第7章  良い点、不満な点


筆者のはポンセットマウントと経緯台(フォーク式)を一体化しているので、全体としての感想をのべる。

満足できる点

使い勝手
これはとても快適なレベルになった。まず粗動での導入だが、全天の肉眼でみえる天体ならレーザの先を見ながら、暗い天体はファインダを覗きながら手で筒先を軽く動かすかすだけで、確実に50倍の視野に導入が完了する(10000倍速?)。暗い天体はレーザーと光学ファインダを併用すればより確実だ。鏡筒はノークランプで手を離しても全く動くことはない。クランプはカム機構で、長めの連結棒で手元で操作できるようにしているのでファインダやアイピースをのぞいたままでもワンタッチで固定できる。さらにターゲットを正確に視野中央に入れるには偏心カムによるレバー操作の微動機構を手元に設けており、アイピースをのぞいたままですばやく完了することができる。ポンセットは常時追尾しているから、一旦導入された天体は視野の中央でピタッと動くことはない。これは快適だ。ポンセットは追尾終了時点で、原点にもどさなければならない(リセット)が1.5hrの連続追尾ができるので忘れるくらい安心して観望できる。リセットはウォーム、ギアの噛み合いを片手で外し、手で筒先を動かすが、数秒で完了する。
レーザーファインダ
ニュートン式は鏡筒が低い位置にあるため、天頂付近ではファインダが非常にのぞきにくくなる。なんとかしたいと自作したのがレーザーファインダーだ。使った結果、とても便利だし速い。とくに星雲など暗い天体は近くに目印になる明るい星がないと導入が難しいものだ。しかもファインダは逆像が普通なので間違いも多いものだが、このレーザーファインダを併用することで簡単に導入することができる。実際の夜空を星図代わりに指し示すだけで導入できるのは勘違いがなく安心だ。
レーザユニットで購入、サポート、電池ボックス、は自作した。レーザーはグリーンレーザーで出力は1mw以下ではだめ、5mw程度がよい。単2電池駆動で連続24Hr以上使用できる。ただしこのレーザーユニットは気温が低い時は光量が落ちるのと。また近くに観望者が居るときは、迷惑がる人もいるので使用しないほうがよいだろう。

レーザーファインダ

 

レーザユニットのみ購入、サポート、電池ボックス、は自作、外付けスイッチを設けてある


極軸望遠鏡
これはポンセットマウントでも必需品だ。これがあるのとないのでは極軸合わせの手間、時間、精度が雲泥の差がでる。しかしこれをどこに取り付けるか、ベースか?可動台か?極軸望遠鏡軸心と赤道儀の極軸とを完全に一致させるのはどうするのか、実極軸がないポンセットでは目安になるものがないから困ってしまうだろう。
極軸望遠鏡は可動台に取り付けるのが正解だ。こうすることで、精度よく極軸あわせができる。やり方は、後述する。

極軸望遠鏡


不満な点

写真撮影の精度
現在の時点で眼視では実に快適で不満はまったくない。1hr以上の追尾でも300倍の視野からターゲット出てしまうことがない。もちろん振動などで解像力が低下することなどいっさいない。 が写真撮影は未だ満足とまではいえない。直焦点撮影の場合(f=1000mm)、1分以下ならばほぼ点像だが、これより長いと像が流れてしまう。安心して撮影するにはデジカメでも5分くらいの露出に耐えるものにしたいものだ。カメラ(F=50mm)では5分でも点像だが。現在は精度の追い込み中であり、さらに良くなってきているがいまだ完全ではない。正直、直焦点追尾撮影(ノータッチガイド)は相当荷が重い。

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