北アメリカの先住民
 H O M E
世界の歴史・鳥瞰図
    





                                                                                                
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文  化  圏 3400年 3200 3000 2800 2600 2400 2200 2000 1800 1600 1400 1200 1000 800 600 400 200BC AD200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 2000年
極 北
・亜 極 北
エ  ス  キ  モ  ー(第Ⅱ期~第Ⅳ期) エ  ス  キ  モ  ー(第Ⅴ期) 西・英・仏分割期 カナダ
北 西 海 岸 イ ン デ ィ ア ン 諸 文 化 (ツィムシアン族・ワカシュ語族・セーリッシュ族などの文化) 同上 *オレゴン州の成立オ州
カリフォルニア カ リ フ ォ ル ニ ア 諸 文 化(ポモ族など) 同上 カ州
西     部                                                                              北・中アメリカの文化の盛衰
アニメ(紀元1年~2000年)
フレモント文化(ショショーニ族など)フレモント文化の分布図 同上 ユ州
南  西  部 古               期 アナサジ文化(プエブロ族)・ホホカム文化(ピマ族など)・モゴヨン文化(ズーニ族など)アナサジ文化等の分布図 同上 ニ州
大  平  原 北部プレーンズ(シャイアン族等)プレーリー(ポーニー族等)南部プレーンズ(コマンチ族等) 同上 ミズ州
東 部 森 林 アデナ文化/ホープウェル文化(イロクォイ・アルゴンキン族など)*ホープウェル文化の遺物
ビーバーのパイプ
 アデナ文化
ホープウェル文化の
遺跡分布図
 
*サーペント・マウンド
(フォートエンシェント文化)
フォートエンシェント
フォートエンシェント文化の
分布図
同上 *オハイオ州の成立 オハ州
南  東  部 ワトソン・ブレーク  ポヴァティー・ポイント文化 ホープウェル文化 ミシシッピ文化(ナチェズ族など)ミシシッピ文化の分布図 同上 ミシシ州
                                                                              注:「北西台地文化圏」には特記すべき特徴がないの「グレートベースン文化圏」とまとめて「西部文化圏」としています。


                                                                                                            戻る
概観:北アメリカ先住民の歴史

(一)紀元前1万2000年頃、現在のベーリング海峡が陸続き(ベーリンジア)であった頃アジア大陸からモンゴロイドが北米大陸へ流れ込みました。この頃北米大陸の北部には東にローレンタイド氷床、西にコルディエラ氷床がありその間のマッケンジー回廊を南下することが出来ました。パレオ・インディアン(原インディアン)はそこを通って南へ進み紀元前1万年頃には南米の南端にまで到達しています。

(二)中米や南米ではマヤアステカアンデスインカなどの文明にまで発達するほど人間集団は巨大化しました。家族(バンド)→部族(トライブ)→首長社会国家という発展を遂げたのです。しかし北米では幾つかの首長社会(数千人規模)以外は、多くの小部族が個別に存在するという状態が長く続きました。これが北米先住民社会の特性です。

(三)北米の先住民の歴史は 「石期」、 「古期」、 「形成期」 と、大きく三つに分けられます。

  ①石期(The Lithic stage)前11000年頃~前6000年頃
    旧大陸の旧石器時代に相当し、狩猟と採集に頼る移動性の高い生活を行っていました。この時代に生きていた人びとはパレオ・インディアンとも呼ばれています。発掘された石器(槍先、鏃)によってクローヴィス(ヤノ)文化フォルサム文化プラノ文化に分けられています。狩猟と採集に依存し主に大型草食動物を追う移動生活を行っていました。なお、クローヴィス文化はヤンガー・ドリアス(前10,900~9,500年)によって終焉したとされています。
   
   ②古期(The Archaic stage)前8000年頃~前700年頃(前700年頃というのは一つの指標に過ぎず、実際には前3000年に終わった地域もあれば1492年以後も古期の生活が存続した地域もあります)
     旧大陸の新石器時代に相当します。大型動物の絶滅がもたらした、狩猟採集から農耕(トウモロコシ、ウリ、マメ)への移行期です。アトラトル(投槍器)による狩猟も行われましたが、定住性が増え土器が作られ徐々に篭細工(バスケット・メーカー)、陶器織物の製法を身につけました。石造りの家を建て、銅を精錬し、死者の埋葬の習慣も生まれました。ただ残念なことに文字車輪鉄器は遂に登場することがありませんでした。古期においても文化的進歩の地域差が大きく、ワトソン・ブレークポヴァティ・ポイントなどのマウンド遺跡や複合遺跡(complex)が非常に早い時期(B.C.3400年頃)に現れます。この問題は北米の考古学者を悩ませていますが 「古期」の北米の文化の多様性を示すものでしょう。

   ③形成期(The Formative stage)前1000年頃~現在
    この時代の歴史は便宜上、下に記すような10の文化領域を設けて説明されています。しかし各文化圏が一つの文化を持つわけではなく、実際には多くの部族が固有の文化や言語を個別に育んでいきました。古期から形成期を地域別に年表にしたのが上の年表ですが、地域によっては狩猟採集(含遊牧生活)から脱しなかったり、定住して首長社会にまで成長した文化を持ったり、エジプトのピラミッドを凌ぐマウンドを築いたり、様々に異なります。この時代の遺跡から判明してきた顕著な文化としては南西部のアナサジ文化ホホカム文化モゴヨン文化、東部及び東南部のアデナ文化ホープウェル文化ミシシッピ文化などが上げられます。

  ④ヨーロッパ人の侵入(1492年)以後
    コロンブスの発見以後、先ず約1600年頃からスペインポルトガルイギリスフランスなどヨーロッパ各国が次々に領土獲得に乗り込んできました。それ以降、殺戮や疫病によって原住民は急激に人口を減らしました( 「アメリカ・インディアンの 歴史」 によれば1492年当時100万人有った人口が一時25万人にまで減少したとされます)。その後は、下記のとおり現在に至るまでに 相当数を回復しています。さらに留意するべき点は強制的な移動居留地(reservation)の押しつけにもかかわらず、あくまで彼等独自の文化を守り続けていることです。

 なお北アメリカ先住民の人口については1890年約25万人だったのが、1970年のアメリカの国勢調査で約79万人( 「アメリカ・インディアンの歴史」 から)となっていますが、他には正確な算定がなされていないようです。2010年の調査では約290万人(全人口の0.9%)が単一人種として 「アメリカ・インディアン」 か 「アラスカ先住民」 を選択し、延べ約230万人(0.7%)が 「血を引く」 と回答しました。合計約520万人(1.7%)がアメリカ先住民かその血を引くと回答したわけです(「The American Indian and Alaska Native Population: 2010」 から)。なお最近の調査では、USAの 「全人口」 は323,127,513人となっております(「United States Central Bureau」 2016年調査)。  

北アメリカ先住民の現状

①現在の居留地分布
(参考:地図の番号と部族名
(「Wikipedia」から)


合衆国政府が把握している部族


「言語学大事典」
(各語族名・部族名


(参考:現在の北アメリカ)

                           (「アメリカ合衆国地図」から)
  
                                                                      戻る            
北アメリカ先住民の文化領域

 過去の北アメリカ先住民の生態はまことに複雑多岐にわたります。彼等の数百におよぶ部族の文化やその時期を分かり易く述べるためには先ず北アメリカ大陸を幾つかに区分けした方が良いと学者は考えました。そして北アメリカを約10の地域(極北文化圏・亜極北文化圏・北西海岸文化圏・カリフォリニア文化圏・北西台地文化圏・グレートベースン文化圏・南西部文化圏・大平原文化圏・東部森林文化圏・南東部文化圏)に分けそれを「文化領域」と名付けたのです。この区分の方法や命名は学者によって多少の相違があります。ここでは区分の仕方や各文化領域の名は「世界大百科事典」、「古代のアメリカ」、「アメリカ・インディアン」を参考にしました。
 なお、各文化圏によって、文化の発達プロセスが異なります。冒頭の年表を参照なさってください。

                                     


                                                    戻る
北アメリカ先住民の部族や言語分布  

 北アメリカ先住民もその生活の原初形態は狩猟採集であり、小さな集落から出発しました。それがやがて小部族・大部族へと発展していきますがそれらの部族は自然に同じ言葉を話す集団にまとまっていきます。大小の部族を合わせてコロンブスの発見時に幾つの部族が存在したかは正確な記録がありません。その後の学者の研究によってそれらの部族やその集合体を彼等の用いる言語によって分類することが通例になりました。それでも言語分布は下に見るようにまことに複雑でまた言語の数も296に達するとされています。これらの諸言語を丁寧に研究調査し、パウエル(J.W.Powell)が1891年55の語族に分類しました。それが現在もなお尊重され「有効とみなされている」と「世界大百科事典」は述べています。
 現在北米に散在する先住民の部族数は562とされています(Bureau of Indian Affairs 、2008年4月調べ)。 参考:現在の居留地分布
 ここでは三種類の分布図を紹介しています。それぞれに一長一短がありますがよく比べて細部を見ていくとアメリカ先住民の大づかみな分布の姿が見えてきます。
 語族についての研究は未だ進行中で決定版と言えるものが無いのですが、ここでは出来るだけ広く用いられている分類や表記に従っています。

                                                          

北アメリカ先住民の部族・語族分布図    Wikipedia「Classification of indigenous peoples of the Americas」から                                                 
  左図の中の「NOTHWEST COAST」、「PLATEAU」、「PLAINS」などの呼称は、上図「北アメリカの文化領域」の、それぞれ、「北西海岸文化圏」、「北西台地文化圏」、「大平原文化圏」などに対応しています。



















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                                                                                                               戻る
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参考:Wikipedia「Indigenous languages of the Americas」から
(4 Calusa、12 aranama、17 Seriはこの一覧表には有りません)

 
参考図(朝倉書店刊「古代のアメリカ」から)                                                                                戻る
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参考:アメリカ先住民の諸語族の分類(「ネットで百科@Home」から)                       戻る



                  
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