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大植英次プロデュース

大阪クラシック

−御堂筋にあふれる音楽-
2007.9.2.sun - 8.sat
7日間、60公演
<大阪フィル創立60周年記念行事>


 

コンセプト大阪フィル音楽監督大植英次さんの挨拶

「大阪クラシック」がみなさまと音楽を
深く結びつける機会となることを心より願っております。
大阪という街だからこそ実現できるこの大きな夢を、
みなさまとともに創り上げたいと思います。
この喜びあふれる音楽の一週間をどうぞお楽しみ下さい。


コンサートの内容

9月2日から8日までの一週間、大阪の中心御堂筋の15会場を使い、大阪フィルのメンバーがボランティアで演奏会を開き、無料で(一部有料)多くの人にクラシック音楽に親しんでもらおうというもの。
会場は、喫茶店・レストラン・ショールーム・ビルのエントランス・ロビーなど普段クラシック音楽とあまり縁のないところ、そしてオーケストラ全体では、シンフォニー・ホールや市役所のホール、弁護士会館などでも演奏。
会場も昨年より広範囲の地域にまたがることになり、北は国道2号線のあたりから南はなんば・パークスまでになった。
そんな場所で、ヴァイオリンやフルートののソロ、ヴァイオリンとピアノの二重奏やいろんな組み合わせのデュオ、四重奏、七重奏などの室内楽が中心のミニ・コンサートを聴いてもらおうという企画で、何よりもまず、プロの演奏家の生の演奏を身近に体験してもらおうというのが最大の目的。

期待


昨年の大成功を受け、公演数を増やして60公演となり、大阪フィル合唱団や琴の演奏まで楽しめる。

不安

一方、
  • 人の出入りの多い場所、しかも音響的に配慮されてない場所で果たしてクラシック音楽がゆっくり聴けるのだろうか?
  • 30分だけの音楽会って、どんな曲を演奏するんだろう?
こんな心配は昨年同様にあったし、さらに
  • 体調が万全でない(?)大植英次が果たしてやっていけるんだろうか?
  • プログラムを見ると公演の時間帯が重なることが結構ある・・・・
  • 最終公演が19:30からとなると、毎日遅くなるな・・・・
  • 会場が分散されると、移動だけでも大変。歩いて移動なんて出来なくなる。



◆今年も大成功!◆◆

観客は、27700人になったということで、昨年より5000人以上増えたことになる。
二階にあるレストランでの公演などでは、物理的に入れないということで入場制限されるケースもあったほど
人気は昨年以上で、毎日暑い中盛況だった。


今年何より素晴らしいと思ったのは、どの公演も
本格的な演奏会だったこと。
30分という短い時間、いろんな雑音の中での演奏ということを考えると、通俗名曲や演奏効果の上がるような曲を選んで聴衆を喜ばせると言うエンターテイメントのもようしになってもおかしくない。
でも今年の催しはそうじゃない。
ブラームスの弦楽六重奏曲、モーツァルトの弦楽五重奏曲第1番、メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲という、クラシック通でもふだん余り耳にしないものや、バロックの様々な音楽もあり、さらにロッシーニのチェロとコントラバスの二重奏曲、ラヴェルのヴァイオリン・ソナタ、そしてその名前すら聞いた事のない作曲家の作品で、ロッラのヴァイオリンとヴィオラの二重奏曲、バリエールの2台のチェロのためのソナタ・・・などなど、準備に相当の期間と努力が必要と思われるプログラムが多かった。
大植英次がピアノ連弾をするという公演があり、プログラムでは「シューベルトの軍隊行進曲ほか」と書いてあり、みんなの知ってる曲を聴かせるだけかなと思っていたら、会場でもらったプログラムには 「シューベルト作曲 幻想曲D.940」「バーンスタイン作曲ディベルティメント」となってる。シューベルトの幻想曲なんて、プロのピアニストのプログラムに載る本格的なもの。そしてバーンスタインの曲もあるとすれば、30分で終われるはずがない。
大植英次はじめ、大阪フィルのメンバーが本気で取り組もうとしている様子がありあり!
フェニックス・ホールでのフルートを中心とした室内楽も、当日のプログラムを見ると、バッハのトリオソナタ、ベートーヴェンのセレナーデ、バッハの“音楽の捧げもの”となってる。どう考えても一時間は必要だろうというもの。最初からそんな音楽会にすることを考えてたとしか思えない。
 
<こんないい曲があるんですよ><私たち、こんな音楽が好きなんですよ><こんな音の組み合わせもあるんですよ>

<いろんな音楽の楽しみ方を短い時間で直接肌で感じてもらおう>

そんな
楽員たちの想いが伝わってくるような公演が非常に多かったことが今年の大阪クラシックの最大の収穫だった。



◆問題もあり!◆◆
1.聴衆の数が多くなりすぎて、会場が狭すぎる
2.場所が分散され、次の会場に着いたときはもう始まってる・・・
3.整理券・有料入場券を持っていても全部自由席、早くから並ばないといい席がとれない。
4.平日の昼休みの時間帯の公演が少ない。
いずれも、人気が出て聴衆が増えたことに起因することばかりなので、うれしいことではあるけれど、団員達の意欲的なプログラムはやはり落ち着いて聴きたいもの。
会場の前でまず並ばされ、入ってみても後ろの方で立ったまま。これが二つ続くと体力の問題になってくる。
前売り券を買っていても、時間ぎりぎりに行けばもう長蛇の列。
確かに、広い場所に折りたたみの椅子を並べただけというケースだと無理だけど、フェニックス・ホールなどの会場なら、整理券の交付の時点で座席指定できないものだろうか?
またある会場では、中央に大きなテーブルがあり、聴く人はその周りに立ち尽くすしかないという状況。
弁護士会館の1階ホールでの室内楽、縦長の細長い場所ではあまりにも辛いものがある。
全部とは言わないまでも、来年は会場設定をもう少し慎重にお願いしたいもの。

音響や周囲の雑音などについてはガマンするしかないけど、聴衆の中にはいろんなかたがたがおられ、周りの人に対する配慮など全く気にかけないという人をあちこちで見かけた。
子供の泣き声はガマンできても、演奏中はしゃぎまわる姿は???
ちょっとした気配りがあればみんなが楽しく音楽を聴けるのにね。

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