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出版物

心の歌で吹け -操作を超えた金管楽器演奏

音楽教育研究ハンドブック

芸術理論古典文献アンソロジー 西洋篇

ティーチング・ブラス -管楽器指導の新しいアプローチ

イメージ・リテラシー工場 -フランスの新しい美術鑑賞法

シューベルト -音楽と抒情詩

音楽学を学ぶ人のために

音楽と美的体験

音と言葉 -谷村晃先生退官記念論文集

音は生きている

楽の器



Kristian Steenstrupの"Blow Your Mind"の訳書が2020年11月に出版されました。

クリスティアン・ステーンストロプ著 前川陽郁、西田和久訳、『心の歌で吹け -操作を超えた金管楽器演奏』、ウイング出版部


(スキャンして縮小すると一見真っ白な表紙に文字があるだけのようになってしまいましたが、きれいなデザインがされています。)
『心の歌で吹け』表紙

 タイトルからは、精神論的読み物のような感じがするかもしれません。「精神」的な面に焦点を置いていることは確かなのですが("Teaching Brass"が金管楽器演奏の生理的側面を中心としていたのに対して)、脳のことなど、わりとカタい内容が多く、それは後の目次をご覧いただければわかるとおりです。なのに「心の歌で吹け」というのは、人目を引くようなタイトルにしたと思われるかもしれませんが、原題を直訳すれば「あなたの心を吹け」になり、これでは日本語の出版物のタイトルとしては内容がわかりませんし、心の中で歌うことによって金管楽器演奏に必要な身体のコントロールをすることに主眼がありますので、このようなタイトルにしました。
 木管楽器に固有のことは書かれていませんので、サブタイトルには「金管楽器演奏」と入れましたが、木管楽器演奏にも当てはまることが多く論じられています。

 ISBNの付いた、れっきとした(私的印刷物ではない)出版物なのですが、書店に注文されても取り寄せてもらえませんし、インターネット・ショッピングでも流通しません。ドルチェ楽器さんのご厚意により、店舗で販売していただいています。

ドルチェ楽器
大阪店  大阪市北区茶屋町1-1 共信梅田ビル
名古屋店 名古屋市中区栄2-2-35
東京店 東京都新宿区西新宿1-13-12 西新宿昭和ビル8F
  ドルチェ楽器のサイトはこちらです。

ドルチェ楽器にいらっしゃることのできない方は、当方にお問い合わせください。



目次は以下のとおりです。

原著の表紙          
Blow Your Mind Cover
歌と息
 脳に入り、脳から出る音楽
 金管楽器の音響学
 頭の中で声を育てる
音の高さ、長さ、大きさ、音色
 音の高さ
  歌うこととソルミゼーション
  マウスピースでの演奏
  イントネーション
  他の人といっしょに演奏する
  ドローンを鳴らしながら演奏する
 音の長さ
 音量
 音色
歌に焦点を置く
アンブシュア
 フリー・バズィング
 リム
 振動する表面を感じる
 接触の圧力
 高音域
呼吸
 呼吸の生理的構造
 姿勢
 呼吸の心理的構造
  吸気
  呼気
  子音“H”
 呼吸のための器具
  ブレス・ビルダー
  呼吸バッグ
  呼気量計
  可変抵抗圧力計
 呼吸の練習

 子音
 スタッカートの幻影
 母音
  ヴェントゥリ効果を使う
禅とアンブシュア保持の技法
練習
 ミエリン協奏曲
 ニューロンがいっしょに発火するとつながり合う
 遅いテンポでの練習
 フロー・ゾーン
 集中した練習
 練習時間の組み立て
  ブロック化した練習
  ランダムな練習
  変化を付けた練習
 学習スタイル
 頭の中での練習
 脳波と演奏
  センタリング
   センタリングの練習

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『音楽教育研究ハンドブック』表紙

   日本音楽教育学会設立50周年記念出版
『音楽教育研究ハンドブック』、2019年9月、音楽之友社

 第3部「音楽教育のフィールドと実際」第5章「高等教育・教員養成課程における音楽教育」の中の5-1「大学における音楽教育の意味」を担当しています。

 分量に制約があることから、文献の情報を十分に記載することができませんでした。

・酒井諄、『音楽の体験と思索』(1993、音楽之友社)については、その第二部第五章「いまなぜ一般教育〈音楽〉か」が関連します。

・コンラート・パウル・リースマン著、斎藤成夫、齋藤直樹訳、『反教養の理論──大学改革の錯誤』、2017、法政大学出版局。

 「研究と教育の統一」が、その第六章「ボローニャ──ヨーロッパ高等教育圏の空虚さ」の中で強調されています。


 他には、以下の書籍を参考にしています。

・菅野恵理子、『ハーバード大学は「音楽」で人を育てる──21世紀の教養を創るアメリカのリベラル・アーツ教育』、2015、アルテスパブリッシング。

 菅野氏は2018年に『未来の人材は「音楽」で育てる──世界をひらく5つのリベラルアーツ・マインド』(アルテスパブリッシング)を出版されていますが、大学教育の問題には『ハーバード大学は「音楽」で人を育てる』の方が直接的な関連を持ちます。

・山本敦久編、『身体と教養─―身体と向き合うアクティブ・ラーニングの探求』、2016、ナカニシヤ出版。

 特に、東谷護氏による第二章「教養教育にみる「音楽」のあり方を考える」。

・草原克豪、『日本の大学制度─―歴史と展望』、2010、弘文堂。

 特に、第十章「大学教育の中身─―教養教育と専門教育」。

・ジョン・ステュアート・ミル著、竹内一誠訳、『大学教育ついて』、2011、岩波書店。

 「美学・芸術教育」という節があります。ただし、原著にはこの見出しはなく(訳者が凡例で書いているとおり)、また、「美学」(aesthetics)の語も使われていません。




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『芸術理論古典文献アンソロジー』表紙『芸術理論古典文献アンソロジー 西洋篇』

  加藤哲弘編集、2014年6月20日、京都造形芸術大学東北芸術工科大学出版局藝術学舎発行

   西洋の芸術理論の48の基礎文献の解題と日本語訳(部分)からなり、音楽関係は

   第8章 「音楽論 アウグスティヌス」
   第17章「ハルモニア教程 ザルリーノ」
   第20章「音楽大全 プレトーリウス」
   第22章「オペラ批判 ペロー」
   第23章「自然の諸原理に還元された和声理論 ラモー」
   第25章「完全な楽長 マッテゾン」

   で、私は「完全な楽長 マッテゾン」を担当しています。







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『ティーチング・ブラス』表紙
管楽器奏法、指導法の画期的理論書

『ティーチング・ブラス
   -管楽器指導の新しいアプローチ』

     クリスティアン・ステーンストロプ著
     前川陽郁訳、西田和久訳・解説

     2008年11月15日 作品社


 著者が来日しました。
 詳しくは
『ティーチング・ブラス』ぷらすのページで。


 デンマークのトランペット奏者で、オーフスにある王立音楽院の准教授(出版時)であるクリスティアン・ステーンストロプ Kristian Steenstrupによる"Teaching Brass"の改訂第二版を私と同じ大学に勤務するテューバ奏者の西田和久氏と共同で翻訳し、西田氏が解説を加えました。
 金管楽器奏法の原理の面から教育について考えている本で、どのように演奏、教育をすべきかを考えるときに貴重な情報を与えてくれます。すぐに実践で役立ちそうな"How to"や"Tips"のようなものを求めて読まれても、失望すると思います。後に紹介している目次からもわかるように、呼吸のことが多くの部分を占めていますので、偏っているように感じられるかもしれませんが、管楽器演奏にとって呼吸がいかに重要であるかを納得させられます。
 その意味では、この本の内容は木管楽器演奏にもプラスになると思いますが、木管楽器固有のアンブシュアやリード、フィンガリングのことなどについては触れられていません。また、呼吸という点では、声楽を学んでいる人にも参考になると思いますが、発声法の理論的な書物は日本語で読めるものが多く出版されていますので、あえておすすめはしません。反対に、この本の内容は発声の理論に負うところが多く、そのうちには、リチャード・ミラーRichard Millerの『歌唱の構造』("The Structure of Singing: System and Art of Vocal Technique", 1986)などの著作があります。これを声楽専攻の大学院生といっしょに読んでいたことがあり、すばらしい内容です。2014年に音楽之友社から訳書が出版されました。 
 幸せなことに、予想していたよりもずっと多くの人が買ってくださいました。宣伝と販売に多大なるご協力をいただきました、ドルチェ楽器さん、グランド楽器さん、ありがとうございました。

*****共訳者で、この分野の専門家である西田和久氏は、本書について次のように語っています。*****


 元シカゴ交響楽団のテューバ奏者であり、管楽器教育のエキスパートとして世界的名声を誇っていた故アーノルド・ジェイコブスに師事し、管楽器演奏に関しての発想の転換を得た、デンマーク王立音楽院のトランペット科准教授であるクリスティアン・ステーンストロプ氏が著した「ティーチング・ブラス」は、世界の管楽器奏者の間で評判の書になっています。
 『ティーチング・ブラス』がヨーロッパで発売されるとすぐに、元ミュンヘン国立歌劇場管弦楽団テューバ奏者のロバート・トゥッチ氏(アーノルド・ジェイコブスの教育理念をヨーロッパに紹介した草分け的存在)が、ぜひとも日本語に翻訳するようにと、京都市交響楽団テューバ奏者の武貞茂夫氏に連絡を入れたほど、内容的にすばらしい著作の翻訳をこのほど日本で出版することになりました。
 アーノルド・ジェイコブスの教育理念は、近年日本でもプロの演奏家の間で、その本質が認識され、それを学ぶ事により演奏レベルの向上を見てきましたが、それに時を同じくして、ジェイコブス氏から教育を受けた音楽家が,その理論を用いて教育を行う事で、日本の学生や生徒の目を見張るようなレベル向上に成功しています。
 アーノルド・ジェイコブス氏の真の後継者といわれているノースウエスタン大学テューバ科教授のレックス・マーティン氏を、1996年より9度にわたり(2008年現在)日本に招聘する事で、演奏会や講習会の場ではアーノルド・ジェイコブスの教育理念、およびそれを発展させたマーティン氏の指導方法が日本に紹介されていましたが、本書はそれを理論的に裏付けした書物になり、その翻訳出版が待たれていました。九州交響楽団テューバ奏者の鈴木浩二氏に翻訳原稿を読んでいただいたところ、今後は氏の管楽器教育のバイブル的存在になるだろうとのコメントをいただいています。

***************

 このように、ジェイコブス氏の教育法が一つの基礎となっており、また、鈴木メソード(スズキ・メソード)で知られているヴァイオリン教育の鈴木鎮一氏の考え方も、重要な役割を持っています。

 ところで、クラブ活動でトランペットを演奏していた頃(別のページを作っています)、非常に音が出にくくなったことがあります。そのときは、誰にもあるようなスランプだろうというぐらいにしか考えておらず、実際、徐々に改善していったのですが、この本を読んで、その原因がわかりました。といっても、専門家が指導していればすぐにわかるようなことだろうとは思うのですが、当時もその後も管楽器奏法の本は結構読んできたにもかかわらす、わからないままでした。もちろん、そのものズバリの答えが書かれていたわけではありません。奏法を原理から知ることの重要さを実感した次第です。


目次
原著の表紙          
TeachingBrassCover
物理学の法則と金管楽器奏者
 歌手と金管楽器奏者との類似性
 マウスピースでの演奏
 振動の体制
唇の振動とアンブシュア
 歌手のアンブシュア
 金管楽器奏者の声帯
 アンブシュアの筋肉組織
 マウスピースの位置
 アンブシュアの音響学上の特性
 アンブシュアと空気力学
 金管楽器奏者の身体機能の脳によるコントロール
 脳による顔のコントロール
金管楽器奏者とソルフェージュ
模倣の力
 ミラー・ニューロンとエコー・ニューロン
金管楽器教育法の呼吸の側面と空気力学の側面
 呼吸器官の意識的なコントロール
呼吸の生理的構造
  呼吸筋と様々なメソードの中での呼吸筋の扱い
  横隔膜
  腹筋
  肋間筋
  呼吸補助筋
 姿勢
 肺の空気量
 弛緩圧
 吸気の大きさ
 肺活量の個人差
 ヴァルサルヴァ活動(吸った息を止めて力を入れる)
  アーティキュレーション(発音)とヴァルサルヴァ活動
  ヴァルサルヴァと吃音
 空気力学とサウンド
  空気力学とマウスピースの圧力
  その他の空気力学的側面と音響的側面
  母音と音色
呼吸の心理的構造
 吸気
 呼気
 強弱
 呼吸の練習
参考文献
解説 ―次代をになう人へ  西田 和久
訳者あとがき
索引

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『イメージ・リテラシー工場』表紙
ジャン=クロード・フォザ、アンヌ=マリ・ギャラ、フラソワーズ・パルフェ著、犬伏雅一、前川陽郁、前田茂訳

『イメージ・リテラシー工場
         -フランスの新しい美術鑑賞法』


   2006年2月2日、フィルムアート社

(Jean-Claude Fozza, Anne-Marie Garat, Francoise Parfait, "Petite fabrique de l'image", 2003,Editions Magnard)

「美術鑑賞法」といっても、絵画だけではなく、写真、映画、ヴィデオ・アート、インターネットなど、様々な像(イメージ)の読み解き方(リテラシー)の本で、読解力を養うためエクササイズが付いた、実践的な内容です。






目次
1 イメージと類似性
 図像的対象
 類似のコード
 図像と文字
2 奥行きと消失
 先史時代の芸術における空間の表現
 絵画における古典的遠近法
 遠近法と写真の発明
3 イメージの世界
 フレーム
 画面と画面外
 被写界深度
 イメージとその大きさ
4 視線
 視点
 観客の同一化
5 静止イメージの記号学
 イメージは、言語よりも多義的である
 イメージによるコミュニケーション
 類像記号からメッセージへ
 言語メッセージと類像メッセージ
6 空間とイメージ
 世界のイメージである地図
 地図と想像上のもの
 宇宙進化論と原始都市
 空間の象徴的表現と世界の再現
7 身体とイメージ
 身体の再現
 顔の再現
 身体、物質、イメージ
8 時間とイメージ
 静止イメージにおける時間と運動
 連続する静止イメージでの時間と運動
9 映画の時間
 映画の発明者たち
 歴史から作られる映画
 映画作品の小工場
10 映画の大工場
 社会学
 映画の経済学 : 零細商店とスーパーマーケット
 時は金なり
11 映像の記憶
〈ドキュメントとなった〉現実 : 見る・知る・できる
 アーカイヴとその扱い
 芸術とアーカイヴ
12 今日のスクリーン
 テレビ
 ヴァーチャルな世界に向かって




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『シューベルト 音楽と抒情詩』表紙

ゲオルギアーデス著、谷村晃、樋口光治、前川陽郁訳

『シューベルト - 音楽と抒情詩』、2000年9月5日、音楽之友社

(Thrasybulos G. Georgiades, "Schubert - Musik und Lyrik", 1967, Vandenhoeck & Ruprecht, Gottingen)


 





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『音楽学を学ぶ人のために』表紙

 根岸一美、三浦信一郎編
 『音楽学を学ぶ人のために』、2003年12月、世界思想社











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『音楽と美的体験』表紙

 『音楽と美的体験』、1995年3月20日、勁草書房














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『音と言葉』表紙
 『音と言葉 -谷村晃先生退官記念論文集』、1993年、音楽之友社










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『音は生きている』表紙

谷村晃、畑道也、山口修編

『音は生きている』(「芸術学フォーラム」6)、1991年、勁草書房









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『楽の器』表紙

 藤井知昭、山口修、月溪恒子編

 『楽の器』、1988年、弘文堂












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