6章 筆者 自作ポンセットマウントの紹介


百聞は一見にしかず。ここで筆者の実際に試作したポンセットマウントを紹介したい。たかが200mmの反射鏡筒ならば市販赤道儀にのせたよっぽど賢い選択だとも思うが、経緯台は赤道儀にはないニュートン式での眼視のし易さがある。さらに将来大口径ドブの導入に備えてポンセットマウントを試作した---ことにしておこう。 フォーク型経緯台をポンセットマウントと一体化している。

ポンセットマウントとフォーク式経緯台反射望遠鏡 全景





説明

鏡筒; 
K社製200mmF5ニュートン反射望遠鏡

ファインダ; 
標準付属の他、レーザファインダ(自作)を追加

経緯台; 
筆者のポンセットマウントは大型のフォーク式経緯台と一体化している。フォーク式を採用した理由は、この方式は完全に自由に振り回せる(天頂を除く)ので、全天観測するのに死角がなく非常に都合がいいからだ、そのうえ、鏡筒がどんな姿勢でも重心の移動がない。ポンセットは台が傾むくので、重心が移動すると、甚だ都合が悪いのだ。(通常の経緯台や赤道儀ではカウンターウェイトなしには完全なバランスがとれない)。追尾トルクの変動がないから駆動速度の変化もないことからポンセットに最も適していると考えたからである、将来補強や改造をするにしても比較的簡単なこともある。

もちろんドブソニアンにしてもいいが、一体化とした方が丈夫だし台が傾いたとき転倒などの不安がないなど、安定性でも有利だと考えられるからである。(そうはいっても将来ドブソニアンにすることも考え、フォークはボルト一本で簡単に取り外すことができるようにしている)。粗動、微動共手動。クランプ後レバー操作で上下、 左右の微動が可能
極軸望遠鏡;
ビクセンSX極軸望遠鏡、アジャスタネジ付サポート、アリ溝取り外し式、自作。

ポンセットマウント
ベアリング、モータ以外すべて自作。全鋼板製 セクタレール2個;r=350、r=171、車輪数:2+2+1、移動用車輪2個付、移動時ロックねじで固定、ベース内 に仕込んだ2段伸縮取っ手を引き出す。 極軸調整用水平垂直微動装置、重量 フォークマウントを含んで、約35kg。駆動モータ:シンクロナスモータ100V,60Hz,1RPM、ウォームギア(ピッチ1.5)。連続自動追尾可能時間;約2hr


駆動ウォーム、ギア
ウォームのピッチは1.5mm(1条ネジ)なのでが一回転すればギヤも円周で1.5mmすすむことになる。
ウォームが一回転する時間は1分であるから1分で1.5mm進む
一方24hrで(極軸)ギアを1回転させるためには1分間では1/24/60回転すればよいことになる。
このときのギアの円周長さは(1/24/60)*2*兀*Rである    R;セクタギアの半径

ゆえに(1/24/60)*2*兀*R=1.5
=1.5/2/兀*24*60=344mm

セクタレールは半径350なのでこれを採用する。ウォームはM10、P=1.5だ。

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