丈夫だとの話もありますが、無理に試す必要はないかと思います。
濾過槽のメンテナンスも水質管理の重要なポイントの一つです。
頻繁に行わなければいけないのは、ウールマットの洗浄、交換です。
ウールマットは物理濾過に使用しますが、文字通り物理的に糞やごみを絡め取る役割ですので、直接的に汚れがついて目詰まりを起こします。
これを取り除くために、汚れ具合を見て洗浄、汚れがひどければ交換します。
外部フィルターの場合、ウールマットが目詰まりを起こすと水量が落ちたり、ポンプに負担がかかったりしますので注意が必要です。
掃除の手順は、ポンプを止め濾過槽内の水を抜き、濾材を洗浄するだけのことですが、やってみると結構面倒です。
が、これを怠ると後々もっと面倒なことになりますので、定期的にチェックし、実施してください。
何が面倒なことになるかと言うと、
1.ヘドロが堆積し、phが急激に下がってしまう(換水してもphが1〜数日でphが大幅に下がる)。
2.ミズミミズが大量発生する。
3.病原菌が増殖する。
4.腐敗臭がして部屋が臭くなる。
5.コケが生えやすくなる。
などロクなことにはなりませんです。
特に1と3は魚に直接的なダメージを与えてしまい、場合によると命取りにもなりかねません。
以下に、上部式、外部式の掃除のポイントを挙げておきます。
1.上部式
・こまめにウールマットの洗浄、交換を行う。
・掃除の際にヘドロが水槽内に流れ出しやすく、その際に病原体も一緒に水槽へ流れ出してしまいますので注意が必要です。できればドレンコック(濾過槽底面のヘドロ抜き用のパイプ)のあるタイプを選択(特注の場合はあらかじめ設置してもらっておく)し、ドレンコックがなければ小型の水中ポンプを使用して吸い出す等、ヘドロが水槽へ流れ出ないような工夫が必要。
・小型であれば濾過槽ごと掃除しやすい場所へ移動した方がかえって楽。
2.外部式
・ダブルタップ(2重の止水栓)は必須。あるのとないのとではメンテナンス時に差が出ます。但し、ちょっとお値段が張ります。
・大型の場合、水が入った状態では移動が困難。排水しやすい場所に設置するかキャスター付きのすのこ(ろ過装置のページを参照)などを利用して移動しやすくする、、延長ホース(延長側にもタップがあれば簡単に接続できます)を用意するなど工夫が必要。
・ホース内の汚れも要確認。再スタート時にホース内の汚れが一気に水槽へ噴出して非常に見苦しいです。
 
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