コラム

社員の化学日記 −第33話 「健康診断」−

私は,風邪を引いても,寝るか市販の風邪薬だけで治してしまうので,病院にはほとんど行ったことがありません。 風邪で病院に行ったのはたぶん20年以上前だと思います。

普段病院に行かないためか,病院の建物の中に入るだけでちょっと緊張してしまいます。 多分,病院に行くときは,かなり体調が悪いときだろうという感覚を持っているためだと思います。 少し前までは,お見舞いなどで病院に行ったときに,病院特有のニオイを嗅いだだけで具合が悪くなってしまうほどでした。 これは,何度か病院に行っているうちに慣れてきたのか今では大丈夫になりました。

年に1回健康診断を受けていますが,これも始めの頃は,検査着を着るだけで病気になったような気になっていました。

検査の内で特に苦手なのが,血圧の測定です。 大抵何度も測り直すことになるので,あまり好きではありません。 それは,私が「ハクイ」性の高血圧だからです。 初めてそう言われたときは,「ハクイ」の意味がわからなかったので,調べてみたところ,「ハクイ」は「白衣」のことだとわかりました。 お医者さん(白衣)を前にすると緊張してしまい,血圧が上がってしまうということでした。 そういうことなので,実際には高血圧ではなく,正常であるということらしいとわかりました。 ちょっと心配だったので,血圧計を買い,自宅で落ち着いた状態で血圧を測ると正常な値になっていました。

今でも,血圧を測るときに,緊張すると血圧が高くなるとわかっているので,緊張してはいけないと思ってしまいます。 そのせいか,かえって緊張してしまい,たいてい高い値になってしまいます。 測り直すのですが,さらに緊張が強くなって血圧がどんどん高くなっていきます。 特に,脈拍に合わせて音が鳴る機械の場合は,脈がどんどん速くなるのが音でわかってしまうため,さらに緊張してしまいます。 そういう時は,機械ではなく,人の手で測り直してもらうことになります。 そうすると落ち着くのか正常な値になります。

次に苦手なのは,胃の検査(レントゲン撮影)です。 バリウムを飲むのが苦手だという人もいると思いますが,よく知っているもののためか(製品の試験をしているときに扱います),飲むことには特に抵抗はありません。 ただ,検査時に乗っている台が動くので,頭が下向きになったときは,気を抜くと台から落ちてしまうので,手すりをしっかりと握っていなければならないので大変です。 あとは,台の上で指示された通りに体の向きを変える必要があるのですが,普段台の上で姿勢を変えることなど無いため,指示の意味がよくわからないときがあるので,聞き取るのに必死になります。 そのため,胃の検査が終わるとかなり疲れてしまいます。

いつもそうなのですが,健康診断が近づいてくると,健康に注意するようになり,終わってしばらくすると,気を使わなくなってしまいます。 本当なら,普段から健康に注意するべきなのですが,なかなか難しいです。

【三津 和次郎(ペンネーム)】

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