2004.5.4(更新)

日本ライトハウス・チャリティコンサート 2004年4月16日

指揮: 大植英次
ヴァイオリン独奏: 和波孝禧
管弦楽団: 大阪フィルハーモニー交響楽団
曲目: ベートーヴェン/劇音楽「エグモント」序曲
モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
マーラー/交響曲第1番ニ長調「巨人」

マーラーの交響曲第1番は、私にとって非常に大切な曲、青春時代の思い出がいっぱい詰まった音楽です。
かつて、バーンスタイン指揮/ニューヨーク・フィルの演奏で感動したことがありますが、どんな演奏だったかは思い出せません。大植英次は昨年の音楽監督就任披露で、感動的な2番の交響曲を聴かせてくれただけに、期待に胸弾ませて出かけました。
弦楽器がピアニッシモで開始するが、かすかに聞こえるくらいの絶妙な響き。マーラーの1番が始まるぞ!という緊張感が走る。
1楽章の第1主題、<さすらう若人の歌>の旋律が出てくるともうじっとしてられなくなる。懐かしさというか、私の心の琴線に触れるものがあるのでしょう・・・・
弾むような2楽章に比べ、3楽章の葬送行進曲はまるで<人間には、こういう悲しみ・苦しみがあるんだ!>とでもいうような音楽。
でも中間部の<さすらう若人の歌>のメロディーは、やるせない恋心を思わせる甘いもので、和やかな気分にしてくれる。
4楽章は情熱の赴くままという感じで、大植英次の指揮もエネルギッシュだけれど、思ったほどオーケストラをあおることもなく、悠然と進行していく。予想したよりはおとなしい演奏かなと思ったけれど、後半の盛り上がりはさすが。そして最後はアッチェレランド(次第に速く)していって、最高潮のクライマックス!こうでなくっちゃ!
 オーケストラも熱演だったが、第1楽章のホルンが後半と同じくらいだったらと悔やまれる。
マーラーの話ばかりになったが、モーツァルトが好演だった。
日本のオーケストラでモーツァルトを楽しく聴いた記憶がまったくなくて、今までは諦めていたけれど、大阪フィルもモーツァルトを聴かせてくれるということがわかってうれしい限り。

-今日の一言-
青春時代の思い出がいっぱい詰まった曲!
懐かしさといとおしさで胸が熱くなった・・・・・・
和波孝禧(たかよし)
四歳よりヴァイオリンを始め、辻吉之助、鷲見三郎、江藤 俊哉の各氏に師事。1962年第31回日本音楽コンクールに優勝。翌年、日本フィルのソリストとして斎藤秀雄氏の指揮で楽壇にデビュー。
1968年に「点字毎日文化賞」、1971、78、83年には「文化庁芸術祭優秀賞」、1993 年に「モービル音楽賞」、そして1995年は「サントリー音楽賞」を受賞した。
世界中で活躍し、サイトウキネンオーケストラの常連でもある。