ベルリーナヒュッテ(Berlinerhutte)

ベルリーナヒュッテ(Berlinerhutte)から少し登って
泊まったホテルの朝食時間が8時からで、早めても7時半にしかならないという。それに今日はオーストリアに着いた2日目で、時差ぼけもあって、身体がシャキッとしない。7時50分のバスを諦め、次の9時半のバスにした。
始めの計画ではシュヴァルツゼー(Schwarzsee)湖の往復を考えていたが、出発が遅くなったので、その手前にあるベルリーナヒュッテ(Berlinerhutte)に目標を変えた。

このトレイルは、長い谷を詰めてツィラーターラー・アルペン山群へ奥深く入り、目の前に3000mを越す山と氷河を目にすることができます。

ベルリーナヒュッテからは、氷河まで歩くトレイルが何本か伸びているようなので、ベルリーナーヒュッテに泊まれば、さらに変化のある山歩きができそうです。
ベルリーナ・ヒュッテは1879年に建てられたようですが、100年前の絵葉書の建物と今の建物の外観が全く同じで、変わっていないのは驚きです。これとは反対に、氷河のあまりの変わりようには驚きを通り越して何か恐ろしさを感じます。
自然は変わらず人工物は時と共に変わる、と思っていたのが、ここでは逆でした。
下記インターネット情報の赤い文字をクリックしてみてください。

  インターネット情報;
   ベルリーナヒュッテと氷河の後退(英)
  歩いた日;2006年7月2日
  コース;
Breitlahner Bus Stop   -(1h30min)Grawandhutte -(1h)Alpenrosehutte -(50min)Berlinerhutte -(25min)標高約2200m地点 -(帰り 2h30min)Breitlahner

[行きの合計時間;3h45min,
帰りの合計;2h30min  標高差;940m
最高標高;2200m]  

使用地図;35/1 Zillertaler Alpen (1/25000),  35/2 Zillertaler Alpen (1/25000)


ブライトラーナーのバス停、 ここから奥の谷へ向かって歩く
山はグローサー・グレイナー

マイアーホーフェンからバスで約40分、ブライトラーナー(Breitlahner)のバス停で下ります。次のダム湖まで行く人が殆どなので、乗り越さないよう注意しましょう。
バスを下りると大きな看板があるので、トレイルの案内かと思ったらガストハウス・ブライトラーナーの表示でした。トレイルの表示(矢印と標準時間)は、この左手にあります。

見えている山はグローサー・グレイナー(3201m)で、目指すベルリーナヒュッテは左下の谷の奥になります。

身体がだるいが、天気は晴れ。今日から本格的な山歩きが始まった。

ガストハウス・ブライトラーナーの前の広い砂利の道路を進む。右に谷川をみて木立のなかを歩き、クラウセンアルム(Klausenalm)の小屋の前を通過する。更になだらかな登りの一本道を行くと、やがて広々とした平らな牧場・シュヴェムアルム(Schwemmalm)に出る。一面黄色の花で埋まっていて、その中に牛がのんびりと草を食む。思わずポッポポーンとホルンの音を口ずさむ。

シュヴェムアルム シュヴェムアルムから振り返る、正面の山の下がバス停




牧場を過ぎると、正面に滝が見え、ゆるい登りを進むと次第に滝が近づいてくる。
左に入り、滝を直ぐ右に見てS字の坂道を登るとグランバントゥヒュッテ(Grawandhutte)の前を通る。この辺りから振り返ると、今まで歩いてきた谷が綺麗に見える。
更に登ると右下に谷川を見下ろすなだらかな道になる。左手の土手に沢山のアルペンローゼの花が見られるようになり「ヒュッテの名前も伊達には付いてないなー」などと言っているうちにアルペローゼヒュッテ(Alpenrosehutte)前に着いた。

アルペンローゼの花 アルペンローゼヒュッテ


アルペンローゼヒュッテ近くからの氷河・ヴァクセックケース

小屋から少し進んで、氷河・ヴァクセックケ−ス(Waxeggkees)が良く見える場所で大休止。パンとリンゴで昼食をとる。

砂利道の車道もアルペンローゼヒュッテでようやく終わり、やっとここから普通のトレイルになる。登りが急になり、ジグザグのトレイルが続く。次第に氷河の展望も良くなる。登りきるとそこに石造りのどっしりとした立派な山小屋が現れた。ここがベルリーナヒュッテだ。

ベルリーナヒュッテからシュヴァルツゼー湖へは1時間〜1時間半の距離で、帰りのバス時間を考えるとそこま行くのはやはりちょっと無理。だが、もう少し歩いても時間がありそうなので更にヒュッテの背後に続いているトレイルを30分弱登った。

シュヴァルツゼー湖へは行けなかったが、ちょっと登ったお陰でベルリーナヒュッテから見るよりもグンと展望が良くなり、満足して引き返すことができた。

見えた氷河を右から順番に紹介しておきます。
右下にベルリーナヒュッテを見る。         拡大→
見えるのはヴァクセック氷河とツィラターラー・アルペンの主峰グロッサー・メーゼラー(Grosser Moeseler 3478m、中央上)
正面に氷河・ホルンケース(Hornkees)を見る 左手前に氷河・シュヴァルツェンシュタインケースを見る(Schwarzensteinkees)

帰り道、滝の前を通過



帰りはひたすら下る。登りではあまり立派には見なかった滝も、帰りは豪華に見えるから不思議です。

それにしても砂利の車道は思いのほか疲れます。砂利で足の踏ん張りが利かないので、変なところに力が入るようです。

最終バス(18:15)に少し余裕を持って着いたので、バス停近くのただ一見のホテル・ガストハウスのテラスで、ともかく初日の歩きを無事終了したことを祝いハーフリッター(500cc)のビールで乾杯した。


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