ルヴァロワ技法には前に述べた通り二つの方式があります。英語では 「preferentia methodl」 と 「recurrent method」 の二つですが、「Technology and Terminology of Knapped Stone」 と、その姉妹本 「Technology of Knapped Stone」 の邦訳 「石器研究入門」 を比較判読すると、前者が 「単一ルヴァロワ方式」、後者が 「反復ルヴァロワ方式」 と邦訳されています。ただし前者の用語は、現在のところ日本の考古学界では、未だ一般的な使用には至っていないようです。以下に 「preferential」 と 「recurrent」 の相違を記した図を採録、列記しておきます。参考になさってください。

　ただ 「単一」 と 「反復」 を分けるのは意味があるとしても、「求心型＝centripetal」、「一方向型＝unidirectional」、「対方向型＝biderectional」 の分類は、果たして必要なのか、私は疑問に感じています。なぜなら、これらが製作された時代には、予めこのような分類が先行して有ったわけではなく、多種の剥離方法を現代の学者が整理したに過ぎず、強いて分類することに特段のメリットがあるわけでは無いからです。