3日目
セーニュ峠を越えイタリアに入る

コース;レ・シャピュー(le Chapieux)⇒グラシエ村(la Ville des Glaciere)→[25min]モッテ小屋(Refuge des Mottels)→[2h05min]セーニュ峠(Col de la Seigne)[大休止]→[1h]エリザベッタ小屋(Refuge E.Soldini)[手前で昼食]→[1h] コンパル湿原の橋(Brigde Lac de Combal)→[40min]ミアージ湖往復(Round Lac du Miage)→[1h20min]プラン・ヴェ二(Plan Veni)⇒クールマイユール(Courmayeur)⇒ラ・ヴァシェ[la Vachey]
[合計 6h30min  標高差 登り726m 下り1016m] 


雲一つ無い快晴。昨日までは南に向かって歩いていたが、レ・シャピューから方向を変え北東に向かう。いよいよイタリア側に入る日だ。
レ・シャピューのノヴァの宿からクラシエの村までミニバンで送ってもらい、ここから谷の右側をグラシエ針峰を正面にして歩く。周りは朝日を受けた牧草地が広がり気持ちが良い。
暫くゆるい登りを歩くとモッテ小屋に出る。ここから200m以上を一気に登るジグザグの道になる。
グラシエ谷とグラシエ針峰、 グラシエ村近くから
中央の山はグラシェ針峰(3816m)、
その右の鞍部はこれから超えるセーニュ峠(2516m)

これを越えるとようやく左斜めの緩い登りなって一休み。谷を挟んだ向かいを見ると牧草地に色が違う模様がある。良く見ると模様の右上端に牛が小さく見える。牛が草を食べた跡の模様だという。何日で食べたか知らないが、よくもまあきれいにすごい量の草を食べるもんだと感心する。
牧草地の模様

左手にグラシエ針峰がどんどん大きく見えるようになり、なだらかになるとセーニュ峠に着く。エッ、あれがモンブラン、と思うくらいあっさりとモンブランが現れた。風が強いので国境表示を超えて岩を背に休む。
セイニュ峠からのイタリア側 ////////////////////////拡大→
山は左からグラシェ針峰(3816m)、その右肩はテ・ラ・テート峰(3930m)、白い大きな山はモンブラン(4810m)、尖った黒い山はエギュ・ド・ノアール(3773m)、その右白い山はグランド・ジョラス(4208m)
右の落ち込みはヴェニの谷

相変わらず雲一つ無い天気。ヴェ二の谷が右に落ち込み、その左にモンブラン山群の峰が連なる。鋭角に尖ったノアール(Aig. Noire)のピークの右に白くグランド・ジョラスも姿を見せる。視野の中にすっぽりと納まる美しい景色だ。
眺めを十分楽しんだ後、イタリア側のヴェ二の谷に向かって下る。
セイニュ峠を越えた所から見る
ヴェニ谷

暫く下ると道は広くなだらかになり、両側のあちこちに沢山の花が見られ、自然に歌がでてくる。
セーニュ峠からの下り・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・拡大→

途中、道から少し上がり花を踏まないようにして草地の中に座る。3日目で始めて青空の下で昼食をとる。
昔バルチザンがこの道を行き来したそうだ。素晴らしい景色の中で違った国の人と一緒にピクニック・ランチを食べる。やはり平和はいい。

モンブランの初登頂の話や昔の登山の方法を説明してくれたが、残念ながら良く理解できない。もちろん英語での説明だが、あるレベルを超えると具体的なところが分からない。この辺がこのツアーでの悲しいところ。
少し下ると左上にエリザベッタ(正確にはエリザベッタ・ソルディー二)小屋見えるが、道から少し登らねばならないので素通り。テ・ラ・テート峰がそびえ氷河がせまり景色の良い小屋だ。
エリザベッタ小屋と
テ・ラ・テート峰

更に下るとコンペル湿原(湖)に出る。この湿原は以前は大きな湖だったそうだ。土砂が埋めてしまったようです。
コンベル湿原の奥に白っぽい高い壁が見え、何かな、と思いながら近づいて行くと、それは大きなモレイン(氷河が運んだ土や石)でした。
コンベル湿原(湖)
正面中ほどの遠くに小さく白い山が見えますが、スイスの4000m峰のグラン・コンバン(G.Combin 4314m)です。4日目は近くに見えるはずでしたが雲の中、これが見納めでした。

この辺りは、左側から山と氷河が迫ってきていて、迫力のある景色が見られます。
左の山はグラシェ針峰(3816m)、右はテ・ラ・テート針峰(3930m)、
その間の氷河はブランシェ氷河

コンベル湿原が終わる所に橋がありますが、その橋の手前を右に入るとTMBのトレイルで、シェクルイの峠に行きます。
このツアーは、このままヴェ二の谷を下りますが、時間があるので、モレインを越えた所にある氷河湖・ミアージ湖を見てくることになりました。
・・・モレインからコンベル湿原を振り返る/拡大→
//////////奥は越えてきたセーニュの峠

モレインの上に登るとミアージ湖がやや濁った色で現れました。湖の端を見ると、石の下は氷河です。
ミアージ湖 尖がった山はノアール
モレインの下から見上げるモンブランの尾根

湖の水位が高いときには、氷河の端が水の中に入るそうです。
上を見上げるとモンブランの左に伸びる尾根が見え、その尾根下のミアージ氷河から巨大なモレインが伸びてきています。その大きさに圧倒されます。

ここからは広い道をひたすら下ります。なんとなく人が多くなってきた辺りで、ミニバスに乗りクールマイユールの町で下ろしてもらい、約1時間の散策を楽しみましたが、何故かトイレが見つからず、トイレを借りるのにレストランに入りビールを飲むということになりました。
クールマイユールの町

再びミニバスに乗り今日の宿泊所ラ・ヴァシェに到着。
夕食はミネスタローネのスープ、チキンとサラダ(ポテトと野菜)と赤ワイン。今日は一日天気も景色も良かったせいか、皆気分が乗って、自分の経歴を話すなど打ち解けた楽しい時間となりました。



←2日目に戻る    4日目に進む→