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途中、ラバの背中に沢山の荷物を乗せたハイカーに出会う。ラバは小さな橋を渡るのが怖いとみえて、橋の上を通らずに少し上流にまわり浅瀬の中を渡ってくる。ラバ使いも簡単ではなさそうだ。ラバがよくこんな峠を越えていくもんだと関心していると、もともとこの道は昔から荷物を積んだラバが行き来してきた道なんだと教えられる。
やがて広いテラスのあるバルム小屋に着く。何か注文しないと休めないとのことで、前の草地で休む。
景色が良いところのはずだが、ほとんど見えない。ここからは右に巻くようにして徐々に登りながらガレ場を歩く。完全にガスの中に入って何も見えない。やがて今日の最高標高2433mのクロワ・ド・ボンノム峠に着く。フール峠に行くバリエーション・トレイルと分かれて少し行くとガスの中からクロワ・ド・ボンノム小屋が現れた。
ここのレストランで昼食。満員。この小屋のレストランは持ち込みOKで、注文しなくともかまわないとのこと、ありがたい。さっそくテーブルにピクニックランチを広げる。 トイレは靴を脱いでソックスで入るのがこの小屋のきまり。
木が一本もなく花が沢山咲いた綺麗な草地をどんどん下りる。この辺は雪崩の多発地帯で木は全部なぎ倒されてしまい生えないそうで、そのかわり良好な牧草地になるということでした。小さな谷を挟んで沢山の羊が群れているのが見える。
冬はこの辺一帯は雪崩で危なく近寄れないそうだ。谷の名前もグラシェ谷、すなわち雪崩の谷という名前が付いている。
途中、大きな荷物を背負って登ってくる2人に出会った。ガイドが盛んにねぎらっている様子。なんと、小屋に荷物を運ぶ歩荷(ボッカ)です。保存の利く食料はヘリコプターでシーズン初めに小屋に大量に持ち込むが、野菜や果物などは毎日ボッカで荷揚げをしているそうだ。
山小屋でスープが5〜6ユーロ程度で食べられるというように、新鮮な材料を使った料理がさほど高くない値段で食べられるのは彼らのおかげだ、とガイドが力説しておりました。
それにしてもフランスでボッカに出会うとは思いませんでした。
グラシェ谷に下り、シャピューの小屋に泊まる。
ガイドが、ここの夕食はおいしいですよと言った通りで、野菜のスープと、牛シチューと、お粥のような一皿がでて、全てがうまかった。彼等はシチューの肉が牛のどの部位か色々名前を挙げたが皆ハズレで、牛の頬肉とのこと、美味しかった。お粥のようなものはイタリア料理のポレンタかと思ったが、材料はトウモロコシとは違うと言う。ポリッジでもないとのことで名前を言ってくれたが覚えていない、パレポレだったか変な名前だった。何でも2〜3mの高さに育つ穀物とのことで、ひえかアワかの類ではないかと思う。あっさりしてとてもおいしかった。
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