コラム

社員の化学日記 −第132話 「無題」−

蚊が出る季節になってきました。

夜寝ているときに,顔の近くでプーンという羽音を聞くと落ち着いて寝ていられなくなります。

かといって,電気を付けて蚊を探すよりも眠気の方が勝っているので,そのままにしていると,いつの間にか刺されてしまいます。

こんな時に使われるのが蚊取り線香ですが,最初は今の様な渦巻き状ではなく,棒状だったそうです。

あまり長くすると折れてしまうため,燃焼時間は40分ぐらいが限界だったそうです。

そこで,今の渦巻き状の蚊取り線香が発明されて,折れにくくなり,燃焼時間も約7時間と長くなりました。7時間というのは,睡眠時間に合わせているそうです。

当初は,除虫菊が原料として使われていましたが,現在では,除虫菊に含まれている殺虫成分ピレトリンを元に化学的に合成されたピレスロイドが使われています。

ピレスロイドの特長としては,即効性,忌避効果,追い出し効果,高い安全性が挙げられます。

蚊取り線香の殺虫成分ですが,煙に含まれていると思っていましたが,煙が出る部分は温度が高くて分解してしまうため煙には含まれていないそうです。

殺虫成分は,燃えている部分から少し離れた場所から揮発し,煙に乗って分散するので煙を見ればどこまで届いているのかがわかるそうです。

最近では,電気式のものやワンプッシュ式のスプレータイプのものも出てきていますが,電気が使えない場所や,屋外では渦巻き状の蚊取り線香はまだまだ使われているそうです。

【三津和次郎(ペンネーム)】

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