Dゴルナーグラートからグリュンゼー
(Gornergrat-Gruensee)


ゴルナーグラートの展望台は周囲どの方向を向いても、素晴らしい眺望を楽しむことができる。それだけに観光客も多く、混みあっていてゆっくりできない感じだが、東へ伸びる尾根を、ちょっと歩いて高台に立つと、少しゆったりと景色を眺めることができると思う。

ハイキングはゴルナグラートを出発点に、時計方向にぐるっと半周するように歩くコースをとった。次々と違った山が正面に見え退屈しない。トレイルは綺麗に整備されていて、危険な所も無い。ほとんどが下りで、しかも、登山電車の駅の近くを歩くので、疲れれば何時でも電車に乗れるという安心感もあります。
マッターホルン・ヘルンリヒュッテから見た
ゴルナーグラートのパノラマ と トレイル

歩いた日; 2005年7月14日
 コース;Gornergrat-(55min)Riffelsee-(45min)Riffelberg-(昼食30min)-(1h)Riffelalp分岐-(10min)線路を横切る-(55min)Gruensee Restaurant-(10min)Gruensee(休み20min)-(1h10min)Findeln分岐-(35min)Findelbach
(合計5h40min,標高差 下り1320m登り80m,最高点3080m) 

ゴルナーグラートで登山電車を降りて、展望台に立つと、先ず、目の前の幾つもの氷河とその流れに目を奪われる。しばし声も出ないほど。歩いたマッターホルン周辺や、オーバーロートホルンもぜーんぶ見える。

                     ゴルナーグラートからの眺め   拡大→
山は左からモンテローザ(4634m)、リスカム(4527m)、カストール(4226m)、ポリュックス(4091m)、ブライトホルン(4159m)、右端はクライネ。マッターホルン3683m)
氷河は左からゴルナー氷河、グレンツ氷河、

暫く景色を堪能したあと、ハイキングに出発です。
先ず逆さマッターホルンで有名な湖・リッフェルゼー(Riffelsee)に向かって標識に従い下ります。モンテローザを後ろにし、正面にマッターホルンを見ながらの快適な下りです。

             ゴルナグラート下のトレイルから見る          拡大
山は左からブライトホルン(4159m)、クライネ・マッターホルン(3683m)、手前の岩はリッフェルホルン(2927m)、右はマッターホルン(4478m)

まもなく、リッフェルゼーが下に小さく見えてきます。ローテンボーデンの駅で降りてこの湖に寄る日本の団体さんのハイカーも多く、湖の周りは賑やかでした。
湖面はちょっとさざなみが立っていて、スカッとした逆さマッターホルンとはなりませんでしたが、それでも程々には見えました。

リッフェルゼーにて

リッフェルゼーの下の湖

リッフェルゼーの湖の下にもちょっと小ぶりの湖があり、ここの方が波がやや少なく、先端が綺麗に映っていました。
湖に映ったマッターホルンは湖の岸から離れて見るよりも岸ぎりぎりに立って見る方が、より上下対称に見えて美しいように思います。
リッフェルゼー付近では、リッフェルホルン(Riffelhorn)の岩山が左に大きく近づき、良く見ると、ロッククライミングをしている人達を見ることができます。

このあとは、草地のゆるい傾斜を大きく巻くように進む。前を遮るものが何も無く、気持ちの良いトレイルが続く。途中、草地に座り、左のマッターホルンから右のヴァイスホルン(Weisshorn4505m)までの180度の大パノラマを見ながら昼食をとりました。
右の白い山はヴァイスホルン、左の尖った山はツィナールロートホルン(Zinalrothorn4221m)

リッフェルベルク(Riffelberg)の駅に立ち寄りトイレ休憩。ここを過ぎると、少し急な坂を下る。左手にマッターホルンが麓からせり上がった綺麗な姿を見せる。

リッフェルアルプ(Riffelalp)の手前で右に入り、登山電車のレールを横切る。2本のレールの向うにちょうどマッターホルンがそびえていて電車が通るとまるで絵葉書のよう。
この辺りから林の中を歩く。

リッフェルアルプからの道と合流してから、急に歩く人が多くなった。東洋人の姿は無くヨーロッパのお年寄りや、子供連れの家族が多い。登り下りの少ない道を進むと、グリュンゼーの山小屋の前に出、そこから直ぐグリュンゼーの湖に着く。
マッターホルンの頭がちょっと見えるだけだし、思ったよりも小さな湖だが、沢山の人が水遊びや水泳ぎを楽しんでいる。なるほど、往来が多いのはこれがお目当てだったのか。のんびり過ごしたいヨーロッパの人の気質に合った場所なのだろう。後で知ったが、この辺りは家畜の放牧をせず、水質を維持するようにしているらしい。

ヒンデル氷河が奥に見え、氷河の後退した跡の大きなモレインが湖の直ぐ近くまで来ている。そのモレーンの左横に小さくフル−エアルプ(Fluealp)の山小屋が見える。
 ヒンデル氷河(東)の方向。・・・・拡大
右の尖った山はアドラーホルン(3988m)、
その左はシュトラールホルン(4190m)、
左の山はリムプフィッシュホルン(4198m)
ツェルマット(西)の方向。
右の山はツェナルロートホルン(4221m)
左はオーバー・ガーベルホルン(4063m)
グリュンゼーの湖

湖を一周し、下りる。

フィンデルン(Findeln)の村に寄ろうと思ったが、ちょっと登りがあり、そこまで行く元気がなくなっていた。そのまま下り続けて、フィンデルバッハ(Findelbach)の駅から登山電車に乗って帰った。
フィンデルの村




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