そして指板のバインディングを接着しました。
実は今回は妥協した仕様となりました。
それはまた後ほど。
まずはサウンドホール側のアールのある部材から接着。
ちゃんとベンディングアイロンできっちり曲げ加工しましょう。
接着後、縦長のバインディングと留メ合わせになるように加工します。
ぴったりと合えば接着しましょう。

フィンガーボードの加工

テーピングしている左側が加工後、右側が加工前です。
わかりますでしょうか?
まず、ダイヤモンドやすりで大まかなR加工をします。
その後先ほどダイヤモンドやすりで天バのRが削られて平坦になっていますので
フレットバー専用のRのついたやすりでRを削りだします。
その後、精密やすりなので丁寧に丸く削りだしてサンドペーパー400番で粗く均します。
次にスチールウールの0000番で磨きあげ、最後にコンパウンドをつけた
ドレメルフェルトバフでぴかぴかに仕上げます。
なかなか大変ですね。

フレットを打ちつけた状態では全体的な高さが不均一です。
まずこれを均等にならさなければなりません。
このときに使用するのがダイヤモンド砥石です。
鉄性の砥石と申しましょうか・・・
結局STEWMACから輸入しても同じようなものが届きます。
重さが適度にあるので、これを力を加えずに1Fから最終Fまで何往復も走らせます。
最初のうちは段差があるので「カタカタ」と音がなります。
次第に凸部分は削られてゆき、だんだんと平坦になってまいります。
思うツボなのです。
要はなにが言いたいか?
そう、何でもかんでもSTEWは要らないんだということです。

やっとこさ本体へ接着です。
タイトボンドを薄く丁寧に塗り拡げてずれないようにクランプします。
よくズレ留めでピンを打ったりされますよね?
やった方がいいのかな?
ずれませんけど・・・
サンディングブロックもクランプ達の応援をしています。
薄くのばした筈なのに、ありとあらゆるところからあふれ出てくるタイト君。
あっち拭いてこっち拭いて大忙しです;;

指板横側のポジションマークをインレイします。
今回使うのはアバロンドットです。
これは大和マークさんより仕入れしました。
卓上ボール盤・・・オニュー初使用でございます。
いやはや便利だ。
インレイのマテリアルより深堀りしないように注意して穴を空けます。
深さの目印でキリにテープを貼っておけば良いですね。
はい、貼っていませんがなにか?

横幅の確認をしています。
うん、良い感じです。

てか、指板乗っけただけでギター出来てきた気がしてきた!
燃えてきました。
頑張って進めてまいります。

フィンガーボードの加工に取り掛かります。嫌い(苦手)な作業とは?それはフレットの溝切り作業です。ただし!
今までフレットソーはアメリカンな押し切りノコを使用していましたが、今回はJapanese引き切りノコを使用します。
その分作業はやり易い筈!!
まずはフレット位置の計算から始めます。以前はフレット定規みたいなものを使用していましたが勿体ないので
購入せず、自力で計算してみました。写真はフレット位置計算書でございます。弦の振動計数値を用いた計算書で
詳しくはまたまたジグのコーナーででもご紹介します。で割愛。
スケール長数値を入れればナットから各フレットまでの距離がはじき出せる表計算をエクセルで作っただけです。
今回はスケール長645mmとしました。
この表の数値を基にCADでフレット図面を作成します。

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はい、すべてのフレットバーの加工が終わりました。
めちゃめちゃ時間が掛りましたが実に楽しい工程でした。
このあとネックの仕上げ削りをしました。
ここまで来るとギターを弾かない人でもギターと解りますね。

数年ぶりに製作してみて改めて、ギター製作は本当に楽しく、
そして時には苦しく(笑)奥深いものだなぁと思いました。

さてお次はインレイに進みますか!!

お次は飛び出たフレットワイヤーを全体的にならしています。
これも均等な角度で加工できる専用の工具がありますが私には必要ありません。
小学校で使ったような金属やすりと先ほど使用したダイヤモンド砥石で十分です。
なぜなら・・・

はい、とりあえずすべてのフレットワイヤーを打ち込みました。
両サイドに飛び出たフレットワイヤーは『喰い切り』で切っておきます。
そういう道具があるのです。
『釘切り』なのかどうなのか定かではありませんがとにかく便利道具ということです。
いずれTOOL紹介などのページで紹介することとします。

まず溝切りの両小口をやすりでテーパーを付けておきます。
これは食い込みやすさと割れの防止の為です。
そして溝の中の掃除を皮などを切るカッターで掃除します。
そして溝へタイトボンドを流し込み、余分なボンドはふき取っておきましょう。
あとは先ほどのフレットワイヤーをプラスチックハンマーで叩き込みます。
私はプラスチックハンマー派です。フレットワイヤー柔らかいので要注意です。
この工程を延々23回繰り返します。
『フレットワイヤー加工して溝加工して掃除してボンド塗って叩いて・・・』×23

こういう作業大好きです!

緊縛から解き放ち、最終のR付け作業です。
あまり難しい効果などは狙わずに当たり前に作業します。

はい、一本一本丁寧に端部を丸く加工するからです。
これも杉田さんの影響100%です。
ま、自分が普段弾いているギターがこうなってて弾きやすいので
同じように加工するわけです。
ただし、めちゃめちゃ手間掛ります・・・

私はこのチマチマした牛歩的作業がたまらなく好きなのです。
『ぜんぜん先に進まねぇ!!』と笑顔でボヤいてます(苦笑;

フレットバーの加工です。
R加工したのでフレットにもRを付けておきます。
ん?何で曲げたか?指です。
長い状態のフレットワイヤーを曲げておけば楽ですね。
そしてバインディングとパーフリングには溝はありませんので
余分なフレットワイヤーの凸部分を削り落しておきます。
ん?何で削り落したか?
はい、専用のフレットニッパーとダイヤモンドやすりです。

余分な接着剤をサンディングで綺麗に均します。
はい、基本の指板ができました!!
少しコンパウンドで磨いています。
個人的にはぴかぴかした指板は嫌いなので後ほどくすませようかな?

アバロンドットマテリアル×10個
2液性エポギシ接着剤×小さじ1
ローズウッド粉末×少々
上記の材料を混ぜ合わせ、先ほど空けた穴へ注入。
小さなアバロンドットをピンセットで摘んでは穴へ丁寧に運びます。
エアが咬まないようにピンセットの先でこちょこちょします。
このあと接着剤が固まるまで冷蔵庫で冷やします。
ウソです。
一晩乾燥させました。

バインディングの接着乾燥後Rの付いたサンディングブロックでひたすらサンディング。
みるみる綺麗に仕上がってまいります。
180番から始めて240盤、320番そして400番と順に進めます。

実際に本体へ接着してから最終擦り合わせをしますので磨きはまた後ほど。

サウンドホール側の装飾です。
どのような形にするか?毎度悩みます。
で、いつもの形状を採用しました。
まぁ、気に入っているということですね。
このデザインはパクリです。
スギクラフトさんのデザインを使わせて頂いています。
やっぱり杉田さんはカッコいいのです。
音も杉田さんみたいになれば良いのになぁ・・・・

今回指板にもパーフリングとバインディングを施す予定ですので
その厚みを考慮して指板をカットします。
バンドソーでじわじわ切りだして、その後小口をかんなぃんぐとサンディングで
なめらかに仕上げました。

ようやくすべてのフレットを切りました。
所用時間なんと1,5時間!!
翌日背中の筋肉が悲鳴を上げるほどの筋肉痛に襲われました。

・・・みんなどうしてるんだろ?・・・
こんなに苦しんでいるのだろうか?

多分私のやり方がおかしいのでしょうね。
気にせず進めます。

やってきました!
溝切り作業です・・・
ん、切り易い!!のもつかの間、やはり切りにくい。
硬い、切断面がノコ刃に吸いつくような手ごたえ。
重い。
途中休憩をはさみながら悪戦苦闘です。

CADで作成したフレット(指板)図面を加工する指板材(エボニー)に貼り付けます。
もちろん、プリント時の細かなズレがないかを確認する必要があります。
が、のこぎり幅の許容範囲程度のズレだけですね。
まずまず正確なのを信頼して作業します。

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