Bボール・シェルター・ハット・ルート(Ball Shelter Hut Route)


ボール・シェルター・ハット・ルート(Ball Shelter Hut Route)のスタートは、タズマン・ヴァッレー・ロード(Tasman Valley Rd)の終点から始まる。
前半はタズマン氷河(Tasman Glacier)によってできたモレインの外側を歩き、後半はモレーン(Moraine)の上やガレ場や岩石が重なったやや不安定な所を歩く。見たところ、元々はボール・シェルター・ハット迄トラック道が作られていたようだが、あちこちで土砂崩れや崩落があり現在のルートになったようだ。
ボール・シェルター・ハットから見る
タズマン氷河と白い山・ミナレッツ(Minarets 3048m)

フランツジョセフ氷河(Franz Josef Glacier)はこの山の裏になります
氷河の直ぐ横を歩くが、氷河は土や砂を被っていて黒い氷河です。白い氷河が見えますが近づけません。歩いている間、見える景色が大きく変化しないのでやや単調なルートですが、景色そのものは迫力十分です。

ボール・シェルター・ハットは閉鎖されています。小屋が建っている直ぐ横が崖になっていてその下が氷河ですが、崖が小屋に近づいてきている為のようです。鍵と鉄棒でガッチリと閉められていました。
インターネット情報::
   ボール・シェルター・ハット・ルート(英) Ball Shelter Hut Route
歩いた日:2008年12月03日
コース:
Car Parkー(1h40min)モレーンの上ー(25min)トラック道の終わりー(1h)Ball Shelter Hut(Lunch Time 35min)ー(2h50min)Car Park
行きの合計時間:3h05min
帰りの合計時間:2h50min
標高差:310m
最高標高:1030m




フッカー川の橋



マウント・クック・ビレッジの手前で国道80号線から右に入り、フッカー川(Hooker River)の橋を渡り山沿いの細い道を進むと駐車場に着きます。









駐車場の右手にブルー・レイク・シェルター(Blue Lake Shelter)の小屋があり、この地域のトレイル情報などが張られています。近くにタズマン・レイク(Tasman Lake)やブルー・レイク(Blue Lake)があり、短時間のウォーキング・トレイルがあるので、この辺までは車も人もけっこう見かけます。

駐車場
右の小山はモレーン、 
ボール・シェルターへは正面の谷を進む
駐車場の右手にあるブルー・レイク・シェルター
ブルー・レイクとタズマン・レイクは
小屋の横を右手に進む


正面に白い山が見え出す、右手の小山はモレーン




風が凄くきつい。トワイズル(Twizel)から来る途中車が風で大分振られた。しかし雲が殆どない快晴。
標識に従い正面の谷に入る。右手に20〜30m程の高さにせり上がったモレーンがあり、これに沿ってトラック道が作られている。左手はマウント・クックから伸びる尾根の斜面が続く。暫く歩くと川原のような砂利道となり、前方に白い山が見え出す。右側にタズマン氷河(Tasman Glacier)が流れているはずだが相変わらず右側は高いモレーンの壁で何も見えない。
時々前から強い風が吹きつけ砂塵を巻き上げる。目に砂が入り水で目を洗う。




歩き始めて1時間半ほどして右手のモレーンの斜面にしっかりとした踏跡が見えたので登ってみる。見えた!黒い氷河だ。上流には白い山迄、対岸には分かれた谷の先迄、下流は氷河湖のタズマン・レイク迄、延々と黒い氷河が続いている。タズマン・レイクには割れて流れ出た氷山が白く輝いて見える。
それとモレーン、タズマン氷河が運んだことが一目で分かる土砂の山・モレーン。氷河に沿って帯のように伸びている。昔、何時の時代か、氷河はこのモレーンの高さ迄あった。

モレーンの上に登る 土を被った黒い氷河が広がる
山はナバラ・ピーク(Navara Peak 2299m)
その奥はマルト・ブラン(Malte Brun 3155m)
氷河と氷河湖を囲むモレーン
右側が歩いてきた川原のような砂利道
タズマン・レイクと湖に浮かぶ氷山       


ガレ場から見上げる


モレーンの上から下って元の砂利道に戻る。再び歩き出して暫くすると、トラック道がなくなる。同時にモレーンの上に出て、歩きながら氷河が見えるようになる。
ここからは、モレーンの上や土砂やガレ場や岩石の積み重なりが多くなり、目印のポールを頼りに歩く。所々にトラック道が見えるが寸断されているらしくルートは別な所を通っている。









モレーンの上を歩く


不規則な歩きを続けた後、少し登って台地状になった平らな所に出た。猛烈な風が真向かいから吹いてくる。そして目の前に小さな小屋が見えた。風に逆らいながら近寄ってみるとボール・シェルター・ハットと書いてある。立っていられない程の風なので小屋に入ろうとしたが頑丈な南京錠と鉄棒で閉められていて入れない。小屋の風下側に座り昼食とした。

(帰ってからDOCのサイトを調べてみると、「小屋のそばのモレーンの壁が不安定なので次の知らせが有るまで小屋は閉鎖」とありました。氷河で侵食でされて、崖がどんどん小屋に近づいているようです)

ボールシェルター・ハット  

            ハット近くの崖



昼食後、もう少し先に進んで、ボール氷河が見える所まで行ってみようと歩き始めたが強烈な向かい風、写真を撮るにも立っていられず両膝つきで構える。モレーンの崖が近くにせまっているし崖の高さも半端ではない。吹き飛ばされても困るので先に進むのを諦め引換えすことにした。
空を見れば全くの快晴、何処からこんな強い風が吹いてくるのか不思議に思う。

ここまで進んで強風で引き返す。
後の小屋はボール・シェルター・ハット。左は崖で、その下は氷河

ボール・シェルター・ハット近くから見る氷河と白い山 
正面:ミナレッツ(Minarets 3048m)  左:ヘイディング(Mt Haidinge 3066m)


左の尾根の上に見えた白い山(マウント・クックの一部?)



左前方にマウント・クックはあるはずだが、手前の尾根の陰で見えない。それでも場所によって白い山の頂が左手前に少し見える所がある。方向からみてマウント・クックの一部だと思うので写真に撮ってみた。

ボール氷河が見える所まで行けば、マウント・クックの頂が見えるのではと思うが、この強風では致し方ない。





帰りは同じ道を帰る。
このルートを歩いた時に出会ったのは、一人歩きの若い女性のみでした。音と言えば風のみ、静かな山歩きでした。



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