畳の材料となるい草の芯は、多孔質のスポンジ状になっており、たくさんの空気を含んでいます。
このい草を編むことによって、空気が層になり、畳は、弾力性温熱性、吸音性に優れているのです。
吸水性も高く、畳一枚で約500ccの水を含むことができます。乾燥した日には、その水分を放出し、湿度の高い日には、湿気を吸い取って、空気中の湿度を保つ働きをします。
ですから、夏の暑さを和らげ、冬は、室内の暖かさを保つという、天然のエアコンの役割を果たしてくれるわけです。水分を含むと燃えにくいのも木造建築に適していたのでしょう。
四季があって、気象の変化が著しく、湿度の高い日本の風土に最適な床材として畳が重宝されてきたことがわかります。
また、い草は、昔から、訳そうとしても用いられてきたように、空気中の二酸化炭素やアレルギーの原因ともなるホルムアルデヒドなどを吸着して、空気を浄化する働きがあり、その香りには、
鎮静効果があって精神をリラックスさせ、緑色は精神を安定させる作用があります。
また、ある研究所の実験結果では、大腸菌O-157やサルモネラ菌など、ヒトの身体に悪影響を及ぼす微生物に対して、抗菌性があることも分かりました。 |