音楽とオーディオ観のお話         / 1999.11.04


オーディオ機器の音の良し悪しは何で判断するでしょう。

分かりやすいのは「音色」でしょうか。
少し注意すれば「音質」の違いに気付きます。
評価の個人差が少ないのは「情報量」ですね。
気にしない人もいますが、空間の奥行きを彷彿させる「音場感」もあります。

そんなこんなを飽きずに追いかけて随分経ちました。
文章の行間を読むように、ステレオの音からは使い手の人柄が読み取れるような気がします。
音楽の鳴らし方から、分別とか教養とか生活観が伝わってくるのですね。
一握りの人たちのステレオに限ったお話しなので、一般化するつもりはありませんが、
再生音楽には、価値観や性格も反映されると思います。
使いこなしが上手いほど、調整した人が音に現れる、それを読み解いているわけです。
オーディオの達人たちとの交流を通して身に付けた独善的な感覚ですが、
大きく外れることはないようです。

オーディオを趣味にしていますが、私はコレクターではありません。
好きな音楽があって、こう鳴って欲しいというイメージを持っていて、
それを適えてくれそうな機器を選び、理想に近づけていく過程を楽しんでいます。
理想とする音があるので、試聴ではこれも良いあれも良いとはなりません。
これを使いこなせれば、今より好みの音に近づけるかもしれないと、原石を探す感覚です。
機器を取り替えて音が変化するのは面白いですが、それを楽しもうとは思いません。
これだと信じて手に入れたのに使いこなしが難しく、格闘の末に望みの音が出たときは嬉しいですが、
できればそこにかける時間は少ない方が有り難い。
それが私のオーディオ観です。




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