コラム
社員の化学日記 −第196話「槽掃除」−
先日、何カ月かぶりに我が家の洗濯機洗浄をしました。 洗濯機洗浄をすると、槽内にワカメとかピロピロとか呼ばれる黒い汚れが浮かんでくるのですが、それをすくって取り除くと 「掃除したなぁ」って気分になって気持ちいいです。
浮かんでくるこの黒い汚れは黒カビと呼ばれるもの。衣類に付いた汚れや洗剤カスが黒カビのエサとなり、洗濯槽の裏側で増えます。 我が家は計量カップなんぞ使わず洗剤をドバドバ注ぐワイルドスタイルなので、ついつい多めに入れてしまいがち。 過剰の洗剤カスによって黒カビが繁殖しやすいと思われる環境です。
洗濯槽用の洗剤は大きく分けて2種類あります。
・過炭酸ナトリウムを主成分とした「酸素系」― 水に溶かすことで泡が発生し泡の力で黒カビを浮かび上がらせます。
・次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする「塩素系」― 次亜塩素酸が黒カビの内部まで浸透し分解します。酸性のものと混ぜると人体に危険な"塩素ガス"が発生するので注意が必要です。
どちらも薬局やホームセンターで売ってますが、どちらが洗浄力がいいのかはよく知りません(そもそも洗濯槽掃除する機会が少なくて比べたことない)。 ただ、洗濯機メーカーが販売する洗濯槽クリーナーは塩素系が多いので、塩素系の方がやや強いのかも? 洗浄力が強い=機械や樹脂へのダメージもあるってことでもあるのでちゃんと容量を守りましょう。
私がよく使うのは酸素系です。なぜか? それは先にも書いてますが酸素系の方が掃除した感がでるからです。またピロピロすくいが楽しいです。 塩素系は汚れを溶かしちゃうので、目視で分かりにくいのです。
まぁ化学に携わっている人からは「物理的に汚れを浮かして落とすより、溶かし落とす方がきれいに除去できるから塩素系を使うべき!」と言われるかもしれませんね...
【栗正(ペンネーム)】