ホーエ・ムート から ロートムース氷河 (Hohe Mut to Rotmoosferner) |
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ホーエムートへは、オーバーグルグル(Obergurgl)からリフトで行きます。 オーバーグルグルというちょっと面白い名前の付いた村へは、バスでエッツタールの駅からセルデンを通り、乗り換え無しで来ることができます。エッタールからだと1時間25分、セルデンからだと25分で着きます。 ホーエ・ムート(Hohe Mut)は羊の放牧地で穏やかな山ですが、標高は2653mあり、360度の展望を楽しむことができます。特に牧場の緑と氷河の白と、周囲のエッツタール・アルペンの岩肌とが素晴らしいコントラストを見せてくれます。 |
ホーエ・ムートから見るロートムース氷河 |
このコースは、ホーエ・ムートから南に尾根を進み、氷河を目の前にしたモレインの上まで歩きます。帰りは氷河が作った広いU字状の谷を下って戻ります。 歩いている間、どこからでも展望が利き、トレイルもさほどの急な登りや下りがありませんので、気持ちの良いハイキングができます。 |
![]() ・Obergurgl(英) ・Hohe Mut(英) ![]() ![]() Hohe Mut -(25min)Gaisbergtal分岐 -(50min)Rotmoosferner -(1h20min)Obergurgl分岐 -(15min)Schoenweiskopf -(40min)Bruggboden(中間駅) [合計時間;3h30min 標高差;登り160m、下り640m 最高標高;2700m] |
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羊の大歓迎 | 頂上付近のお花畑、尖った山は多分ラモルコーゲル(3540m) |
オーバーグルグルからリフトを2つ乗り継いでホーエ・ムートに着く。山頂駅の隣にレストランの有る山小屋があり、その裏手がちょっと小高くなっていて頂上らしい。登ると、360度遮るものなしの景色。
眺めていると羊の一段がやってきてMieの周りを取り囲む。後ずさりをすると、餌のにおいでもするのか争うように近寄ってくる。「どうしたらいいのー」と叫んだら、羊飼いがやって来て何やら言うと、やっと羊が向きを変えてくれた。ちょっとしたパニックだった。
頂上付近には、羊が嫌いな花なのか、食べられずに花が沢山咲いていた。ゆっくりと景色を眺めた後、いよいよ出発。
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ホーエ・ムートから南を見る。 真ん中の尖った山はキルヒェンコーゲル(Kirchenkogel 3280m) 左の氷河はガイスベルグ氷河(Gaisbergferner)、その氷河の左の山はホッヒフィルスト(Hochfirst 3403m) 右の氷河はロートムース氷河(Rotmoosferner)、その氷河の中央の山はロートムースコーゲル(Rotmooskogel 3338m) |
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歩き始め | 拡大→ |
先ず最初は、草つきの緑の尾根のトレイルを尖った山(キルヒェンコーゲル)に向かって歩きます。沢山のハイカーが同じ方向に歩き始めています。尾根の一番低い鞍部を過ぎて右下の谷・ロートムースタール(Rotmoostal)に下りるトレイルと分かれて真っ直ぐに進と、緩い登りになって更に進むと左の谷・ガイスベルグタール(Gaisbergtal)に下りる分岐に着く。ここも真っ直ぐに進む。
道は次第に右に巻いてロートムース氷河が正面に見えるようになる。
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歩いてきたヘーエ・ムートの尾根と、 帰りに下りるロートムースタールの谷(左下) |
歩いてきた尾根を振り返ると、ヘーエ・ムートのなだらかな山容が良く分かる。その後方に北側に伸びるエッツターラー・アルペンの山並みが見える。一番高く見えているのが多分ガムプレスコーゲル(gampleskogel
3399m)だと思う。
左下にはロートムースタールのU字の谷に、穏やかに川が流れ、背後の荒々しい氷河の山とは好対照の景色を見せている。
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ロートムース氷河に向かって歩く | 拡大→ |
トレイルは、もう一度右の谷に下りる道と分かれて、ロートムース氷河に向かって進む。
たくさん歩いていたハイカーは途中の分岐で下りていったらしく、ここまで来るグループはいつの間にか数えるほどになっていた。
ガレ石の中のトレイルを過ぎて、モレーンを登ると、氷河の末端に着き、標高2700mのロートムースフェルナーの標識が立っている。トレイルはここまでで、モレーンの上の狭い道幅で休みをとる。
ゆっくり氷河を眺める。氷河が波打っている。氷河から融けた水が幾筋もの流れとなり滝となって流れ落ちている。今年のヨーロッパの夏は猛暑だそうで山を歩いていても暑い。氷河が成長すことはもう無いのだろうなーと、先のことが心配になる。
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ロートムース氷河 | 氷河の拡大 |
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モレーンの上のトレイル かってはモレーンの左側いっぱい迄氷河があったのだろう |
たっぷり休んだ後、下山開始。ロートムースタールの谷を見下ろしながらモレーン上のトレイルを下る。
モレーンが終わるとしばらくは川原の砂利の道を歩き、どんどん下ると草地になる。
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下りてきたロートムースタールの谷を振り返る |
草地には沢山の高山植物の花が咲き競う。
密集して花が咲く所々にロープで四角に仕切られた囲いがある。立て札が立っているので近づくと、ドイツ語でインスブルック大学何とかと書いてある。植物の定点調査地かなと思いながら更に進むと、囲いの中に人が這いつくばって何かしている。
1m四方くらいの枠を地面に置き、その中の花を数えては記録用紙に記入している。多分花の種類ごとに数を数えているのだろう。数え終わると四角の枠をパタンと手前に反転して動かし、また数え始めた。囲いの中全てを順番に調べるようだ。
大変な研究だなと感心して暫く作業を眺めた。
ロートムースタールの谷を下りきると、右オーバーグルグル、左シェーンヴィースヒュッテ(Schoenwieshutte)の分岐に出る。シェーンヴィースヒュッテの奥に緑で覆われた小高い岡・シェーンヴィースコプフ(Schoenwieskopf
2324m)が見える。そこからオーバーグルグルの村が良く見えるというので往復してみることにした。
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シェーンヴィースコプフの岡から見るオーバーグルグル |
分岐から広い砂利道を少し下がると橋に出る。ここから約80m程度の登りになるのでザックを橋の袂に置いて空身で登る。
シェーンヴィースヒュッテの前を過ぎ、広い道を少し進むと右手に小さく Schoenwieskopf
と書かれた標識が立っているので、ここから入る。多少の踏み跡がある程度で道は無い。花が咲く草地の中を一番高いところめがけて適当に進むと、立派な石造りのベンチとテーブルがある。ここが頂上の展望地。山に囲まれたオーバーグルグルの町が良く見える。
歩いてきたロートムースタールの谷もこの緑の岡から良く見えてなかなか素晴らしい。
帰りはもと来た道を戻り、置いておいたザックを背負って分岐から広いトラック道を下る。途中左に分かれるトレイルがあるが何処に出るのか分からないので、トラック道をそのまま下った。
そのままオーバーグルグルまで歩いても良いが、リフト乗り場がが見たら自然に足がそちらを向いた。中間駅からリフトに乗ってオーバーグルグルに着いた。